SUVと共に高い需要がある1BOXカーとハイトワゴン。最近の傾向で顕著なのは「ノーマル顔」と「カスタム顔」という2種類をラインアップすることではないでしょうか?軽や小型車では「女性系」と「男性系」と分けてもいいかもしれません。確かにイメージが大きく変わってきます!
お顔のデザイン
1BOXカーやハイトワゴンの基本スタイルは当然ですが「きっちりとした四角」です。他のカテゴリーと比べればフォルムなどに関するデザイン自由度は相当に少ないのが現実です。
そうした条件の中でいかに「差異化」するか、いかに「個性を主張」するか、ということで各社いろいろ考えているのだと思います。
その結果、ある企画の傾向がはっきりとしてきました。それが「お顔のデザイン」による個性の演出です。1車種の中でグレードを分けたり、姉妹車として車名を変えたりと各社作戦はまちまちですが、おおまかに言えば「やさしい顔」と「ワイルド顔」というラインアップということになっています。
小は軽から大はLLクラスまで、ほぼこの傾向が当てはまります。確かに随分とイメージが変わるものです。そこで、代表をピックアップして写真を並べながら検証をしたいと思います。
ホンダ・N-BOX
via www.honda.co.jp
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まずは軽自動車で人気ナンバー1のN-BOXです。
「お顔」(フロントフェイス)はノーマルとカスタムで相当違います。ただし、カスタムの場合は複雑形状な旧型よりもややスマート&スッキリ系になっているように感じます。カスタムに女性が乗ってもおかしくはありません。
両者のイメージが変わるのは、ヘッドライトの形状はもちろんですが、フロントフェンダーの造作も大きいと思います。
価格差ですが、N-BOX G・Honda SENSINGが約150万円、N-BOX Custom G・L Honda SENSINGが約170万円ということで、約20万円です。但し装備に多少差があるので、実質的には約10万円程度の差になると思います。
男性がメインで乗るのなら、やはりカスタムということになるでしょうね。
スズキ・スペーシア
via www.suzuki.co.jp
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次は軽自動車でN-BOXに続く人気車となっているスズキ・スペーシアです。
こちらもノーマルフェイスとカスタムという構成です。スペーシアの場合はN-BOX以上にイメージが異なります。一見すると同じシリーズにすら見えません。カスタムは「これでもか!」という程にワイルドな「お顔」になっています。
スペーシアの場合はボンネット形状から違っており、その下の部分も全て変えられていますから、前から見れば全く違うクルマに見えても不思議ではありません。カスタムのデザインはN-BOXカスタムよりワイルドに見えるように狙ったのでしょう。その狙いはなかなか的中していると思います。
価格差は、ノーマル・ハイブリッドXが約147万円、カスタム・ハイブリッドXSが約169万円ということで約20万円ありますが、N-BOX同様で装備に多少差があるので、実質的には約10万円程度の差になると思います。ちなみにN-BOXと比較してもほぼ同価格という設定です。
トヨタ・ルーミー/タンク
via toyota.jp
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コンパクトカークラスでは、トヨタ・ルーミー/タンクをピックアップしてみました。厳密には同一車種ではなく姉妹車ということになりますが、トヨタの場合はそうした構成がとられています。
今までの事例とは違い、両者のイメージはかなり似通っています。
あえて言えば、ルーミーは「アルファード風」、タンクは「ベルファイア風」ということでしょうか。ルーミーの方がグリルを強調したデザインになっています。
厳密に見ると、ルーミーのお顔は逆台形、タンクのお顔は正台形になっているのですが、グリルの差の方が影響が大きいようです。価格設定は同じで、G-Tなら両車とも約180万円です。この場合は販売店の違いということだけかもしれませんね。軽ハイトワゴンの手法とはちょっと違います。
トヨタ・ノア/ボクシィ
via toyota.jp
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トヨタ・ノア/ボクシィも相当な人気車です。
傾向としては、ノアがややワイルド化して従来のファミリーっぽさがなくなってきています。つまり両車のデザインは近づいているということです。それでも上手く差異化されています。
ノアのお顔は逆台形、ボクシィのお顔は正台形であり、更にノアのフロントグリルは、メッキグリルでの存在感を表現し、ヴォクシーは逆にさっぱりとしたフロントグリルに仕上がっています。
ヘッドライトは同じようにも見えますが、スモールライト(LEDクリアランスランプ)がヘッドライトの上にあるか下にあるかで異なります。
グレード名は「HYBRID X」と「X」は同じ、その他のグレードはグレード名は違っていても価格は同じです。
続けてトヨタの事例を2つ見ましたが、トヨタの場合は軽自動車のような大きな差をつけていないということになります。これは販売戦略の違いということなのでしょうね。
続けてトヨタの事例を2つ見ましたが、トヨタの場合は軽自動車のような大きな差をつけていないということになります。これは販売戦略の違いということなのでしょうね。
ホンダ・ステップワゴン
via www.honda.co.jp
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ホンダ・ステップワゴンの場合はノーマルとスパーダになります。他にもModuloXがありますが、お値段がぐんとアップしますので、ここでは外しておきます。
ホンダ・ステップワゴンの場合は他車とは異なり、ノーマルではフロントグリルが控え目で「スッキリ型」、スパーダは逆に強調しているという点が特徴的です。
ヘッドライトのデザインも大きく異なります。ただし、N-BOXと同様にボンネットは共通で、その下の部分でデザイン差異化を頑張っている感じです。いずれにしても「絶対にイメージを変えたい」という計画だと思います。
ちなみにパドルシフトなどはスパーダ専用で、走る楽しさという面でも変化がつけられています。もうひとつ、ステップワゴンでハイブリッド車を買う場合はスパーダしかありません。ホンダはスパーダの方をステップワゴンの主力にしているのは間違いありません。
価格についてはスパーダが約40万円高く、もはやデザイン差ではなく、グレードの違いになっている感があります。
トヨタ・アルファード/ベルファイア
via toyota.jp
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最後は上級ワンボックスの代表、トヨタ・アルファード/ベルファイアです。
これだけボディが大きくなると「お顔」の造作もかなりダイナミックになってきますね。もともとはアルファードがノーマルで、ベルファイアがカスタム系という区分だったと思いますが、アルファードは「より豪華に、立派に」という作戦に変更してきているようです。
さて、両車はまずボンネットの形状から異なっています。そしてノア/ボクシィなどと同様にアルファードが逆台形、ベルファイアが台形を基本にしています。アルファードのフロントグリルは、上下が一体となった厚みを強調していますが、ヴェルファイアでは横のラインを強調したスマートな印象です。
ただ両方ともヘッドライトがシャープな形状なので、実際のところ、以前のモデルよりはあまり差を感じなくなってきています。アルファードの方が外車っぽいイメージなのかもしれません。ちなみに、ベルファイアとボクシィは同じイメージでのグレード違いという感じがしますが、アルファードとノアではかなりイメージが異なります。それだけアルファードのデザインについては「特別なてこ入れ」をしたのだと筆者は思います。
アルファード/ベルファイアの場合は「女性向き」、「男性向き」というような狙いではなく、デザインの趣向の違いということになっていて、LLサイズの1BOXならではの考え方とも言えるでしょう。
まとめ
「きっちりとした四角」のボディの1BOXやハイトワゴン。イメージづくりには、お顔のデザインがかなりのウェイトを占めています。今回紹介しませんでしたが、軽ではタント、コンパクトではソリオなども「お顔」で全く違うイメージになっています。基本的にはカスタム系の方が価格は高い傾向にあります。いずれにしても高い買い物ですから、各人の使い方、好みなどをしっかり確認して選んでくださいね。
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