お手頃ライトウェイトスポーツ!初代MR2はこんなクルマ!

バブル景気に沸き立つ1980年代、トヨタから国産初のミッドシップレイアウトのスポーツカーが発表されました。中身は当時のカローラのパーツを流用していますが、ミッドシップ、2シーター、リトラクタブルライトといういで立ちはまさにスーパーカーそのものです。今回は、クルマ好きが好む要件を全て満たしていた初代MR2をご紹介します。

どんなクルマ?

Toyota MR2 - Wikipedia (69128)

初代MR2は、1984年6月に販売されました。日本で初めてのミッドシップレイアウトのクルマとして登場し、大いに注目を集めました。
コストを下げて量産性を高めるために80系カローラの足回り、エンジン、トランスアクスルを流用していた事は有名です。 1.5Lの3A-U型エンジンと1.6Lの4A-G型エンジンが用意されていましたが、やはり人気があったのは当然1.6Lモデルでした。
しかしパワーは控えめで130ps程であり、他のスポーツカーに見劣りしてしまいます。そこでマイナーチェンジの際にスーパーチャージャーが搭載されたグレードが発売され、巻き返しを図りました。 国産初のミッドシップレイアウトと手頃な価格で反響を呼び、1984年の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。

スペック

Toyota A engine - Wikipedia (69129)

全長×全幅×全高:3,950mm×1,665mm×1,250mm
ホイールベース:2,320mm
最小回転半径:4.8m
車両重量:960-1,120kg
エンジン:4A-GZE型 直列4気筒DOHCスーパーチャージャー
総排気量:1,587cc
出力:145ps/6,400rpm 19.0kg-m/4,400rpm
燃料タンク容量:41L
トランスミッション:5速MT/4速AT
駆動形式:MR
サスペンション:ストラット式
タイヤサイズ:185/60R14 現代の感覚からすると、全ての数字が控えめに見えてきます。しかし車重が1t少々なので、非力なエンジンでも振り回して乗る楽しさがあります。 マイナーチェンジで搭載されたスーパーチャージャーは、排気で過給するターボとは違いクランク軸からの出力によって過給を行います。
そのため、低回転から過給が始まりますが高回転域は効率が悪くなります。しかし、組み合わされる4A-G型エンジンは高回転型であったため、相性が良かったようです。 足回りはマイナーチェンジで改良されましたが、全体的にソフトな味付けで、コーナーからの脱出時にスロットルを開けるタイミングを間違うとアンダーステアが出やすく、誰が乗っても速いというわけではありませんでした。
ですが、その面ではウデを磨けるクルマともいえるでしょう。 コンパクトなボディと小さい最小回転半径により、初代MR2はサーキットよりは峠やジムカーナで活躍しました。動画サイトで検索すると、小さいながらも元気いっぱいに走り回る姿を見ることができます。

エクステリア

Toyota MR2 - Wikipedia (69130)

初代MR2のエクステリアは小さいながらもロングノーズ・ショートデッキなデザインとリトラクタブルヘッドライトのおかげで、とてもスポーティーな印象を受けます。 また、今ではあまり見られない直線基調のデザインは、かつてのスーパーカーを彷彿とさせるものです。
テールランプの無機質な造形も、同様にイタリアンなスーパーカーをイメージさせます。 今となっては「レトロかわいい」ともいえる、素敵なデザインですね。

インテリア

Toyota MR2 - Wikipedia (69131)

インテリアは前期型・後期型でデザインが違いますが、どちらもエクステリア同様直線基調なものです。コストを抑えつつも特徴的な造形で、レーシーな雰囲気があります。 収納は無いも同然ですが、フロントとリアに申し訳程度のトランクがあります。ただ、これは走りを楽しむクルマであって、荷物を運ぶクルマではないので批判するだけヤボと言うものでしょう。 運転席に座ってみると、思いのほかアイポイントが低いことに驚きます。まるで道路に直接ヒザを折って正座しているような感覚です。
地面が近いので、法定速度内でもスピード感が得られます。この辺は、最近のミニバンなどと正反対なポイントですね。

まとめ

Toyota MR2 - Wikipedia (69132)

初代MR2は、お手頃にスポーツカーの走りを楽しむことができるクルマでした。 当時のトヨタはマークⅡ・チェイサー・クレスタ・それにソアラなどで「ハイソカー」のブームを作り出していましたが、一方でこのような小さいスポーツカーも作っていました。やはりバブル景気はすごかったんですね。 現在、初代MR2の中古市場は高騰しつつあります。スーパーチャージャーを搭載する後期型が一番高くなっており、次いでNA後期型、前期型となっています。
これからこのクルマを狙う際は、スポーツ走行で手荒く使われた個体はなるべく避けた方が良いでしょう。デビューから20年以上経過しており、手に入らない純正パーツも出てきているため、可能なら部品取り車も確保しておいた方がいいかも知れません。 実用性は皆無ですが、ぜひともこのような軽量ピュアスポーツのステアリングを握ってみたいものです。
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