英国ドライバー悲鳴!Brexitが自動車保険料が値上がりを助長。その上、路上駐車料金を年間1000ポンドしそうな自治体も

英国のドライバーにしたら、ゲンナリするような話が2つも持ち上がっています。1つは、あのBrexitのせいで、自動車保険の料金が値上がり中で、勢いが止まらないのですって。もう1つは、各地の路上駐車に業を煮やした一部自治体が、年間1000ポンドを徴収する条例を計画中。「到底払えない」との悲鳴が上がっているそうですから、下手したらフランスみたいにイエロー・ベスト運動になりそう?

■修理代によって「底打ち」状態。そこにBrexitという火薬が

Brexit問題で苦悩するメイ首相(左)

Brexit問題で苦悩するメイ首相(左)

複数の報道機関が配信していますが、庶民目線で報じているミラー紙(2019年1月19日付け)を紹介してみましょう。 同紙が引用している英国最大のロードサービスであるAAの集計によると、修理代が上昇しているのが、第一の理由だそうで、年間の包括保険料は秋口から上昇。2018年第4四半期の場合、前年同期比で2.7%の上昇を見せています。もっとも、年ベースでは5.9パーセント減だったそうですから、いわゆる「底打ち」となりつつあるよう。AAのディレクターであるジャネット・コナー氏は「2017年初頭から初めて自動車保険のプレミア無料金が上昇している」と解説しています。英国のドライバーにしたら、株価ならともかく、保険料の底打ち反騰なんて御免こうむりたいところでしょう。 そこへ待ち受けているのがBrexit。先日も議会でメイ首相の案が圧倒的多数で否決されるなど、先行きが真っ暗なものの「輸入される自動車部品のコストの上昇や、自動車の修理料金に跳ね返るだろうし、保険料金の上昇につながるだろう」(コナー氏)。 ちなみに、若年層の負担は現状で1317ポンド。円換算で約18万5000円となりますから、安くないですね。

■各地の自治体が導入する「路駐税」に「高すぎて払えない」

路駐税を1000ポンドに上げようとしているノッティンガム市

路駐税を1000ポンドに上げようとしているノッティンガム市

一方、大衆紙の「デイリー・サン」(2019年1月19日付け)が危機的な筆致で報じているのが、「路駐税」。課税しようとしているのは、ノッティンガム市。ドライバーではなく、企業や法人(病院除く)に対しての課税だそうですが、「こんなの人頭税じゃないか。払いきれない企業が、従業員を解雇する危険がある」との批判が、早くも上がっています。 実際、同じ公的機関なのに除外されない教職員からは反対運動が起きています。 ノッティンガム市では、既に年間400ポンドを課税しています。もっとも、ドライバーには40パーセントが還元されているそうですから、一概にボッタクリとも言えません。 導入されたのは2012年。市として税収は5370万ポンドを得ており、交通渋滞に改善になっていると主張しています。 ちなみに、ロンドン西部のハウンズローでも、年間500〜1000ポンドを徴収する動きがあるとの事です。英国の各自治体とも、予算削減や大気汚染や交通渋滞の解消を迫られており、多くの自治体が追随するかもしれないと、同紙では警鐘を鳴らしています。 実際、エジンバラやグラスゴーでは、既に計画していると発表していますし、大学で有名なオックスフォードやケンブリッジや、首都ロンドンのマートン、ブレトン、カムデンの各区でも同様だとの事ですから、大衆紙にありがちな書き飛ばしでも無さそう。

■まとめ:政界からも批判。「転職せねば」との危機感を醸成

もっとも、こうした動きに対し、保守党の元大臣であるロバート・ハルフォン氏は「労働者への課税が増え、生活費がかさむばかりだ」と、ツイッターで怒りを爆発させるなど、政界の中でも批判的な意見が存在します。Populousという機関による世論調査によると、「今後は公共交通を使う」と答えた人が15%いる一方、「仕事を変えねばならないだろう」と答えている人が17%もいることを思えば、長短両方がありそう。 なお、前出のAAのコナー氏によると、新規の免許取得者は、無事故ドライバーが貰える保険料の一部払い戻しである「ノー・クレーム・ボーナス」が無い分、負担感が半端じゃないだろうと解説。「だから、保険に加入せずに運転するドライバーがいても不思議じゃあない」。それって、轢かれた場合は泣き寝入りになりそうですね。そうした最悪の事態を回避させようと、英国保険基金では、無加入者約3000人に警告書を送付しているそうですが、果たして効果があるのやら。 これで、新規ドライバーが車を買うのを諦めたら、景気が悪くなりそう。それやこれやで、明るくない未来に絶望して、ドーバー海峡の向かい側みたいに、イエロー・ベスト運動みたいな暴動が起きなければ良いのですが。 出典:
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