レクサス UX200 “version C” 試乗記

昨年11月27日に発表され、発売が開始されたレクサスのコンパクト?SUVのUXに試乗してきました。このUXですが、TNGA化された2000CCエンジンとダイレクトシフトCVTが搭載された国内販売第1号のモデルとなります。試乗グレードは2000CCガソリンエンジンが搭載される中間グレードのUX200 “version C”(4,140,000円)になります。

エクステリア

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フロント ボディカラーはブレージングカーネリアンコントラストレイヤリング
このクルマのボディサイズは全長4,495㎜・全幅1,840㎜・全高1,540㎜、ホイールベースが2,640㎜ということで、ベースはトヨタのC-HRがベースとなっています。そのベースとなったC-HRと比較するとすっきりしたデザインで兄貴分にあたるNXに近いデザインテイストかなと感じられます。
ただ、ボディをあちこちに細かいラインが走っているため写真写りがあまり良くなく、最初にプレスリリースされた写真はあまりカッコ良く見えなかったのですが、本物は写真と比べればよりNXに似た力強いデザインに感じられました。

インテリア

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ダッシュボード
インテリアのクオリティはレクサスなので高いですが、使用されている素材についてはC-HRと比較してそれほど差があるとは感じられませんでした。
パーキングブレーキの電動化が最近では進んでいますが、このクルマはついにそのスイッチすら無くなり、シフトレバーをDにすれば自動解除され、Pにすれば自動でかかる仕組みになっていました。
カーナビは10.3インチの大画面で見やすく、コネクテッド化により地図も自動更新される仕組みとなっていて、このあたりはさすがレクサスならではの「おもてなし」を感じる部分ではありますね。

シート

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フロントシート
シートはどうもC-HRと同様の骨格が使用されているようですが、表皮素材のL texと呼ばれるレザー調の合皮素材は表面の張りが少し弱く、少し沈み込むような掛け心地になります。ディーラー内に展示されていた上級グレードの“version L”の本革シートは表皮の「張り」が良くちょうどいい硬さの掛け心地に感じました。

エンジン・トランスミッション

2000CC直列4気筒DOHC直噴エンジン(174PS・21.3kgf・m)と発進時のみギヤを用いたダイレクトシフトCVTの組み合わせになります。
この新開発された2000CCエンジンはハイオクガソリン仕様ということもあって、現在国内メーカーで新車販売されている自然吸気2000CCエンジンの中では最もハイスペックなエンジンになります。
今回はドライブモードを「ノーマル」で走行しました。発進時は先述したダイレクトシフトCVTの恩恵もあって1,510㎏の車体を軽々と加速させていきますが、ギヤからプーリーベルトに変速が移行すると、やはり1,510㎏の車体に2,000CCのエンジンの加速かな、といった感じになりますね。どうもこのダイレクトシフトCVTは省燃費走行するようにプログラミングされているようで、スペックからすればもう少し力強さがあってもいいのかなと思ってしまいました。
まだまだ登場したばかりのパワートレーンなのでこれからの熟成に期待したいところであります。

サスペンション・乗り心地

フロント・ストラット式/リヤ・ダブルウィッシュボーン式で構成されるサスペンションは、ベースとなったC-HR同様、TNGA化されたGA-Cプラットフォームを採用したことによりフロア剛性・ボディ剛性ともに強化されたことからタイヤの接地性が高くなり、カーブを曲がる時の安定感はこのクルマがSUVであることを忘れ、まるでコンパクトスポーティカーに乗っているかのような感覚でキュッキュッと曲がっていきます。またステアリング操作に対する反応も早く、切った方向にクッとロールも出さずに向きを変えていきます。
試乗していて気になったのは、どうも日本仕様向けにはショックアブソーバーの減衰力を弱くしたものが使用されているように感じます。このクルマに使用されているスプリングはフロアや車体が強化されたことから硬めなものが使用されていて、そのスプリングレートに対しショックアブソーバーの減衰力が伴っていないようで、試乗直後のディーラーから公道へ出る瞬間の段差で割りと大き目な横揺れが発生しました。公道での走行中も舗装状態が悪く凹凸が大きな場所を走行すると絶えず横揺れが発生します。ボディやフロア剛性の高さによる素性の良さがこのショックアブソーバーで半分失われている感じがしました。
今後の改良でショックアブソーバーが改良されて、乗り心地が向上することを期待したいです。

総括

このクルマの素性は良いものがあるので、正直内外装だけではなくもっと「走り」の質も高めて欲しいと感じました。レクサスを購入しようという方々に今後「ブランド」として認知されていくためにも、今後の改良で質の高い走りを実現してほしいですね。
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