ポルシェのカイエンやBMWのX5から始まったSUVブームは世界中を駆け巡り、日本ではまだブームの真っ最中と言った感じです。かつて日産は、アメリカの上級ブランド「インフィニティ」で販売していたEXというモデルを日本に持ち込みましたが、日本にはインフィニティのブランドがないため、「スカイラインクロスオーバー」の名前で販売されました。賛否両論ありましたが、アメリカ生まれのアーバンSUVの実力はどうだったのでしょうか?
どんなクルマ?
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スカイラインクロスオーバーは、2009年7月13日に発表されました。
海外で販売されているインフィニティEXを持ち込んだもので、スカイラインシリーズの中では一番ラグジュアリーなモデルとされていました。
搭載されるエンジンは3.7リッターV6のVQ37VHR型のみで、330ps/7,000rpm、36.8kg-m/5,200rpmを発揮します。トランスミッションは7速ATのみで、駆動形式はFRかアテーサE-TSを採用した4WDが選べました。
スカイラインの名前が付いていますが、型式はセダン系のV36型ではなく、J50型となっています。
プラットフォームはスカイラインセダンやクーペと同じEプラットフォームを採用していますが、スタイリングを追求しホイールベースが50mm短縮されています。
先進安全装備の標準化等のマイナーチェンジを挟みながら、2016年6月で販売を終了しました。
スカイラインクロスオーバーのここがイイ!
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速い!
1.7〜1.8tという車重は同じエンジンを積むセダンより200kgほど重いのですが、大排気量のエンジンと7速ATのおかげでダルさは全くありません。
トルクフルなエンジンで、街乗りはもちろん高速巡航は特に快適です。
乗り心地が良い
スカイラインクロスオーバーは、シリーズの中で一番ストローク感があり、路面からの入力をうまく処理している感じがあります。
セダンやクーペのように俊敏な味付けではなく、穏やかなものとなっていますが、それでもワインディングは気持ちの良い身のこなしを味わうことができます
高級感
日産のラインアップの中では間違いなくハイラインに位置するクルマなので、インテリアの高級感はなかなかのものです。
パネルはほぼソフトパッドで覆われており、全体的に落ち着いた印象を覚えます。ウッドパネルもスポット的に用いられ、やりすぎ感はありません。
大人のアーバンSUVといった雰囲気で、とても好感が持てますね。
スカイラインクロスオーバーのここはそうでもない…
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デザインのバランス
カイラインクロスオーバーを後ろから見ると、リアオーバーハングの短さとハッチバックのフォルムも相まって軽快な印象がありますが、前に回ってみると高めの車高と長いボンネットが少し間延びしたように感じます。
ハッチバックベースのSUVもいいですが、ステーションワゴンベースでのSUVでも良かったのかなと思いました。
ビルトインナビ
このクルマに限ったことではありませんが、デザインの一部に組み込まれたカーナビは使い勝手の面で今ひとつではないかなという感じがします。
それと、市販の2DINナビに交換できないのが悩みどころ。クルマを長く乗り続け、内蔵のマップが古くなっても、メーカーのサービスが終了してしまうと更新することができません。
今ならApple CarPlayなど、スマホと連携できる仕組みがあるのでいいのですが、この時代のクルマはまだそのようなコネクティビティがないためマイナスポイントではないかと思います。
「スカイライン」を名乗るという事
このクルマを発売する
にあたり、日産内部でもこの話題が持ち上がったそうです。
筆者を含めた古代ロマン派(?)とも言うべきスカイラインファンにとって、セダンかクーペ以外にスカイラインの名前がつくと少々違和感を覚えます。
ですが、スカイラインが持っていたスポーツ&スペシャリティな要素が一番色濃く出ているのは、このスカイラインクロスオーバーではないかと思います。
一度乗ってみれば、このクルマがなぜスカイラインを名乗ったかが分かるはずです。
まとめ
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スカイラインクロスオーバーは、アメリカ生まれのアーバンSUVでした。スカイラインの名前に恥じないスポーツ性とスペシャリティ性を兼ね備えた、とてもラグジュアリーなクルマです。
前期型なら100万円を切る価格の個体もあるため、SUVが欲しいけど他人と被るのはイヤ!という人には非常にオススメできるクルマです。
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