2018年7月20日 更新

どっちなの?自動運転車バラ色説とそうでないとの説

自動運転車の導入のメリットとされるのは、交通渋滞の解消。および、それによる出勤時間や移動時間の短縮で生産性が上がるなどが挙げられます。ところが、これを巡って今、論争が起きています。今年1月に、著名大学の研究では「改善される」。ところが、ここに来てワールド・エコノミック・フォーラムとボストン・コンサルティング・グループが、ボストン市の現状とシミュレーションの結果「ダウンタウン地域では渋滞が酷くなるし、郊外とは利用で温度差が出るだろう」と指摘しているのです。著名紙のワシントン・ポストまでが、この問題を取り上げるに至り、目下カオス状態となっています。

どっちなの?自動運転車バラ色説とそうでないとの説

首都ワシントンで政治家を前に「改善されます!」

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科学系情報サイトのPHYS.ORGの報道(2018年2月20日付け)によると、今年1月に24日と25日の2日間に、首都でワシントン・オート・ショーというのが開催されていたそうです。

派手派手しい自動車ショーを連想しがちな名前ですが、実際には硬派な内容。交通流理論やコントロール論、ロボティクス論、サイバー・セキュリティ・システム論、運輸エンジニアリング論などの専門家が集まり、政治家を前に自動運転車がどのようにして交通渋滞を防ぎ、解消させていくかについて、それぞれの立場で研究した結果を説明しました。

研究にあたっては、全米科学財団(National Science Foundation=NSF)が資金援助していたとのことですから、気合の入った研究発表だったのです。

中でも注目されたのが、著名大学として知られるラトガース大学カムデン校のベネデット・ピッコーリ准教授の発表。数学が専門のピッコーリ准教授は、例え渋滞の中に数台しか自動運転車が混じっていなかったとしても、交通の流れや燃料の消費に改善が見られるだろうと発表したのです。

会場には自動車業界の役員や、上院で商業科学運輸委員会の議長を務めるジョン・チューン議員も出席し、討論が行われました。

ピッコーリ准教授は、共同研究でタッグを組んだバンダービルド大学のダン・ワーク准教授(環境エンジニアリング)やテンプル大学のベンジャミン・シーボルト准教授(数学)らと共に、3Dバーチャルでプレゼンテーション。1台の自動運転車が最低でも20台の人による運転の車と混じって走行したらどうなるかを見せました。

それによると、車線変更や、運転の際の固有振動という現象などにより、ドライバーは停車したり発進したりを繰り返してしまいがちなのですが、そうした車の中に自動運転車を走らせると、停車や発進という流れを解消させる働きを見せることが分かりました。

仮に、渋滞の流れの中に、自動運転車が5%交じるだけで、燃料の総消費量を40%、ブレーキをかける行為を99%、それぞれ最大で減らせるかもしれないと主張しました。

「出席した政治家や、自動車メーカーの役員や、カー・ディーラーの皆さんは、この研究結果をたいへん印象深く受け止め、自動運転車に対して好印象を抱いた」とピッコーリ准教授。

その後、上院の公聴会にも出席していますが、議員だけでなく、中国やドイツ、アラブ首長国連邦や英国や韓国からも政治家が詳細を聴きに訪れていたとのことです。

「いやいや、ボストンの事例を見たら違うかも」と問題提起

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本格的な研究で、アメリカ国内外にインパクトのあった研究結果だったことが分かります。この研究結果通りなら、大変喜ばしいですし、是非とも積極推進を…となるのでしょうが、ここに来て「ひょっとしたら違うかも」とする、別の研究結果が発表され、雲行きが怪しくなってきています。

言い出しているのは、世界経済フォーラム。ダボス会議で知られる、あの国際機関ですね。ここが「ボストン市に於ける自動運転車による都市交通の再構築」(Reshaping Urban Mobility with Autonomous Vehicles Lessons from the City of Boston)という論文を発表しているのです。

共同研究でコラボしたのが有名なボストン・コンサルティング・グループ。トンデモ理論とは言い難くなっているのです。Consulting.usというサイトに、概要が発表されています(2018年7月16日付け)。

研究では、「オンデマンド移動」という行動パターンに注目しています。ロボ・タクシーやライド・シェアリング、そして自動運転車といったサービスの利用を指します。ボストンでの研究結果から、このような移動モードが中心部で30%増加するだろうと予測されています。

ところが「オンデマンド移動」による短い乗り継ぎが普及すると、ダウンタウンの中心部で渋滞が増加する可能性があるというのです。

世界経済フォーラムとボストン・コンサルティング・グループでは、世界全体で自動運転車のプロジェクトが100以上あり、技術の進歩などから、今年中に多くの都市でロボ・タクシーが導入されるだろうと指摘し、「自動車発明以来の革命となろう」と言い切っています。

そうした状況を踏まえ、3年かけて行ったのが、この共同調査。消費者心理や実証実験、街全体の交通シミュレーションなどを行いました。

自動運転車は「オンデマンド移動」のオプションの1つであるとしています。現状ではボストン市のグレーター・ボストン・エリアという地域での「オンデマンド移動」の利用率が7%ですが、今後は30%に伸びるだろうと予測しています。その中での自動運転車の利用率は、87%だろうとしています。

こうした切り替えによって、都市部では大量輸送手段を利用する人が14%減り、「オンデマンド移動」はボストン市での移動手段の40%を占めます。また、ボストン郊外では自家用車での移動に取って代わるだろうとも予測されています。ただ、大量輸送手段はしぶとく生き残ります。

むしろ、2ポイント増えて32%の利用となろうとしています。自動運転車での移動は、短いほど安価となり、そこが利用者を魅了させているのですが、郊外から中心部への移動だと長距離になりますし、固定費の切り替えとして、それほど意味がないからだそうです。

また、シミュレーション分析の結果、車の台数そのものは15%減るだろうとしています。自家用車から「オンデマンド移動」にスイッチするからです。ただ、オンデマンド車での乗降によって、移動距離が16%増加すると予想されています。

研究報告では、こうした車は「環境にやさしいことが不可欠だし、そうでないと輸送による排出ガスが増える原因になってしまう」と釘を差しています。

この他、駐車スペースの需要は48%減りますし、都市の交通量の処理能力は、仮に自動運転車を37.5%普及させたら6.3%上がるだろうと予測しています。車線変更などが人間よりも上手いからです。

ボストンでの乗り物による移動時間は将来4%減るものの、シェアリング式の自動運転車を導入すると、公共交通機関で短距離の移動に替わる手段とされるだろうから、ダウンタウン中心部の渋滞と移動所要時間を5.5%増加させるだろうとしています。

一方、ボストン郊外のブライトンとオールストンでは、シェアリング式の自動運転車は、公共交通機関の代替手段としてではなく、自家用車の代替となり、移動時間が12%短縮されるとしています。結論として「郊外と都市の区域で不均等な渋滞緩和をもたらすように思える」となるのですって。

こうした渋滞対策として、1人乗りでの車の移動を高くつかせるような仕組みづくりはどうかとしています。また、路上駐車を止めさせ、追加レーンにするのはどうかとも提言しています。現状では、こうした路上駐車がボストンでは20%を占め、ピーク時の渋滞の原因となっているからです。

つまり、「郊外を含めると、自動運転システムの恩恵を巡って温度差があり、中心部はそれでも渋滞してしまう。良いことずくめのバラ色な未来にはならないし、工夫が必要だ」となりましょうか。

あのワシントン・ポストまで取り上げ。「お国事情」を指摘

Consulting.usのHPより

Consulting.usのHPより

いずれにせよ、半年くらいで首都での発表に冷水をかける格好となったので、あのワシントン・ポストも7月4日付けで、この問題提起を取り上げています。

同紙では、研究報告の作成に当たったオーギュスティン・オーギュスタン・ウェグシェイダー氏にインタビューしています。ウェグシェイダー氏は「料金が同じか、少し高いぐらいなら、駅まで歩く必要やダイヤを気にしないで良いし、傘だって要らない。電車に乗る必然性が無くなるだろう」と語っています。

自家用車から自動運転車となり、結果としてボストンのダウンタウンで5.5%渋滞が増えるとしても、「現状では1日12分間しか動いていないボストンの車が、12時間も走り回るのだから」と、良い面もあるとしています。

「自分で10マイル運転し、毎日30ドルの駐車料金を支払う代わりに、3ドルをこうした乗車サービスに投資すれば、生産的に時間を使うことが出来るよ」と、プラス面を強調しています。確かに、都市部での駐車代を払わなくて良いというのは魅力的ですね。

ちなみに、同紙が注目しているのが、お国柄。研究では、世界27都市で5500人のドライバーを対象にして意識調査を行っているのですが、自動運転車に乗りたいと答えたアメリカ人は、全体の半分超。一方、近年になって車の数が激増している中国とインドでは、75〜85%の人々が乗りたいと答えているのです。

そうなると、気になるのが日本での回答。サイトのデータを見ると、主要国で最低の36%。どれだけ抵抗感があるのやら。他国はともかく、少なくとも我が国では普及の道のりは遠いのかも?
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