オランダの大学が100%リサイクル可能な電気自動車試作に成功

オランダのアイントホーフェン工科大学が亜麻と砂糖を原材料にした、100%リサイクル可能な電気自動車の試作に成功しました。超軽量で240キロの距離の走行が可能。開発した学生さん達によって、この夏、欧州ツアーを展開するとのことです。

その名も「ノア」。2人乗りで、時速110キロで欧州を疾走へ

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大学側が2018年7月13日付けで発表しています。先週完成したそうで、一般道の走行許可を申請中。「世の人のインスピレーションとなって欲しい」と、欧州ツアーを計画中とのことです。 その名も「ノア」。2人乗りながら、トランクは広く、時速110キロまで出せます。乗れるのは1回の充電で240キロまでだそうです。大学側によると、何と言っても軽さが特徴。バッテリー抜きだと360キロ。これは一般車両の重量の半分以下です(なお、バッテリーは60キロ)。 大学側では、毎年新しく持続可能な車作りに挑戦していました。今年の目標は、環境負荷の少ない車作りの可能性を模索することだったそうです。 その答えとなったのが「砂糖を原料とした、バイオプラスチックの使用」。シャーシと内装は、このバイオプラスティック繊維による強いサンドイッチパネルで作られています。 一方、本体には、バイオベースの樹脂を注入した亜麻を使っています。こうしたバイオな材料は、アルミやカーボンなどの通常の軽量車に使われる材料と比べ、生産に要するエネルギーが6分の1未満だとのことです。 なお、開発に当たった学生さんによると、必要な強度は確保できているとしています。また、亜麻は土壌を豊かにするとされ、広く栽培されており、食糧の生産と競合しないそうです。つまり、今後これが大量生産されたとしても、食料生産に影響は出ないとなりましょうか。

お役御免後は、解体して、ビルのブロックなど第二の人生に

耐用年数が来ると、車体を粉砕し、ビルのブロックなどとして使用が可能。 使われる非有機物の部品は、既存のリサイクルチェーンでも引き取ってもらえるものばかり。 学生チームの調査したところによると、廃車までのライフサイクル全体で、ここまで環境への負荷が少ない車は、試作品レベルも含め、他では達成できていないのです。 大学としては、マーケットで売り出す予定はありません。学生さんたちは、欧州の自動車メーカーやサプライヤー、他大学をツアー先に予定しています。 開発に当たった学生の1人である、カス・ヴェルスタッペン氏は、「自動車のような複雑な製品でも、リサイクル経済化させることが可能だと示したい。その意識付けだ」と、開発の目的を語っています。 同じようなバイオな自動車がすぐに市場に出るとは思ってないものの、構造部品や内装にバイオプラスチックパネルを使用が使われるようになって欲しいと願っています。 耐久性があるだけでなく、強くて軽いからです。 可愛らしい車体から、そうした問題意識の高まりにつながれば良いですね。

まとめ:「やっぱ、シャーシなめたら甘い?」という疑問

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なお、ビジネス・グリーンという環境事業系情報サイトの報道(2018年7月19日付け)によると、開発に当たってはオランダのバイオプラスティック企業のトータル・コルビオンPLA社バックアップしていたのだそうです。 同社は、再生可能資源から作られたバイオベースの生分解性ポリマーであるポリ乳酸(PLA)などでの世界的な技術リーダーだと自負。 PLAは、多くの既存プラスチックと比較して二酸化炭素の排出が少ないとされ、パッケージングから消費財、繊維や自動車までの幅広い市場で使用される革新的な材料だと位置づけられています(以上同社の沿革欄より)。 2018年の後半にタイで新しい生産工場を立ち上げる予定だそうで、今回の「ノア」は、良い広告塔になった感じですね。 同社のシニア・マーケティング・ディレクターのフランソワーズ・ビー氏は、 「バイオをベースとした材料が、ここまでのことを達成できた。それが、この素晴らしいプロジェクトの結果だ。車のような複雑な製品を生産することを示したのだから。ノアは、PLAがパッケージング以上の役割を果たせることを証明してくれた。完全なバイオ・ベースのシャーシとボディ・パネルを特徴とする初めての車だ。より高性能で耐久性の高い車を市場に投入することだってできる」 と、サイトの取材に対し、誇らしげに語っています。 環境への負荷が減って、なおかつ安全なら言うことなしですね。なお、多くの読者の皆さまが気になっているであろう、「やっぱ、シャーシなめたら甘いのかな」という疑問ですが、3つの出典元とも触れていませんでした。 試乗して、なめるしかない?
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