アメリカ・カリフォルニア州のスタートアップ企業であるRobomartが、自動運転による生鮮食料品の配達を計画しています。スマートフォンの専用アプリを使えば、タッチ1つで自宅前まで来てくれるという優れもので、インドなど世界各地のメディアが注目しています。
「配達じゃあなく、ショップそのものがやってくるとは」と、インド人もびっくり!
Robomart
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同社のHPによると、現在50台が試験運行中。生鮮食料品の配達は、日本でもスーパーなどが力を入れつつありますし、それ自体は珍しくもありません。しかし、このように「配達じゃあなく、ショップそのものがやってくる」というコンセプトには驚かされます。インドのインディアン・タイムズも、その例に漏れず、さっそく記事にしています(2018年6月28日付け)。
類似のアイディアは他のスタートアップでも行っていますが、顧客がオンラインで注文し、OTPと呼ばれる1回限り有効なパスワードで施錠されたロッカー付きの自動運転車がやってくるというコンセプトが主流。中には冷凍庫が付いたのもあります。
これに対し、Robomartでは、注文客が自動車の配車予約アプリを使うだけで、そこらを走っている生鮮食料品を積載した自動運転車の内で 一番近い車が自宅前まで来て駐車してくれます。後は外に出てドアのロックを解除し、欲しい生鮮食料品を選んで買い物をという流れです。
気になるのは決済ですが、同社が特許を取得した「グラブ・アンド・ゴー」というテクノロジーを活用します。Amazon Goの決済システムと良く似た仕組みでして、センサーで取り出した商品を特定し、アカウントに請求するというもの。Robomartの場合、クレジット・カードからの引き落としとなります。
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「ただの配達ではなく、店ごと来て選べるというのが利点だ」と、同社CEO
同社のアリ・アフメッドCEOは、「単に品物を配達するだけではなく、店ごとやって来て選べるというのが利点だ」と強調しています。野菜のような生鮮食料品の場合、必ず複数が品揃えされており、そこから好きなのを選べるからです。なお、気に入ったのがない場合は買わなくても構わないそうです。
また、一旦配送して倉庫に戻るよりも、巡回させる方がスピード面で早いとしています。ちなみに、インドでも食料品の宅配はしてくれますが、現金決済が原則。また、現時点では都市部での自動運転車の走行は行われておらず、模索の段階だそうです。
まとめ:昨年創業、従業員7人のスタートアップが、世界の小売を変える?
同紙によりますと、Robomartは2017年創業で、従業員は7人しかいません。アイディアは面白いものの、今後どう事業化していくかが課題となりましょう。
課題といえば、車体の設計をどうしていくか、模索が必要だとしています。完全無人化車両とするので、ドライバーの快適性については考慮しなくて良く、そうした意味で設計はシンプルで済むだろうと考えられています。
しかし、どう運用していくのか? 現状では遠隔操作で運転しますが、将来は完全自動運転車両を視野に入れているそうです。となると、対応するテクノロジーが求められるという訳です。この他、積載する生鮮食料品の品目や数を最適化せねばならないという課題もあります。
なお、Robomart自身は、自社による生鮮食料品のロジスティックス・チェーンを持っていません。ウォルマートのような、世界的に知られる小売大手に車両をリースしたいとの意向を持っています。「上手く行けば、数年の内にユビキタス社会の移動型生鮮食料品店となるかもしれない」と、記事は結ばれています。
アイディアそのものは面白いし、車による買い物が高齢化と共に難しくなり、社会問題となりつつある日本でも検討・導入する価値がありましょう。今後に注目したいですね。
出典:
https://robomart.co/
https://www.indiatimes.com/technology/science-and-future/this-startup-will-let-you-call-a-grocery-store-car-to-your-location-just-like-booking-an-uber-348306.html
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https://robomart.co/
https://www.indiatimes.com/technology/science-and-future/this-startup-will-let-you-call-a-grocery-store-car-to-your-location-just-like-booking-an-uber-348306.html