2018年9月10日 更新

現行アルトバン6ヶ月徹底乗り倒しレビュー

2014年12月に8代目として発売された現行アルト。 テーマは原点回帰で、低価格・軽量・シンプルさを重要視して作られています。 デザインもどことなく初代アルトの面影があり、レトロながら新鮮味のある個性的なエクステリアです。 私は、クルマの素性は一番ベーシックなモデルに現れるものだと思っています。 豪華な装備などなく、そこにあるのはむき出しのクルマの本質だけだからです。 ということで、このアルトの商用モデル「VP」に6ヶ月乗り、感じた事を『正直に』レビューします。

現行アルトバン6ヶ月徹底乗り倒しレビュー

エクステリア

アルトバン | スズキ (42279)

見た目はオーソドックスな5ドアハッチバックですが、フロントマスクやテールランプのデザインは割とこだわったものになっています。

洗車している特に気づきましたが、フロントフェンダーは樹脂製でした。軽量化と低コストを目指しているのでしょうが、なんとも頼りなげな感じがします。

フロント・リアのバンパーは商用グレードでもボディ同色となっていますが、樹脂バンパーに色を吹いただけでクリア塗装はされていません。そのため、雨が降った後など水が流れた後が黒ずみ、どうにもみっともない状態になってしまいます。

インテリア

アルトバン | スズキ (42282)

商用グレードなだけあって実に簡素です。ハンドルは樹脂製の単色ですし、シートもヘッドレスト一体成型です。このシートのおかげで、バック時の後方確認は正直やりづらいように感じます。

シート生地は思いのほか耐久性に欠けるようで、一日に20~30回程乗り降りを繰り返す使い方をしていますが、表面が擦れたようになってきています。

乗り降りの回数が多い場合は、シートカバーを用意した方が良いかもしれません。

インパネは単色ではなく、ホワイトのパネルが取り付けられておりそこまでの安っぽさは感じません。収納も必要十分といったところで、小さなポケット類や、センタートンネル部に4つ用意されるドリンクホルダーにも不満はありません。

少し困ったのは後部座席です。5ドアなのですが人が乗る事を考慮しておらず、リアシートの背もたれは直角か折りたたむかしかできません。文字通り1マイルシートです。

また、後部座席ドアのガラスはスイッチもハンドルもなく開閉できないようになっています。車内でたばこを吸う際など、対角線で窓を開けたい時は多少不便を感じました。

収納スペース

アルトバン | スズキ (42285)

使いようのないリアシートを畳むと、思いのほか広い収納スペースが現れます。完全にフラットになるため、段ボール箱を滑らせて積み下ろしするような使い方も苦ではありません。

私は純正オプションの「PEバンケース」というものを使用しています。これはプラスチック製の荷室用トレイで、リアシートを倒して使うことが前提です。

深さは15cm程あり、多少汚れたものを積んでもクルマが汚れなくて済むので重宝しています。純正なのでサイズもぴったりですし、底部には固定用のマジックシートが付いているので走行中に動き回ることはありません。

パワートレイン

スズキ アルト (42289)

スズキの次世代テクノロジー オートギヤシフト | スズキ (42291)

エンジンは新設計のR06AのNAが搭載されています。低速トルクを重視したロングストロークエンジンで、スペックは49ps/6500rpm、5.9kg・m/4000rpmと控えめです。

先代までは回せば回すほどパワーが出る印象でしたが、現行は一定の回転数以上回してもパワーの出方に変化を感じません。

低速トルクは確かに増えてはいますが、小排気量のNAエンジンなのでそれほどでも…というのが正直な感想です。

トランスミッションは5速AGSですが、これがまたなんとも隔靴掻痒なシロモノです。

4ATやCVTよりもコストがかからないため採用されたのだと思いますが、アルトターボRSやアルトワークスに搭載されているものとはまるで味付けが違います。変速にかかる時間が長く、テンポの良い加速はしづらいです。

ある程度速度を上げ、アクセルを離すと上のギアに切り替わりますが、平地だとシフトアップする速度でも、上り坂だとシフトアップしてくれません。

また、変速の際にやたらと半クラッチを多用しているのが気になります。普通の5MTなら10万kmまでクラッチを持たせる自信はありますが、AGSだと持たないような気がします。

AGSについては、先日こんな出来事がありました。

同じアルトVPの5AGSに乗っている人が、出先でぬかるみにハマってしまい、脱出できない状態になってしまったそうです。

トラクションコントロールをOFFにし、タイヤに板をかませて脱出しようとしたそうですが、CPUが負荷がかかった状態だと判断して半クラッチ状態になり、結局自力で脱出することができなかったのだとか。

普通のMT車ならクラッチを勢いよくドン繋ぎするなどし、何とか脱出できるシチュエーションですが、AGSなのでそうも行かなかったようです。

FF車ならまあ仕方ないかなと思いますが、その人が乗っていたのは4WDのアルトでした。

145/80R13という細いタイヤが装備されているのも理由の一つかなと思いましたが、仕事で使うクルマにAGSは向かないのかもと思った出来事でした。

燃費

Refuel Petrol Stations Gas Pump · Free photo on Pixabay (42293)

軽量化を念頭に置いて設計されたクルマであるため、4WDモデルでも670kgという驚きの軽さを誇っています。そのため燃費も抜群に良いだろうと思っていましたが、案外そうでもありませんでした。

エアコンを使わない時期だと街乗りで18~20km/l程度ですが、夏場などエアコンをつけっぱなしにする時期では14~16km/lまで落ちます。

カタログ燃費は24.0km/lですが、非力なエンジンで交通の流れに付いていこうとするとどうしてもアクセルを踏む量が多くなり、その結果燃費が悪くなってしまうのでしょう。

燃費性能とはまた別の話になりますが、現行アルトは軽量化のためかガソリンタンク容量が27Lしかありません。ライバルのミラバンは34Lで、アルトは7L程少なくなっています。

そのため、給油の回数が頻繁になり、忙しい時期などは少し煩わしさを感じます。

足回り

gettyimages (42296)

アルトVPの足回りは意外にスポーティーな味付けでした。

荷物を載せるためある程度硬くしているからかとは思いますが、峠道の下りに限ってはゴキゲンなハンドリングマシンに変貌します。

少々キツめのコーナーに入ってエイペックスを目指す際、アクセルをオフにするとタックインが起こり、舵角を変えずともノーズがインに引き寄せられていきます。予めギアを下げておき、エイペックスを過ぎた所でアクセルを踏み込むと大きく姿勢を乱すことなくスムーズにコーナーを駆け抜けていくことができます。

ホイールベースが短いため、このような挙動が出るのだと思います。乾いた路面ならいいのですが、ウエット路面や積雪時などはESPが介入してきそうな気がします。

気になったのはリアサスペンションの追従性です。

路面の荒れた下りのコーナーを走る際、路面の凹凸に追従しきれず、明らかにタイヤが浮いてしまう感覚を覚えます。ダンパーの伸び側が固めのセッティングになっているようですが、これは少し危ないかなと感じました。

まとめ

アルトバン | スズキ (42300)

現行アルトVPは実にリーズナブルなクルマです。4WDの5AGSのレーダーブレーキサポート付きでも本体価格は934,200円と、百万円を切るプライスが付いています。

各所にコストダウンの努力の跡が見られますが、それでも最低限の質感は維持されています。

北国において、スズキ車はドアの下端が錆びるというのが定説となっていましたが、現行アルトはドア下の水抜き穴が2か所に増えるなど、コストカットの中でも対策を取っているのが好感が持てました。

あまり高評価はしていませんが、この分の内容のクルマをこの価格で出すとしたら、この状態が最適解なのではないかと思いました。

現行アルトはエンジンやトランスミッションを新しいものにし、設計哲学も大きく変わり、ベーシックな軽自動車の方向性を打ち出したモデルです。

今は正直言って満点を付けられる出来ではありませんが、スズキのやりたかった事は十分に伝わってきます。それと同時に、コストをかけたいけどかけられなかった悔しさも伝わってきます。

今後、この方向性でどのように熟成が進むのか楽しみな一台です。
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