EVとの部品共用化
なかなか純粋な新型の普通車が出てこない状況の日産ですが、レンジエクステンダー式のハイブリッドシステムを搭載した日産のコンパクトカーであるノートのe-POWERはが引き続いて大人気となっています。
現行ノートは2代目ですが、デビューは2012年9月ということで既に7年が経過しているのですが、昨年登場したe-POWERグレードで大きく息を吹き返してします。
このノートに搭載されたe-POWERというのは、
最高出力80kW(109ps)の電気モーター、最高出力58KW(79ps)の1.2L3気筒エンジンに、
総容量1.5kWhのリチウムイオンバッテリーパックを搭載し、パワーコントロールユニットで統合制御します。エンジンで発電機を動かし、そこで得る電力によって電気モーターを回して走るシリーズハイブリッド方式です。エンジンだけでクルマを動かすことはありません。
構造が比較的シンプルで制御もEVに近いというのがシリーズハイブリッドのメリットですが、電力マネジメントの点でバッテリーが大型でないと成立しません。従ってコストは他方式よりも高めになるのが弱点です。
しかし、日産にはすでにリーフという市販EVがあるので、それとの部品共用化が可能であり、本来は重量の大きな高価格帯モデルに向くはずのシステムを、あえてコンパクトカーに適用したのが大きな特徴となっています。そして、大ヒットしたわけです。
現行ノートは2代目ですが、デビューは2012年9月ということで既に7年が経過しているのですが、昨年登場したe-POWERグレードで大きく息を吹き返してします。
このノートに搭載されたe-POWERというのは、
最高出力80kW(109ps)の電気モーター、最高出力58KW(79ps)の1.2L3気筒エンジンに、
総容量1.5kWhのリチウムイオンバッテリーパックを搭載し、パワーコントロールユニットで統合制御します。エンジンで発電機を動かし、そこで得る電力によって電気モーターを回して走るシリーズハイブリッド方式です。エンジンだけでクルマを動かすことはありません。
構造が比較的シンプルで制御もEVに近いというのがシリーズハイブリッドのメリットですが、電力マネジメントの点でバッテリーが大型でないと成立しません。従ってコストは他方式よりも高めになるのが弱点です。
しかし、日産にはすでにリーフという市販EVがあるので、それとの部品共用化が可能であり、本来は重量の大きな高価格帯モデルに向くはずのシステムを、あえてコンパクトカーに適用したのが大きな特徴となっています。そして、大ヒットしたわけです。
実用的な性能を発揮
さて、一番気になるのはもちろんe-POWERのパフォーマンスということになりますが、基本的には日常での動力性能的には何も問題のないレベルになっています。
完全EVのリーフは車両重量が重く、それと同じスペックの電気モーターを搭載する軽量のノートですから、フルパワーをかければ当然ながら速いのです。電動パワートレインの制御もかなり改良されたようで、普段でのドライブフィールも普通のクルマと殆ど変わらないようです。
市街地を流すレベルならかなり静かです。エンジンは発電専用なので、アクセルペダルを踏み込んでもガソリン車のように急に回転が上げることはありません。充電が不足すれば当然ながらエンジンは始動しますが、エンジンは最も効率のいい回転域で保たれるので、唸るようなことはなく、エンジン自体の存在感は薄いのです。また、内燃機関は回転を上げることでパワーを高めますが、モーターは電気が流れた瞬間に最大パワーを発揮するので、アクセルワークに対するレスポンスが鋭いのです。
まず、ノートe-POWERのメリットとなるのは、
・低速域からの加速性能がいい
・中速域までは静か
・充電する必要がない
・ワンペダル走行ができる(eペダル:後述)
ということになるでしょう。
完全EVのリーフは車両重量が重く、それと同じスペックの電気モーターを搭載する軽量のノートですから、フルパワーをかければ当然ながら速いのです。電動パワートレインの制御もかなり改良されたようで、普段でのドライブフィールも普通のクルマと殆ど変わらないようです。
市街地を流すレベルならかなり静かです。エンジンは発電専用なので、アクセルペダルを踏み込んでもガソリン車のように急に回転が上げることはありません。充電が不足すれば当然ながらエンジンは始動しますが、エンジンは最も効率のいい回転域で保たれるので、唸るようなことはなく、エンジン自体の存在感は薄いのです。また、内燃機関は回転を上げることでパワーを高めますが、モーターは電気が流れた瞬間に最大パワーを発揮するので、アクセルワークに対するレスポンスが鋭いのです。
まず、ノートe-POWERのメリットとなるのは、
・低速域からの加速性能がいい
・中速域までは静か
・充電する必要がない
・ワンペダル走行ができる(eペダル:後述)
ということになるでしょう。
広いEV走行領域
EV走行領域はハイブリッド車にとって最重要項目です。
このEV走行領域はe-POWERの場合、プラグイン方式以外での現行ハイブリッドモデルの中では、最も広いのではないでしょうか。
ノートe-POWERは、バッテリー残量が不足していない状態で、速度が60km/hまでの速度なら、エンジンによる発電なしにバッテリー出力のみで加速がまかなえるのです。この完全EVに近い感覚はライバルとなるハイブリッドモデルとはっきり差別化が図られているわけです。
このEV走行領域はe-POWERの場合、プラグイン方式以外での現行ハイブリッドモデルの中では、最も広いのではないでしょうか。
ノートe-POWERは、バッテリー残量が不足していない状態で、速度が60km/hまでの速度なら、エンジンによる発電なしにバッテリー出力のみで加速がまかなえるのです。この完全EVに近い感覚はライバルとなるハイブリッドモデルとはっきり差別化が図られているわけです。
走行モードは3種類あります。エコ、ノーマル、スポーツとなりますが、スポーツモードでも極端に燃費が悪くなることはありません。通常の市街地での速度域なら、加速に不満を覚えることもほとんどないでしょう。
逆にエコでの加減速フィールはかなりゆったりのんびりします。モードごとのキャラクターづけがはっきりしている設定と言えるでしょう。それにしても以外なのは、スロットルワークを上手にすれば、スポーツモードでもエコモードに近い燃費値を出せるという点で、これはうれしい誤算でしょう。
逆にエコでの加減速フィールはかなりゆったりのんびりします。モードごとのキャラクターづけがはっきりしている設定と言えるでしょう。それにしても以外なのは、スロットルワークを上手にすれば、スポーツモードでもエコモードに近い燃費値を出せるという点で、これはうれしい誤算でしょう。
eペダルの機能
前項でも出てきた「スロットルワークを上手にする」というのはeペダルのことです。これはエコモードとスポーツモードで機能します。
アクセルを緩めるだけで、回生ブレーキが掛かり、更に緩めると、完全にブレーキが掛かる機能です。減速する度にバッテリーに充電されていきます。また、ブレーキをあまり踏まないのでブレーキパッドも消耗しません。
ハードな走り方をしなければ、スロットルペダル操作だけで山岳などのドライブでも快適に駆け抜けることができますし、フットブレーキとの踏み替えより足もずっと楽です。渋滞時にもかなり重宝されるでしょう。ただし、回生受け入れ性には限度があるので、強めの減速&停止の必要がある場合はフットブレーキが必要で、この点は注意が必要です。
いずれにしても、ノートe-POWERの場合は、運転の仕方次第で燃費に結構差が出るかもしれません。また、この機能に慣れるまでにちょっと時間がかかる人もいるかもしれません。
ちなみに、自動的にブレーキがかかるのはスポーツモードとエコモードであり、ノーマルモードは回生力が弱くなるので、この点も注意してください。
とは言ってもe-POWERの力を存分に発揮させるのは、ワンペダル走行ですから、これについては慣れてしまうことが一番の得策でしょう。
アクセルを緩めるだけで、回生ブレーキが掛かり、更に緩めると、完全にブレーキが掛かる機能です。減速する度にバッテリーに充電されていきます。また、ブレーキをあまり踏まないのでブレーキパッドも消耗しません。
ハードな走り方をしなければ、スロットルペダル操作だけで山岳などのドライブでも快適に駆け抜けることができますし、フットブレーキとの踏み替えより足もずっと楽です。渋滞時にもかなり重宝されるでしょう。ただし、回生受け入れ性には限度があるので、強めの減速&停止の必要がある場合はフットブレーキが必要で、この点は注意が必要です。
いずれにしても、ノートe-POWERの場合は、運転の仕方次第で燃費に結構差が出るかもしれません。また、この機能に慣れるまでにちょっと時間がかかる人もいるかもしれません。
ちなみに、自動的にブレーキがかかるのはスポーツモードとエコモードであり、ノーマルモードは回生力が弱くなるので、この点も注意してください。
とは言ってもe-POWERの力を存分に発揮させるのは、ワンペダル走行ですから、これについては慣れてしまうことが一番の得策でしょう。
弱点
ここまでノートe-POWERの特徴をいろいろ述べてきたわけですが、それでも弱点も指摘されています。
ズバリそれは「高速走行時に電費が悪くなる」という点です。「燃費」ではなく「電費」です。
ちなみに、一般道で時速30~60kmで走行する程度なら、e-POWERはしっかり性能を発揮します。ここが活躍のメインなのです。加えて基本的にクルマというのは、ある程度は惰性で進むことがあり、エンジンを使わなくて済むことがあります。そうするとかなりいい燃費をたたき出すこともあるわけです。
ところが、高速道路を時速100km+αレベルで巡行するような場合は、そうはいかないのです。
クルマが前に進むためには、「空気抵抗、走行抵抗、駆動抵抗」と釣り合うだけの駆動力が必要となりますが、高速道路では常に駆動力をかけ続けるような走行になり、EV車はそれが苦手です。ひたすら電力を大きく消費するからです。内燃機関のクルマは高速道路を走行する方が燃費が伸びますが、それとは逆になるのです。
これでお分かりの通り、e-POWERは「高速走行時の電費の悪さ」がの弱点となるのです。
これに対してハイブリッドの中では、ホンダの「スポーツハイブリッドi-MMD」の高速性能が優秀です。インサイトやCR-Vやステップワゴンなどで採用されているシステムですが、1.5Lエンジンと駆動用モーター、ジェネレーターを備え、「2モーター・ハイブリッド」と呼ばれるものです。
低中速では「EV走行」がメインで、高速では「エンジン」走行へ切り替えるパラレル方式です。高速走行時でもバッテリー残量に余裕があるなら「EVドライブモード」にもできます。これなら、e-POWERで指摘された弱点は解消できますが、残念なことにかなり高価なのです。インサイトのエントリーグレードでも約326万円ですから、お手頃価格におさまるノートe-POWERが結果として人気になるのもうなずけます。
ズバリそれは「高速走行時に電費が悪くなる」という点です。「燃費」ではなく「電費」です。
ちなみに、一般道で時速30~60kmで走行する程度なら、e-POWERはしっかり性能を発揮します。ここが活躍のメインなのです。加えて基本的にクルマというのは、ある程度は惰性で進むことがあり、エンジンを使わなくて済むことがあります。そうするとかなりいい燃費をたたき出すこともあるわけです。
ところが、高速道路を時速100km+αレベルで巡行するような場合は、そうはいかないのです。
クルマが前に進むためには、「空気抵抗、走行抵抗、駆動抵抗」と釣り合うだけの駆動力が必要となりますが、高速道路では常に駆動力をかけ続けるような走行になり、EV車はそれが苦手です。ひたすら電力を大きく消費するからです。内燃機関のクルマは高速道路を走行する方が燃費が伸びますが、それとは逆になるのです。
これでお分かりの通り、e-POWERは「高速走行時の電費の悪さ」がの弱点となるのです。
これに対してハイブリッドの中では、ホンダの「スポーツハイブリッドi-MMD」の高速性能が優秀です。インサイトやCR-Vやステップワゴンなどで採用されているシステムですが、1.5Lエンジンと駆動用モーター、ジェネレーターを備え、「2モーター・ハイブリッド」と呼ばれるものです。
低中速では「EV走行」がメインで、高速では「エンジン」走行へ切り替えるパラレル方式です。高速走行時でもバッテリー残量に余裕があるなら「EVドライブモード」にもできます。これなら、e-POWERで指摘された弱点は解消できますが、残念なことにかなり高価なのです。インサイトのエントリーグレードでも約326万円ですから、お手頃価格におさまるノートe-POWERが結果として人気になるのもうなずけます。
お値頃で高性能
ノートe-POWEは「高速燃費が悪い」というデメリットがあるにしても、普段使いではかなりの機能を発揮します。そういう割り切りでいいと思います。
e-POWERシステムがノートというコンパクトカーに搭載されているのもポイントです。結果として運転しやすく街乗りにはとても優れていることは間違いありません。フィットやアクアよりは価格が少し高めですが、新技術を搭載しているという魅力があります。ノート e-POWER Xで約206万円です。
ある意味、非常に個性的ですから、こればかりは、ぜひ一度試乗してみるのがいいと思います。
e-POWERシステムがノートというコンパクトカーに搭載されているのもポイントです。結果として運転しやすく街乗りにはとても優れていることは間違いありません。フィットやアクアよりは価格が少し高めですが、新技術を搭載しているという魅力があります。ノート e-POWER Xで約206万円です。
ある意味、非常に個性的ですから、こればかりは、ぜひ一度試乗してみるのがいいと思います。
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