2018年8月17日 更新

マツダ・ロータリーエンジンの歴史

ロータリーエンジンは現在、残念ながら生産されていませんが、マツダのロータリーエンジン と言えば登場時は一世を風靡したものです。まるで電気モーターのように吹き上がるエンジンフィールは感動的でした。このロータリーエンジンの搭載車を振り返ってみたいと思います。

マツダ・ロータリーエンジンの歴史

ロータリーエンジン開発の歴史

コスモスポーツ

コスモスポーツ

過去、エンジンについては、それこそ多種多様な構造が開発されてきていましたが、その中でマツダが注目したのはロータリーエンジンでした。

ロータリーエンジンは普通のピストン運動とは全く異なるもので、言ってみればいわゆる1サイクルエンジンのような感じです。

マツダはロータリーエンジン開発で先行していた西ドイツのNSU社に技術者を派遣し、その仕組みを学んだのですが、当初はローターハウジング内の異常摩耗問題に悩まされました。それは通称「悪魔の爪痕」と呼ばれたもので、内面のクロームメッキが短時間でギザギザになってしまう問題です。

バンケル・ロータリーエンジンは、ローター形状がおむすび型(三角形)になっているのですが、そこの気密性を確保するために三つの頂点には「アペックスシール」があります。これがすぐにギザギザ状態になるのです。これでは実用化にはおぼつきません。

この問題に取り組んだのはマツダの47人の若い技術者達でした。解決の糸口は周波数特性を変えるアペックスシール形状で、最終的にはアルミの隙間をカーボンで埋める複合材アペックスシールを開発したのです。

こうして苦労の末に誕生したのが、1967年5月登場、マツダ初のロータリーエンジン搭載車となる「コスモスポーツ」です。

コスモスポーツはロータリーエンジンを搭載する専用車としてデザインされ、その当時、斬新なスタイルは大きな話題となりました。僅か1,000ccで驚異の110PS(グロス値)を発揮するハイパワーぶりにみんなが驚きました。ちなみに2ローター・ロータリーエンジン搭載車の量産は世界初です。

ただし、大変高価で特別なクルマでもありました。

ファミリアロータリークーペ

ファミリアロータリークーペ

ファミリアロータリークーペ

当時の日本市場というのは、まさに高度経済成長時代の真っ只中でした。高速道路網の拡大計画も含めモータリゼーションは前途洋々でした。

そしてロータリーエンジン搭載車の第2弾となったのは、よりリーズナブルな価格のファミリア・ロータリークーペで、1968年に発売されました。ファミリアはマツダの世界戦略車でもあります。

しかし、メインとなる米国輸出には大きな壁があったのです。それは米国の排ガス規制、通称「マスキー法」です。

1975年以降に販売するモデルを対象に、排気ガス中の燃え残り成分、HC(炭化水素)の排出量を従来の1/10以下にするという厳しい大気清浄法です。これにはマツダ以外の各社ともに大変苦労したのです。

マツダの場合は、「熱反応器(サーマルリアクター)方式」という、HCに空気を加えて再燃焼させる方法でマスキー法試験に合格します。

次々登場したローターリー車

ルーチェロータリークーペ

ルーチェロータリークーペ

次はハイウェーの貴公子「ルーチェロータリークーペ」です。

1969年10月、ハードトップクーペボディに、655cc×2のやや大きな新開発ロータリーエンジンを搭載した「ルーチェロータリークーペ」はかなり注目されました。

655cc×2ローター・13A型ロータリーエンジンは126PSを発揮、ロータリーのコンパクトさを生かしたクラス初のFF方式も採用されています。当時、大卒初任給がまだ3万円程度だった時代に145万~175万円もする非常に高価なクルマです。

まだハンドメイドだった、あの「いすゞ・117クーペ」の172万円に匹敵しました。それでも「ハイウェーの貴公子」という呼び名が当然とも思われるような美しいボディで、かつ優れた高速走行を実現し、憧れのクルマとなったのです。

ディーラーの店先以外にも、大手百貨店35店舗でも車両が展示されるほどで、それこそ老若男女問わずその優雅な姿が大きな話題になりました。
カペラ

カペラ

1970年5月に誕生したのが初代カペラです。一般的なファミリーカーで、2ドアクーペと4ドアセダンというボディタイプ、エンジンは新開発の12A型2ローターロータリー、1600ccレシプロの2種が設定されていました。

最高出カ120PS(グロス)、最大トルク16.0kgf·m、最高速度190km/h(MT車)は、当時の日本車としては、並はずれたレベルで、こうした驚異のロータリーパワーはファミリーカーとしては圧倒的でした。

通称「風のカペラ」という呼び名で多くのファンから愛される存在となりました。
サバンナ・RX-3

サバンナ・RX-3

1971年9月、10A型ロータリーエンジンを搭載したサバンナが登場。

ボディタイプはクーペとセダンがあり、1972年に発売されたロータリー12A型の搭載車は持ち前の驚異のパワーを生かし、何と無敗神話を誇っていたスカイラインGT-Rと対等の闘いを繰り広げ、遂には王者を打ち負かしたのです。

1976年には単一車種で国内レース通算100勝を挙げる圧倒的な実績をつくり、若者からも絶大な人気を得ました。

その一方で、厳しくなる環境規制への流れのなか、サバンナは走りと共に環境両立も追求し、サーマルリアクタ の採用などによる低公害化に取り組んでいます。

1973年には排出ガス規制適合車となるサバンナAPシリーズも加えられています。
RX-7初代

RX-7初代

さて、苦難はまたしても起こってきます。それは、ロータリーエンジンがようやく排出ガス規制問題を乗り越えた頃の第一次オイルショック問題です。

ロータリーエンジンは強烈なハイパワーですが燃費効率がよくなかったのです。つまりオイルショック問題はロータリーエンジンにとっては非常な打撃で、「ガスガズラー・ガソリンガブ飲み車」という悪口も囁かれました。

そこでマツダは燃費を40%改善する5カ年計画「フェニックス計画」を1974年に打ち立てます。やがてサーマルリアクターから出る熱で二次空気を温め、それを再利用する熱交換器方式を開発し、30%強の燃費改善を達成。それまでの開発での20%を加えて目標以上となる燃費改善50%強を果たします。

マツダの技術陣はすごいですね!こうして1978年には、米国ラスベガスでロータリーエンジン専用のスポーツカー、初代RX-7を発表しました。

RX-7はデビューレースとなるデイトナ24時間レースで鮮烈なクラス優勝を獲得する程の高レベルな走りの実力を発揮します。
Mazda787B

Mazda787B

1991年には、700馬力を発揮する4ローターロータリーエンジン搭載のレース専用車Mazda787Bで、日本車初となるル・マン24時間耐久レースの総合優勝を獲得します。これは大変注目されるニュースにもなりました。

RX-7 FD

RX-7

RX-7

1991年、ル・マン24時間耐久レースでの総合優勝と共に、大人気となったロータリーエンジン搭載のスポーツカー、FD型 RX-の発売で、21世紀にもロータリーを継続させたマツダでしたが、またもや暗雲が忍び寄ってきました。

それは時を同じくして起こったバブル景気の崩壊です。円高進行による打撃もあって、特にスポーツカー市場は冷え切った時代を迎えました。

それでもエンジンの燃費改善を目指すマツダは、ロータリーのハイパワーを維持しつつ、RX-7のターボではなく、自然吸気での気持ちいい加速フィーリングの実現につながる、「サイド排気ポート」開発に努めました。

こうした1996年には次期ロータリーエンジンのためのサイド吸気ポートの実用化開発が本格的にスタートし、開発スタッフはその環境下でのエンジンのパワー改善に力を注ぎます。

ただ、その途中で景気悪化の影響から、FD RX-7は生産終了となります。2002年に最後の生産車ラインオフ、とうとうロータリーエンジン生産はいったん消滅することとなってしまいました。

RX-8

RX-8

RX-8

しかし、そんな状況になっても、マツダのスタッフは新たなロータリーエンジンの開発に心血を注ぎ込み続けました。

サイド排気ポートの技術というのは、当時のロータリー技師も挑戦しましたが、実用化できなかった非常に難しいものでした。それでも開発スタッフの弛まぬ努力が実り、数々の技術問題をクリア。ついに2003年、新世代ロータリーエンジン「RENESIS・レネシス」が完成しました。

新たなるロータリーエンジンの始まりを意味する造語「RENESIS」エンジンは、自然吸気でありながらハイパワーを実現、更に燃費や排出ガスのクリーン化でも大幅改善を実現しています。

これがマツダは念願のロータリーエンジン搭載車RX-8となります。小型・軽量・高性能というロータリーエンジンの特徴を進化させたエンジンと、本格スポーツカーでありながら4ドア4シーターを備えるまったく新しいコンセプトのRX-8を具現化したのです。

ロータリーエンジンはとうとう復活を遂げたのです。

ロータリーエンジンの未来

ご存知の通り、RX-8も既に生産が終了しています。ファンにとっては残念なことです。

しかし、ロータリーエンジンは現在、電気自動車の航続距離を伸ばす技術などでの活用が検討・研究されています。小型、軽量かつハイパワー、静粛性も高いロータリーエンジンは、電気自動車の分野でも最大限に発揮できると考えられています。ノートe-powerのロータリー版ですね。

2013年11月に発表されているデミオEVでは、トランクスペースの下にロータリーエンジンのレンジエクステンダーが搭載され、既に400kmもの航続距離を達成できる可能性をもっていました。

また、この技術と、水素ロータリーエンジンで培った技術を併せることで、ガス燃料などにも対応した移動型発電機の動力としても活用できる可能性があるのです。

ロータリーエンジンには、優れた動力性能に加え、環境性能ともしっかり両立できる高いポテンシャルがあります。これから訪れるであろうマルチフューエル時代においても、水素を含むいろいろな燃料が使用できる、環境対応エンジンとしても高いポテンシャルを持っています。

これからマツダが独自の技術として、ロータリーエンジンの可能性をどう探求していくかが楽しみですね。

できるなら、RX-9やデミオe-powerなどが登場しないかななどと筆者は思います。
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