フェラーリP80-Cは、ある愛好家のために4年と言う歳月をかけて完成させたモデルです。このモデルは、レーストラックモデルとして開発されています。同モデルのエクステリアや内装等をご紹介していきます。
フェラーリ P80-Cの概要等
P80/Cは、あるフェラーリ愛好家の強い要望に、フェラーリが応えるために製作されたワンオフモデルであると、同社でも公表しています。
その愛好家の要求は、「330 P3/ P4」と「ディーノ 206S」というフェラーリを象徴する歴史的な2台のスポーツプロトタイプをインスパイアしたモデルを作って欲しいと言うことでした。
330 P3および330 P4は、その昔ル・マン24時間レースでフォードGTとしのぎを削ったスポーツプロトタイプモデルです。ル・マンにおいては、フォードに敗れてしまったのですが、美しいボディが今も人々を魅了し続けています。
一方ディーノ 206Sは、330 P3をコンパクトにしたようなモデルとなっています。リアミッドシップに搭載する2000㏄V6エンジンは、F1からフィードバックされた燃焼室が採用されていました。
2015年から始まったフェラーリP80プロジェクトは、愛好家の要望に応えるためにワンオフモデルの中では、1番時間をかけて開発されているようです。このモデルのエクステリアやパワートレイン等を紹介していきます。
330 P4画像
フェラーリ P80-Cのエクステリア等
レーストラックを基本としたモデル開発のため、空力特性アップ、走行性能アップ、制動力アップを念頭に開発が行われています。これを達成させながらデザインやディテールをフェラーリのトップ技術でなし得ていると言えます。
フロントビューでは、効果的に空気を吸い、流していけるようにくさび形の様にディテールされています。ラップアラウンドフロントガラスによって、レーストラックモデルであることをより強調もしていますね。
P80/Cは、公道走行を全く想定していない仕様です。その為ヘッドライトは装備されていません。本来、ヘッドライトがある場所には、往年の330P3/P4グリルのエアハウジングを連想させるスリットが搭載されています。
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サイドビューでは、サイドエアインテークが最大の特徴です。開口部を大きくデザインしたインテークは、リアに向けて下向きの力が働く(トラクションが掛かる)ように設計されています。
上空から見るとフロント部分よりもリアのほうが幅広にしているのですが、リアに向けてシェイプされたデザインのために、極端に幅広に見えない工夫が施されています。
ボンネットに開けられたエアダクトは、ラジエターの冷却とルーフからリアに効率的に空気を流していく構造になっています。
ホイールは、18インチのシングルナットタイプを採用していますが、21インチホイールのセットで、空力付加物を取り除いたエキシビジョンパッケージにも対応できるようです。
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リアビューでは、完全にレーストラックモデルであることを主張するパーツがふんだんに盛り込まれています。大きなリアウィングに、空気を効率的に排出するディフェーザーが最大のポイントです。488 GT3の経験を活かしたパーツがふんだんに使用されていますね。
フェラーリでは、フルカーボンでエクステリアを製作し、機能的に必要な部分を他の素材にすることで軽量化を図っています。エクステリアカラーは、Rosso Veroと名づけられ、クライアントのフェラーリへの思いも込めれている様です。
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レーストラックモデルとしての開発になっていますので、セクションごとに切り離しが簡単に出来るデザインとなっています。クライアントの要望も含め、整備性などに対しても、簡単に分解できる仕様に仕上げていることは必須項目でも有りますね。
P80/Cのベースモデルは488GTBですが、ホイールベースは488GTBよりも50mm長い仕様です。これは、レーシングカーの488 GT3のシャーシを基本コンポーネントにしている為です。
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フェラーリ P80-Cの内装等
内装では、車体にロールケージを組み込んだドナー車の内装とほぼ同様の仕様です。ダッシュボードのサイドセクションでは、488 GT3バージョンに近い状態にし、シートの室内装飾品やドアパネルともにに再デザインされています。シートはカーボンシェルになっていて、車の重量に影響を与えることが無い仕様です。
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フェラーリ P80-Cのパワートレイン等
パワートレインの詳細は、現時点ではっきりしていないのですが、おそらくV型8気筒3,902ccのIHIツインスクロールターボチャージャーエンジンとなっているのではないでしょうか。
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まとめ
フェラーリP80-Cは、ある愛好家の要望で立ち上がった企画です。そして、完成させるために約4年近くの年月も要しています。それは、その愛好家が、フェラーリのコレクターでありフェラーリモデルにかなり精通していることも理由のひとつです。
ファラーリとしても、一台のHERO CARを作成するために相当の時間と経験、そして技術を集結させたと言えますね。現時点でワンオフモデルですので、日本にお目見えすることは少ないですが、評判によっては、何かしらかのレプリカやリメイクモデルの企画もあるかもしれませんね。
またこういったワンオフモデルであっても、フェラーリにとっては重要な技術の集積になりますので、今後のモデル開発やパーツ開発等に役立つことになるでしょう!
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