ホンダ N-ONE Select Tourer(FF)試乗記 ~内外装にこだわりをプラスしたN-ONEのNEWグレード~

昨年12月にマイナーチェンジが実施されたN-ONEの新グレード、Select Tourer(1,520,640円・FF)に試乗しました。このグレードは、マイナーチェンジ前に特別仕様車として設定されていたSSブラウンスタイルパッケージを今回のマイナーチェンジで名称変更しカタログモデル化したもので、従来のNAモデルに加えターボモデルも追加されました。今回はNAモデルのSelect(1,420,200円・FF)と比較しながら、その実力を検証しました。

エクステリア

Select Tourer フロント

Select Tourer フロント

Select フロント

Select フロント

リヤ(Select Tourer・Select共通)

リヤ(Select Tourer・Select共通)

特別仕様車がカタログモデルに昇格したこともあって、マイナーチェンジ前からこのエクステリアは好評だったのでしょう。 ルーフ、ドアミラー、フロントグリル及びホイールのダークブラウンカラーがメインカラーの淡い色と相まって、丸いヘッドランプを持つN-ONEのクラシカルなハッチバックスタイルにマッチし、ベースモデルのStandardグレードよりも一層「ふんわり」した印象を与えていると思います。 Select TourerとSelectとのエクステリアの違いはフロントグリルの開口部のみで、ターボエンジンを搭載するSelect Tourerのほうが開口部が大きくなっています。 私は開口部の大きいフロントグリルを持つSelect Tourerのほうがフロントフェイスの輪郭がハッキリしていてバランスが取れていると感じます。

インテリア

Select Tourerのインテリア

 (29366)

Selectのインテリア

 (29367)

Select Tourerとの違いはクルーズコントロールとパドルシフトが非装着になることのみ。

オーディオパネル下部に新設されたパーツ

 (29368)

今回のマイナーチェンジでオーディオパネル下部に音対策と思われる部品が追加された。

ナビ装着用スペシャルパッケージに含まれるETC車載器

 (29369)

今回のマイナーチェンジでセンターロアボックス上部に充電用USBジャックが設置されることとなったため、ETC車載器はステアリングコラム下部に設置されることとなった。
元々クオリティの高いインテリアはマイナーチェンジでは大きな変更は無く、装備品がユーザーのニーズに合わせてアップグレードされている程度。
細かいところですがオーディオパネル下部に騒音対策用と思われる部品が追加されたことと、ナビ装着用スペシャルパッケージに主にスマホ用の充電用USBジャックが追加され、それに伴いETC車載器はセンターロアボックス上部からステアリングコラム下部へと移動されることとなったくらいです。 Selectシリーズ専用となるダークブラウンカラーのダッシュボード・ドアトリムとメープルブラウンカラーのシートの組み合わせは雰囲気が良く、ドアを開けて乗った瞬間から落ち着くというか、不思議と優しい気持ちにしてくれます。 少し気になったのはインテリアに貼付されるメープルウッド調の木目調パネルのクオリティとウレタンタイプのステアリングホイールです。
これで木目調パネルのクオリティが良く、本革ステアリングホイールが装備されていたら完璧だったのに、と思います。

シート

フロントシート(Select Tourer・Select共通)

 (29372)

リヤシート(Select Tourer・Select共通)

 (29373)

シート形状はフロントシートはアームレスト付きのベンチシートで、座面の長さやシートバックの高さは十分ですが掛け心地はやや硬めで、先日試乗したアクアと比較するとやや平板気味に感じられます。 シート生地は本革調のプライムスムースとダブルラッセルのコンビシートとなり、クオリティも高く触り心地も良いものです。
このSelectシリーズは対象ユーザーが女性であることから、4WDモデルだけでなくFFモデルにもシートヒーターが装備されているのが特徴となります。

エンジン・トランスミッション

トランスミッションはCVTのみの設定(Select Tourer・Select共通)

 (29376)

Select Tourerは660CC直列3気筒DOHCターボエンジン(64PS・10.6kgf・m)、Selectは660CC直列3気筒DOHCエンジン(58PS・6.6kgf・m)が搭載されていて、共に組み合わされるトランスミッションはCVTのみの設定となります。 試乗は街中でのコースだったので、SelectのNAエンジンでも加速力不足を感じることはありませんでした。
しかしSelect Tourerのターボエンジンに乗ってしまうと、やはりこちらかなという感じになります。 このターボエンジンは最大トルクを2600回転で発生するので、発進からの加速力についてNAエンジンとの大きな差があり、その体感上での加速力は街中においてはシビックに匹敵すると感じられるほどの加速力で、高速道路の巡行も普通にできるエンジンです。 価格差がSelectとSelect Tourerで100,440円ありますが、ターボエンジンの加速力は停止・発進の多い街中でこそ威力を発揮すると考えられますので、ここはターボエンジンを搭載するSelect Tourerをおすすめしたいですね。

サスペンション・乗り心地

試乗車に装着されていたタイヤは155/65R14 ヨコハマ ブルーアースA34(Select Tourer・Select共通)
 (29379)

サスペンション形式はSelect Tourer・Select共通のフロントがストラット、リヤがトーションビーム(FFモデル・4WD車はド・ディオン)となります。 Select TourerとSelectとの違いはSelect Tourerにはフロントにスタビライザーが装着され、ブレーキが通常のディスクブレーキからベンチレーテッドディスクにアップグレードされることです。 Select Tourerの足回りですが、サスペンションのセッティングが絶妙で乗り心地がイイですね。
大げさかもしれませんが、最近試乗した中では乗り心地が1番イイです。
操縦安定性はそこそこではありますがパワフルなターボエンジン搭載するにあたって必要な操縦安定性を確保しつつ乗り心地を確保している印象です。
試乗は主に街中でしたが、乗り心地はフラットで不整路面を走行していてもガツンの来るような突き上げは無く、車内は平和そのものです。信号交差点を曲がる時にもステアリング操作に対してフロントノーズが素直に操作した方向へ向き、スタビライザーの効果もあってかロールも少ないです。 SelectもSelect Tourerに似た印象ですが、フロントスタビライザーが無い影響なのか、フロント・リヤ共に少しバタつく印象があります。
N-ONEはNAモデルにはスタビライザー非装着車がありますが、乗り心地や操縦安定性に影響が出てしまうので是非全グレードにスタビライザーの装着をお願いしたいですね。

総括

今回のマイナーチェンジ実施時にカタログを見て、何となく一番バランスの取れているグレードは今回試乗したSelect Tourerかなと思いましたが、試乗してその通りだったので正直ビックリしています。 ダークブラウンカラーをアクセントに深化したスタイル、上質なインテリア、街中から高速まで安心して乗れるパワフルなエンジン、そしてフラットな乗り心地とほとんど不満は無く、価格は高いですが本当におすすめです。 気になる方は試乗車の配備は少ないですが是非試乗していただきたいですし、展示車はそこそこ配備されているようなので是非見に行っていただきたいと思います。
]]>

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です