リチウム電池のリサイクルによって、電気自動車の価格が下るとオーストラリアで指摘

「環境に優しい」とされながら、なかなか普及が進まない電気自動車。ネックになっているのは、やはり価格です。特に、搭載するリチウム電池のコストが、そのまま車の価格に重くのしかかっている格好です。そのリチウム電池について「リサイクルすれば電気自動車の価格を安くできるはず」との問題提起がされています。確かに言えてますね。

「豪ドルに換算して2030年半ばで30億ドル相当に」との試算が

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オーストラリアの投資系情報サイト「STOCKHEAD」の記事を見ていきましょう(2018年7月18日付け)。 リチウム電池と言えば、電気自動車だけでなく、スマートフォンなどにも使われています。電気自動車はまだしも、スマートフォンは今や誰もが持つ時代。当然その分のリチウム電池の需要が生まれ、かつ、廃棄もされていくという流れができているわけです。 そこに注目したのが、オーストラリア連邦科学産業研究機構(Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation=CSIRO)。機構の研究員が調査した「本国に於けるリチウム電池リサイクルについて」というレポートによると、2030年半ばまでに30億豪ドル(約2500億円)の市場になるとされています。 また、リサイクルを活用すれば、新車のセールスで現在0.15%のシェアしかない電気自動車の売れ行きを伸ばし、2030年には42万5000台の普及となるだろうと試算しています。ちなみに、現状は5000台だそうですから、物凄く伸びる格好になります。 CSIROでは、オーストラリアで年間に廃棄されるリチウム電池は3300トンだが、回収されているのは2%でしかないと指摘。効率的なリサイクル市場を構築すれば、世界のリチウム電池の供給を安定させ、消費者の需要に応じられるとしています。 なお、この廃棄は年間20%ずつ増えており、2036年には10万トンを超すだろうと予測されています。色んな意味で勿体なさ過ぎます。 「リチウム電池には、リチウムの他にコバルトなど資源価値がある元素が含まれている。これらを国内で改修し、新製品に再活用することは可能だ」と、報告では指摘しています。

電池に使用しているコバルトの産出国には、紛争などのリスク

ちなみに、コバルトに関してはオーストラリアで採掘・使用しているわけではなく、アフリカのコンゴ民主共和国からの輸入に頼っています。ところが、この国は紛争や違法採掘、人権蹂躙や環境破壊などの問題を抱えているとされています。カントリー・リスクがあるのです。 なのに、同国では廃棄されたリチウム電池の大半を海外に輸出。国内に残った廃棄物は、環境問題を引き起こすだけでなく、火災の原因にもなりかねないと、研究報告では警鐘を鳴らしています。 こうした現状に、連邦政府や西オーストラリア地区の自治体では作業部会を設置。向こう半年で、今後の業界のロードマップを設定するとしています。

まとめ:日本でも急がれる電池リサイクル・スキームの構築

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興味深いのは、アメリカの投資系サイトでも、今年4月に同様の指摘がされていたことでしょう。インスパイアードというサイトの、4月12日付けの記事です。 サイトでは、ウォール街で一目置かれている調査会社であるバーンスタイン社の分析を引用しています。同社によりますと、今後20年以内で、自動車の総台数に占める電気自動車の割合は40%になるだろうとのことです。 英仏両国が、化石燃料で走る車を2040年までに禁止するとしていることや、中国政府も電気自動車を推進していることなどが、追い風になるだろうと言うのです。 ただ、こちらでも廃棄されたリチウム電池をどうするかが問題だとしています。そもそも、リチウムとコバルトの原材料調達がタイトになり、各企業とも調達に苦労しているとする英国のガーディアン紙の報道も引用しています。片一方で廃棄しておきながら、馬鹿げていますよね。 なお、日本国内でも、こうした電池の重量がかさばり、焼却処分出来る施設が限られているという現状を、環境省が指摘。オーストラリアと同様に、リサイクルに向けた仕組みづくりを提言しています。 世界的に、「何とかしないと」との機運があるようですね。スマート・フォンの価格も下がるかもしれないのなら、日本でもやる価値はあると思う。オーストラリアに負けるな! 参考:リチウムイオン電池の⾼度リサイクルhttps://www.env.go.jp/policy/kenkyu/special/houkoku/data_h28/pdf/3K152013.pdf
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