現在、世の中には数多の自動車メーカーがあり、それぞれ独立しているように見えますが、資本関係などを見てみると意外な所でくっついていたり、子会社になっていたり、意外と複雑なものになっています。そしてその構造や関係性は、目まぐるしく変化しています。かつてスズキとGMシボレーが提携していた頃、シボレーが日本の自動車市場において存在感を高めるため、こんなクルマを出したことがありました。
どんなクルマ?
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シボレーMWは、2000年9月に発売されました。
当初はスズキワゴンRプラスのXTをベースにしており、996ccの4気筒ターボエンジンを搭載し、限定モデルとして販売されていましたが、2001年には996ccの4気筒NAエンジンと1,328ccの4気筒NAエンジンのラインナップに改められ、限定モデルから通常販売モデルへと改められました。
2002年には1.3Lモデルのみとなり、マイナーチェンジを挟みつつも2003年4月には生産を一時停止します。
そして3年のブランク期間を経て、2006年に販売を再開しますが、スズキアリーナ店での販売となりました。
それ以降はいくつかのグレードを追加しつつ、2010年8月まで生産されていました。
シボレーの名前がついてはいますが、上記の通りこのクルマはスズキワゴンRプラス/ソリオのOEMモデルでした。
シボレーMWのここがイイ!!
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シンプルなスタイリング
1.0Lエンジン搭載モデルは丸みを帯びたデザインで、多少古臭い印象がありますが、1.3Lモデルのデザインはクリーンで直線的であり、好感が持てます。
平たく言えばワゴンRを大きくしてエアロパーツを付け、シボレーのボウタイエンブレムを付けたクルマですが、スタイリングは意外にキレイにまとまっています。
エアロパーツは控えめながらも存在感を持つデザインで、やりすぎ感がないのが良いですね。
ボクシーで車体感覚が掴みやすい
最小回転半径は5.0mとそれなりの数字になっていますが、フロントオーバーハングが短く、また車体の角がはっきりしているため、狭い道や混雑した駐車場などでも取り回しには困りません。
解放感を持たせるためか、ベルトラインが下げられ窓の面積が大きくなっていますが、これにより死角が少なくなっているため、初心者でも安心して運転することができます。
印象的なステッチ
シボレーMWのドアを開けると、まず目につくのはシートに入ったシボレーのロゴとボウタイマークの刺繍です。
シートの素材は標準グレードはレザー、廉価グレードはモケットかアルカンターラになりますが、どのグレードにもこの刺繍が入っています。
その他はワゴンRソリオと同一ですが、クルマ好きはこの刺繍だけでもニヤリとしますね。
シボレーMWのここはそうでもない…
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サビの問題
ワゴンRソリオ同様、このクルマもサビの問題を抱えています。
フロントドアの下端やリアフェンダーの辺りが特にサビやすく、筆者が乗った個体もここからサビが発生していました。
筆者が住んでいるのは雪国なので、融雪剤の影響も多少あったとは思いますが、こまめに洗車をし、汚れを落としていてもサビが発生してしまったのには閉口しました。
パワー不足
シボレーMWは88ps/6,000rpm、12.0kg-m/3,400rpmを発生するM13A型エンジンを搭載しています。
車重は4WDでも1,010kgと軽量な部類に入りますが、車体形状のせいか加速性能が良くありません。
高速道路を流れに乗って走る時、思いのほか多めにアクセルを踏み込まなければならず、長距離だと足が疲れてしまった記憶があります。
高速道路を走る機会がある方には、あまりこのクルマはオススメできません。
剛性不足
ボディ形状から察する通り、剛性が足りません。
峠道を走るとよく分
かりますが、4つのタイヤがてんでばらばらに好き勝手なことをしているようです。
ドライビングプレジャーからは遠く離れた所にいるクルマなので、走り好きの方にもオススメできません。
まとめ
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シボレーMWは、スズキワゴンRプラス/ソリオのOEM車でしたが、本家以上に豪華なクルマに仕上がっていました。
動力性能を追求するクルマではありませんが、日常の使い勝手はとても良いです。
助手席の座面を前に起こすと出てくる収納スペースや、乗り降りしやすいシートポジションなど、ワゴンRプラス/ソリオの使い勝手の良さをそのまま継承していました。
現在、中古車市場においてはタマ数はさほど多くありませんが、価格はとても低くなっており、走行2万kmのモデルでも本体価格39万円の個体が見つかります。
免許取り立ての大学生の通学用や、奥さんのお買い物車、通勤用のセカンドカーとしてはとてもコストパフォーマンスに優れるクルマです。
使い勝手が良く、かつ価格の安いコンパクトカーを探している方はシボレーMWも候補に入れてみてはいかがでしょう?
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