スバルが新型ホットハッチを計画との噂が!

ネット上でスバルに関する面白い情報が飛び出しました。それはスバルが2020年WRC(世界ラリー選手権)に向けて調整を図っているらしい…という内容。果たしてどこまで本当なのか?分析してみたいと思います。

噂の内容からの考察

現状ではスバル最後のホットハッチ「WRX STI 5d...

現状ではスバル最後のホットハッチ「WRX STI 5door」

ネット上に突如として現れた噂…それは2020年のWRCに向けて新型ホットハッチを計画しているのではという内容です。当初私は「WRXシリーズにハッチバック復活か?」と思いました。 噂なの内容は「トヨタ『ヤリス』を標的に、スバルもWRC復帰を狙っている」というものでした。 「ヤリス」とは日本における「ヴィッツ」のことです。トヨタは2017年のWRCに「ヤリスWRC」として復帰参戦し、昨年は第2戦、2018年現在は第5戦において優勝を果たしています。
ヴィッツがベースのヤリスWRC

ヴィッツがベースのヤリスWRC

しかしここで疑問に思いました。「ヤリスを標的に」という部分です。 ヤリスはセグメントとして分類した場合、「Bセグメント」と言われるポジションに属します。
セグメントとは欧州においてマーケティング手法として統計調査に使用される乗用車の分類概念を表すもので、日本におけるコンパクトカーは「Bセグメント」に属しています。 ここでスバルに目を向けてみましょう。結論からお伝えしますとスバル純正車種にBセグメント車種は存在しないのです。
スバル車としてのエントリーモデル「インプレッサ」

スバル車としてのエントリーモデル「インプレッサ」

スバルのエントリーモデルであるインプレッサはCセグメントに属しています。WRCと繋がりが深いとされる「WRX STI」も分類上Cセグメントに属します。 新型ホットハッチが噂通りだとすると、Bセグメントに属することになります。現時点で性能はともかく、セグメント上では下位車種となる新型車を企画しているのであれば、すでにテスト車両など現実的な内容が報じられていてもおかしくはないはずです。 そもそもヤリスのようなショートノーズのフロント形状では、水平対向エンジンを積むことが衝突安全性能の観点から現実的ではないので、少々懐疑的になるのは致し方ないでしょう。
セグメントに分類すると同じくCセグメントの「BRZ」

セグメントに分類すると同じくCセグメントの「BRZ」

そもそも現在WRCは参戦規定から全車がBセグメントハッチバックを採用しています。スバルにおける最後のホットハッチバックはトップ画像の先代WRX STI(GRBと呼ばれます)なのでノウハウはあるのでしょうが、こちらもやはりCセグメントに当たるのです。 そこで、スバル車で最もコンパクトなクルマに目を向けてみました。「BRZ」です。
インプレッサよりもコンパクトなサイズのBRZがベースならばBセグメントハッチバックの開発も可能なのではないでしょうか。 ですがこちらも疑問が残ります。BRZはFRベースであるという点です。WRCの環境下で勝利するためにはAWDは必須と言えます。事実ヤリスはフルタイム4WDとして活躍しています(AWDと4WDは基本的には同じです)。
しかもBRZはスペースの制約上AWD化は不可能だと以前から明言されていました(そもそもBRZのAWDはもはやBRZとは言えないのですが…)。 しかし以前から興味深い情報はありました。BRZをベースにミッドシップレイアウトのAWD車を開発しているという噂です。
ミッドシップレイアウトはスバルが提唱する安全性能(衝突時にエンジンを後方に押し出す構造)とBセグメントをマークしている点を合わせると流石に非現実的だと言わざるを得ないのですが、個人的な希望を含めて期待したいと思います。

トヨタがスバルと三菱に対してWRCに復帰することを期待しているという事実

こちらは噂ではなく「事実」になります。 トヨタ自動車の豊田章男社長がメディア取材に対して2018年8月、「彼ら(スバル・三菱)の復帰をサポートしたいと思います。それはGAZOO Racingがやろうとしていることです」との言葉を発しています。また、他の日本メーカーがWRCに復帰することを期待しているとも語っています。 トヨタ自動車の豊田章男社長と言えばスポーツカー好きとしても知られており、事実社長に就任されてからトヨタ自動車におけるスポーツカー開発の速度は飛躍的に高まりました。
昨年のCMでご本人が運転される「(インプレッサ)WRX STI スペックC」が登場し話題になったことを覚えている方も多いでしょう。 トヨタはスバルの筆頭株主ではありますが、「86」「BRZ」を共同企画・開発をするなど単なる傘下企業という関係ではありません。協力企業との見方の方が自然でしょう。
そのような関係であるトヨタ自動車 豊田章男社長からの「ラブコール」に、スバルはなんらかのアクションで応えるのではないかと推測しています。 むしろ少々乱暴ですが、直近のスバルの不正問題を踏まえても応えるべきだと私は思います。

2020年 WRCを日本開催へ向けて活動中

スバル・インプレッサ - Wikipedia (50667)

2018年8月22日、WRC日本ラウンド招致準備委員会はJAF(日本自動車連盟)を通じてFIA(国際自動車連盟)に対して2019年 WRC 日本開催のカレンダー申請を行いました。 概要は『2019年秋に愛知と岐阜でWRC 日本ラウンド「Rally Japan 2019」開催へ』と題し、愛知はトヨタ自動車の「お膝元」という面もあり日本での開催をほぼ確実視していたメディアも多数見受けられました。 しかし10月12日、全14戦で構成される2019年のWRC世界ラリー選手権開催スケジュールがFIAより発表されましたが、残念ながらそこに日本開催のスケジュールは刻まれてはいませんでした。 これに対してWRC日本ラウンド招致準備委員会は、2020年のカレンダー入りを目指して活動を継続していく方針であることを述べており、少なくとも2020年WRC日本開催の実現は十分ありえると言えそうです。

まとめ

スバルが新型ホットハッチを計画してるかどうかは定かではありませんが、WRCに対して何かしらのアクションを示す可能性は高いと言えそうです。一度は日本から縁が遠くなってしまっているWRCも日本開催に向けて活動中であることも明らかになりました。 やはり自動車業界を盛り上げるにはスポーツカーの存在は不可欠です。今後はスバルだけでなく様々な新型車両開発の噂が飛び交うことでしょう。ですが私はそれを悪いことだとは思いません。真意はどうあれクルマに興味をもってもらい、自動車業界を元気にしたいという気持ちが伝わるからです。 日本国内においてもスポーツカーブームが到来しつつあるのは間違いありません。その火付け役となったのは「86」と「BRZ」です。そのBRZベースのクルマがWRCで現れるとすれば…これ以上ないロマンと言えるのではないでしょうか。
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