英国のブリストルに本社を構えるVertical Aerospace社が、同国初の電気駆動の「空飛ぶタクシー」の商業化を目指しています。「短距離の飛行に革命を起こしたい」と、首脳陣は意気軒昂。我々が抱くタクシーへのイメージも一新されそうですね。
「短距離の空の移動に革命をもたらす『空飛ぶタクシー』に」
Vertical Aerospace – Full scale eVTOL aircraft – 2018
via www.youtube.com
ちょっとヨタヨタした飛び方ですが、ヘリコプターのように垂直離着陸が出来るのが売り。二酸化炭素を排出する通常のエンジンではなく、オール電気での飛行(eVTOLとの名称が付けられているそうです)であることを思えば、大したものです。
PlaceTechというテクノロジー系情報サイトの記事を見てみましょう(2018年9月17日付け)。サイトによりますと、搭乗可能なのは4人まで。航続距離は93マイル(約150キロ)。東京駅から飛び立ったと想定すると、静岡駅(約143キロ)まで行けることになります。なお、最高時速は186マイル。約300キロですから、色んな意味で悪くないスペックと言えましょう。
エアバスにボーイング、ロールスロイスなど超豪華メンバー
関わっているメンバーを見れば、高スペックも納得です。何しろ、エアバスにボーイング、ロールス・ロイス、マーティン・ジェット・パック(個人が背負って空を飛べるツールを開発している、ニュージーランドのスタートアップ企業)、ダーク・トレース(英国のコンピュータ・セキュリティ企業)、そしてゼネラル・エレクトリックなどのエンジニアが集まって開発しているというのですから、ハズレが出来るわけありませんね。
なお、創業したのはStephen Fitzpatrickという名前の方。ビジネスパーソン向けのソーシャル・メディアであるリンクトインの経歴を見ると、エジンバラ大学を卒業後にJPモルガンや、同じブリストルに本社があるエネルギー供給会社のOVOエナジー社の元CEOなどの経歴をお持ちです。テクノロジー畑の出身ではないものの、マネジメントが上手みたいですね。
また、ウィキペディアの英語版によると、かつてはF1チームを持つなど、車に高い関心をお持ちの方のようです。
「テクノロジーの進歩により、我々の生活や労働、旅行の在り方など多くが変わった。毎年、数十億人の人が空を移動するが、そうした空路で最も混雑するのは、短距離のそれだ。
しかし、短距離の空の移動に進化が見られない。500マイルも5000マイルも、同じモデルではないか。結果として時間がかかるばかりだし、インフラにはプレッシャーがかかるし、環境にとっても良くない」というのが、開発の動機だそうです。
「街と街を、エアタクシーで結ぶという我々のサービスは、地域に隣接する年を直接結びつける自由をもたらすだろう。二酸化炭素を排出しない空の旅を作り出せる手助けになる。英国では最初のフルスケールのeVTOLを作った。
オンデマンドで、個人が二酸化炭素を出さない空の旅を行えるようにするというミッションの第1段階だ」と、意気軒昂です。なお、Fitzpatrick氏は、4年以内に100キロから150キロを飛ぶタクシーを実現させたいとの目標を設定しているそうです。
まとめ:待たされず、気軽に移動可能な社会を実現してくれ
自社の沿革欄のHPには、「空の旅で、時間を無駄に使う必要はないし、乗客が不便をかこつ必要だってない」と、開発理由について語っています。
確かに、荷物検査で待たされ、更にはラウンジで待たされ(そして、間が保たないからと、ついつい無用な買い物をしてしまったりする)、結局、気軽に乗れる新幹線の方が便利って場合がままありますよね。いちいち空港までリムジンに乗らねばならないし・・・。
この会社が言うような、オンデマンドで、好きな時に呼び出して、気軽に近くの都市まで高速で移動出来る「空飛ぶタクシー」が実現するのなら、需要はありそうな気がしてきました。
ただ、お値段が幾らなのかなぁ。あと、このフォルム、タクシーですけど車というカテゴリーに入れて良いものなのか?いや、きっと自動車に違いない!
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