これからのトヨタが詰まっている「カローラスポーツ」をご紹介

誰しも一度は聞いたことがある日本の大衆車の代名詞「カローラ」が2018年6月26日に「カローラスポーツ」として登場しました。 最新のコネクティッドサービスの展開や6速MTの追加など、まるでトヨタの先陣を切るかのようなカローラスポーツ。その魅力を分析します。

カローラスポーツの立ち位置

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カローラという括りで見るとカローラスポーツは通算12代目に当たりますが、今までのカローラに対するイメージはどのようなものだったのでしょうか? 私個人は「年配の方を中心に誰にでも扱いやすい上質なワゴンとセダン」というイメージを持っていました。
決して揶揄的な表現ではなく、歴史があるクルマは時が刻まれるほどユーザーも年齢を重ねるわけですので、現在のカローラが年配の方向けにラインアップをされていても不思議ではありません。 しかしカローラスポーツでガラリと方向性を変えてきました。それもそのはずで、カローラスポーツはオーリスの後継車種でもあるからです。
2006年から登場した初代オーリス

2006年から登場した初代オーリス

そもそもオーリス自体がカローラランクスの後継車種として2006年に登場し、2012年には2代目に進化、2018年3月まで販売されていました。 2000年代初頭、カローラの購入者のほとんどが年配の方だったため、若年層へ向けてのアピール車が求められました。全幅を1,760mmと3ナンバー化したことで走行性能を向上させたのも同様の狙いがあったと言えるでしょう。 ライバルが犇めくCセグメントハッチバックにおいて、残念ながらオーリスは際立つ存在ではありませんでしたが、「シャア専用オーリス」といったコラボ展開や派生車として「ブレイド(ブレイドマスター含む)」が登場するなど、トヨタのCセグメントハッチバックの伝統は今日まで守られてきました。 余談ですが私は数か月の間、初代オーリスを乗り回していた時期がありました(所有ではありません)。
エンジンは1.5リッターと可もなく不可もなくだったのですが、適度に重厚な乗り味は欧州車のそれをベンチマークにしていたことが瞬時に伝わりました。内装も他にはない独特なもので、使い勝手はともかく若者に使ってほしいことが伺えるいいクルマでした。
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そんなオーリスの意思を受け継いだCセグメントハッチバックがカローラスポーツです。
「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」に基づく「GA-Cプラットフォーム」の採用で走行性能に磨きをかけています。加えて同日にフルモデルチェンジをした「クラウン」と同様にコネクティッドサービスを展開させるなど、若年層に引き続きアピールを図りながらもこれからのトヨタを背負っている車種であることが伺えます。

カローラスポーツを見る

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内装はグレードにより若干の差がありますが、Cセグメントハッチバックらしく適度な包まれ感を演出しています。どこか先代のオーリスとの繋がりを感じさせるスポーティな仕立てと、やはり若い世代を意識した作りからオーリスの正当な後継車であることがわかります。
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安全面では予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を全車に標準装備させています。 内容としては「レーントレーシングアシスト」「プリクラッシュセーフティ」「レーダークルーズコントロール」「オートマチックハイビーム」「ロードサインアシスト」を車内の高感度カメラと車両先端のミリ波レーダーの2種類で制御。高い認識性能と信頼性を両立させています。 この内容は「セーフティ・サポートカー(サポカー)」と言われており、さらにメーカーオプションのインテリジェントクリアランスソナーを装着すると「「セーフティ・サポートカーS<ワイド>」と言われる内容になります。
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トヨタ自動車のラインアップらしくグレード構成は若干複雑な構成ではあるのですが、大きく2つに分類することができます。それはエンジンの種類で「1.8Lエンジン+モーターのハイブリッド」と「1.2Lエンジン+直噴ターボのダウンサイジングターボエンジン」に分けることができます。 以降はそれぞれにフォーカスを当てて見ていきたいと思います。

1.8Lエンジン+モーター

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「1.8Lエンジン+モーター」はハイブリッドグレードです。構成は「HYBRID G“X”」「HYBRID G」「HYBRID G“Z”」となっており、価格は2,419,200円からとなります。 エンジンスペックは最高出力98ps(72kw)を5200回転で発生し、最大トルクが142Nm(14.5kgf・m)を3600回転で発生させています。これにモーターが加わります。 モータースペックは最高出力が72ps(53kw)、最大トルクが163 Nm(16.6kgf・m)です。実はプリウスと同等のスペックです。なお、バッテリーにはニッケル水素バッテリーが採用されています。 システム最高出力は表記されていませんが、プリウスと同等と仮定すると最高出力は122PS(90kW )となるでしょう。 トランスミッションは電気式無段変速機です(トヨタのハイブリッドシステムにはトランスミッションはありませんが、便宜上このように記載します)。 ワインディング走行や高速道路での再加速では少々力不足を感じるかもしれません。エンジンの最大トルクが3,600回転であることから低速時はモーターアシストが主役となり、街乗りや普段使いに適したスペックと言えます。

1.2Lエンジン+直噴ターボ

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2代目オーリスでデビューした1.2L直噴ターボエンジンが継続採用されているのですが、ハイオク指定からレギュラーガソリン仕様に改良されています。 構成は「G“X”」「G」「G“Z”」となっており、価格は2,106,000円からとなります。 エンジンスペックは最高出力116ps(85kw)を5200~5600回転で発生し、最大トルクが185Nm(18.9kgf・m)を1500~4000回転で発生させています。 トランスミッションは10速スポーツシーケンシャルシフトマチック付きのSuper CVT-i(無段変速機)です。
駆動方式は前輪駆動と四輪駆動がラインアップされています。 前輪駆動のみiMT(インテリジェントマニュアルトランスミッション)と呼ばれる6速MTが追加されています。
これは変速後のエンジン回転数を合わせてくれる制御システムで、簡単に言えばMT初心者の方でも変速による過度な振動やエンストを防いでくれる機能と言えるでしょう。 ハイブリッドモデルと比較すると運転を楽しめるのはこちらです。特にロングドライブを楽しみたい方には1.2L直噴ターボエンジンをお勧めします。

トヨタ初「コネクティッドサービス」を展開

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ローラ スポーツ | ユーティリティ | コネクティッドサービス | トヨタ自動車WEBサイト (51020)

新型クラウンと共にトヨタ自動車初としてコネクティッドサービスが搭載されています。 音声認識で運転中でもナビ上に最新の情報を引き出すことが可能です。
AIによるエージェント(音声対話サービス)も実装されているのですが、特筆すべき点は専任のオペレーターが24時間365日体制での対応を実現させている点です。つまり「人」と対話することができるのです。 例えば「美味しいイタリアンを探したい」など、現時点のAIにとっては曖昧と言える表現も相手が「人」ならば親切な対応が実現できるという考えです。

まとめ

クルマの在り方が急速に変化、発展していますが、カローラスポーツはその流れ全てを体現していると言えます。
自動運転化へ向けての「運転支援システム」から始まり、走る道具だけでなく情報と娯楽を提供する「コネクティッドサービス」の実装。しかし操る楽しさというクルマ本来の原点に還った「6速MT」の追加がそれを物語っています。 カローラといえば税金込みでも150万円前後で購入できていました。今では250万円以上が当たり前になっています。その背景には上記のような最新技術の展開と、従来のクルマ本来の楽しさを追及するための更なる進化が反映されているのだと強く感じます。 ライバルが犇めき合うCセグメント市場に「全ての最新」を備えたカローラスポーツは未来のトヨタを映し出していると同時に未来のトヨタを占っている存在と言えるでしょう。
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