ロシアのカラシニコフと言えば、突撃銃のAK-47のメーカーとして、世界的にチョーが3つ4つ付くぐらいの有名企業ですが、そこが何と、このほど電気自動車のコンセプトカーを作ったと発表。しかも、それが無骨というか、AK-47のDNAをソックリ受け継いだデザインで、世界中のソーシャル・メディアのユーザーが、二度ビックリな状態になっています。しかし、当事者は大真面目に「テスラに対抗する!」と宣言。もう、何が何だか…。
ドイツのメディア「テスラに予期せぬ新たな敵が現れた」と速報!
アメリカだけでなく、欧州のメディアも仰天しています。その1つが、ドイツのドイチェ・ヴェレ(2018年8月23日付け)。何しろ「イーロン・マスク氏のテスラは、新たな予期せぬ敵に直面した、武器製造大手のカラシニコフだ。カラシニコフは新しい電気自動車のデザインを披露したのだが、そのレトロなスタイルが、ソーシャル・メディア上で複雑な論評を交錯させている」と書き出しているぐらいです。
実際、こんなデザイン。
CV-1という名称で、23日のモスクワ郊外の国防見本市でデビュー。…車のお披露目なら、モーターショーでやりゃあ良いものを。あ、読者の皆さん。くれぐれも「ダ●い」などと言わないように。相手は世界を代表する、殆んど故障しないことで有名な突撃銃のメーカーですからね。
レトロな外観ながら、1回の充電で350キロ走る、手堅い性能が売り
ちなみに、同社の英語での正式な社名はKalashnikov Concern。Concernには「懸念」という意味合いがあります。何だって、そんな社名にしているのかが謎。ただ、同社の宣伝する性能を見ると、イーロン・マスク氏は懸念した方が良さそう。このCV-1、作りこそレトロなものの、性能はAK-47と同様に、手堅くまとめているんです。何しろ、1回の充電で350キロ走るというのですから。日本で言えば、東名高速道路の東京から名古屋間(約358キロ)に相当する距離を、ほぼ完走できる格好です。
他ならぬ同社自身も、「このテクノロジーによって、我々はテスラのような世界の電気自動車メーカーと同じ土俵に立てたし、競争していく積もりだ」と、スプートニクという地元メディアの取材に答えているぐらい。こりゃ、強敵かもね。
「ソ連時代のハッチバックにインスパイアされた」デザインだが…
同社によると、このデザインは、「旧ソ連の1970年代に作られたIzh-Kombiというハッチバックにインスパイアされた」とのことです。とは言え、当時を知らないロシア人は、ソーシャル・メディア上で複雑な反応を示しているのだとか。
「サイバーパンクだね」と、好意的な見方があるにはあるのですが「Izh-Kombiではなく、Izh-Zombieじゃないか」と言う意見や「御社の戦車は凄いけど、車には手を出さないほうが良いんじゃないの」という意見が、同社のフェイスブックの公式ページ(そんなもんがあるんですね)に寄せられているそうです。
…撃たれたくないので、コメントは差し控えさせて下さい。
ドイチェ・ヴェレによりますと、このカラシニコフ・コンサーン社は、どうやら世間様のコンサーンを気にしない社風らしく、最近も二足歩行の戦闘ロボットの写真をリリースしているのですが、テカテカな塗装だったものですから、母国では「スター・ウォーズの映画の世界みたい」との意見が。あ、これは褒め言葉ではなく、嘲りの要素が入ったものなんだそうですって。 知らんぞ、撃たれても。
まとめ:どうやら「経営多角化」の一環として電気自動車に進出?
このカラシニコフ・コンサーン、ここ数年はAK-47の製造以外に、色んなジャンルに手を出しているんだそうです。特に力を入れているのが、民生用品でして、傘や携帯電話のカバーまでカラシニコフのブランドで売っているのですって。いずれも、頑丈なら有り難い商品ばかりですねと、思わず棒読みモード。
実際、同社の会社概要が書かれたHPを見ると、最近ではスポーツ・ライフルや猟銃など、本家の銃でもバリエーションを広げているそうです。車以外には、遠隔操作の兵器やドローン、多機能型特殊ボートなども製造しているそうです。
ちなみに、ロシアでの小銃のシェアは95%でして、世界30カ国近くに輸出しているとのことですから、多角化を模索する企業に有りがちな、本業が左前というのでは無さそう。まぁ、銃がやたら売れる世の中って、どうよとは思ってしまいますが。
なお、電動バイクは既に実用済みらしい。同社にしたら「ノウハウを車にも」なのかもしれません。うーむ、やはり、テスラの強敵かも?
出典:
https://www.dw.com/en/kalashnikov-unveils-new-electric-car/a-45202288
https://kalashnikov.com/en/about/
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https://kalashnikov.com/en/about/