インドネシアからやってくる!クロスオーバーミニバン「三菱エクスパンダー」とは?

三菱自動車の益子修CEOは、2017年10月に行われた中期経営計画の発表にて、エクスパンダーの日本発売を発表しました。明確な発売日などはまだ未定ですが、どうやら2019年度には発売されそうな動きがあります。それでは、三菱エクスパンダーとはどんな車なのかを詳しく見てみましょう。

ASEAN市場をターゲットとしたクロスオーバーミニバン

三菱エクスパンダーとは、インドネシアで生産されている7人乗りのミニバンです。普通のミニバンではなく、都会からオフロードまで快適に走れ、人も乗れるし荷物も積める万能ミニバンというキャラクター付けがされています。 2017年7月にインドネシアのモーターショーでお目見えし、同年10月に発売されました。インドネシア国内だけでなく周辺国にも輸出されており、月産1万台を誇る大人気車種です。

MITSUBISHI MOTORS XPANDER Product Introduction Video

三菱エクスパンダーのサイズ

それではまずサイズから見ていきましょう。全長×全幅×全高は4475mm×1750mm×1700mm、ホイールベースは2775mm、そして地上高は205mmとなっています。 同じミドルクラスミニバンでライバルとなりうるトヨタシエンタの全長×全幅×全高は4235mm×1695mm×1675mmなので、シエンタより一回りほど大きいイメージです。 ここで特筆すべきは地上高205mmという数字でしょう。兄貴分の三菱デリカD:5の地上高210mmに匹敵する数字です。これはおそらく、販売されている地域の特性からの要求によるものだと思われます。 東南アジアでは必ずしもすべての道路が舗装されているわけではなく、また雨季には洪水に見舞われる地域も多いため、SUV並みの走破性がミニバンにも求められているようです。
 (34500)

主なスペック

エンジン:4A91 MIVEC 16V DOHC4気筒
駆動方式:前輪駆動
排気量:1,499cc
馬力:77kw(104ps)/6,000rpm
トルク:141Nm(14.38kg・m)/6,000rpm
ガソリンタンク容量:45.00ℓ
車両重量:1,310kg
最小回転半径:5.2m
変速機:4速AT/5速MT
サスペンション:前/マクファーソンストラット、後/トーションビーム
ブレーキ:前/ディスク、後/ドラム 主なスペックは上記の通りですが、車好きのあなたは、「ムムっ!?」と思った点がいくつかあるはずです。
まずは駆動方式がFFのみという点。せっかく地上高が205mmもあるのに、4WDの設定がないのは意外でした。おそらく、車両価格の高騰を懸念してではないかと思われます。 積雪・凍結路面を走るとなると、FFでは少々心もとない気がします。筆者の住んでいる北国では、冬場はぜひとも4WDが必要です。除雪が入るのはメインの道路だけで、住宅街までは入ってきてくれません。国内仕様には4WDが追加されるといいのですが… 次に、105ps/14.38kg・mというちょっと控えめすぎるパワー。走らないことはないと思いますが、少し非力な印象です。エクリプスクロスに搭載されている150ps/24.5kg・mのダウンサイジングターボエンジンあたりを載せると、きっと楽しい車になるでしょう。
 (34501)

気になる安全装備は?

エクスパンダーに装備される安全装備を見ていきましょう。
現地で販売されているもでるには、タイヤのロックを防ぐABS、ブレーキとエンジン出力をコンピューターが調整し、車両の挙動を安定させるアクティブスタビリティコントロール、坂道発進時に車両のずり下がりを防止するヒルスタートアシスト、急ブレーキをかけた時やABSが作動した際に自動でハザードランプを高速点滅させて後続車に注意を促すエマージェンシーストップシグナルシステム(ESS)が装備されていますが、衝突被害軽減ブレーキシステムや誤発進抑制機能等の、いわゆる先進安全装備は設定されていないようです。 しかし、三菱自動車では「e-Assist」という先進安全機能パッケージを開発し、日本国内で販売する車両に搭載しているため、おそらくエクスパンダーにも搭載されるのではないかと思います。
 (34502)

三菱エクスパンダーは「買い」か?

YESかNOかを選ぶとしたら、筆者としてはYESです。しかし、いくつか条件があります。 まずは駆動方式に4WDを追加すること。北国ユーザーに訴求するなら、4WDは絶対です。 次に、もう少しパワーを持たせること。エクリプスクロスの1,500ccターボエンジンを載せてもいいですし、RVRの1,800ccNAエンジンでもいいです。現地仕様では、最大積載量は860kg程度と設定されているようです。そうなると車両総重量は2,000kgを超えます。家族を載せ、レジャーの道具を積んで出かける際、1,500ccNAエンジンでは少し頼りなげです。 それから価格です。上級グレードは、日本円に換算するとおよそ230万円ほどになります。これをほぼそのままの価格で売れなければ、正直言ってあまり旨味を感じません。
参考までに、デリカD:5の一番安いグレードは、2WDで約240万円、4WDで約290万円となっています。先進安全装備を追加したり、日本の法規に合わせて灯火類を変更したりする必要があり、多少は値段が高くなるとは思います。 しかし、デリカD:5の値段に近くなったり、あるいは追い越してしまうと、ブランド内での顧客の食い合いが起こる可能性があります。ユーザーとしても、あえてエクスパンダーを選ぶメリットが薄れてしまいます。デリカD:5よりも安く。これが条件です。
 (34503)

まとめ

エクスパンダーは、日本の同クラスにはない性格を持った、革新的な車であるといえます。コンセプトやスタイリングは、他メーカーのどれにも似ていません。現地仕様では多少日本に合わない点がありますが、発売まではまだ時間があります。注意深く見守っていきましょう。
]]>

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です