日本では小型車メーカーとして有名なスズキ。実は昔からインドで事業を展開しており、日本では売っていない車種も多数あります。その中でも特にすごいのがディザイアというセダン。過去10年以上にわたって、インド最量販セダンになっているそうです。累計販売台数は190万台以上、月販平均は2万1,000台と、かなりの人気を誇っています。このディザイアというクルマ、一体どんなものなのでしょうか?
どんなクルマ?
スズキディザイアは、スズキのインド部門のマルチスズキが製造する、スイフトをベースにした小型4ドアセダンです。
現行モデルはスイフト等と共通の新プラットフォーム「ハーテクト」が採用され、軽量・高剛性のボディにより、優れた走行性能と低燃費を高いレベルで実現しています。
また、初代・2代目のディザイアはハッチバックのスイフトの後端を切り落とし、無理やりトランクをくっつけたようなデザインでしたが、3代目となる現行モデルはAピラー以降をほぼ全て専用設計とし、デザイン性・乗降性・空間効率を高めています。
エンジンは1.2LガソリンのK12Bと1.3LディーゼルのD13Aの2種類が用意され、どちらでも5速MTと5速AGS(オートギアシフト)を選ぶことができます。
スペック
全長×全幅×全高:3,995mm×1,735mm×1,515mm
ホイールベース:2,450mm
車重:860-895kg
最小回転半径:4.8m
エンジン:K12B型 1.2ℓ直4DOHC(仕向地により変更有)
排気量:1,197cc
最高出力:81ps/6,000rpm
最大トルク:11.5kg-m/4,200rpm
トランスミッション:5MT/5AMT
ブレーキ:前ベンチレーテッドディスク 後ドラム
サスペンション:前マクファーソンストラット式 後トーションビーム
燃費:22.0km/ℓ(MT/AMT)
ホイールベース:2,450mm
車重:860-895kg
最小回転半径:4.8m
エンジン:K12B型 1.2ℓ直4DOHC(仕向地により変更有)
排気量:1,197cc
最高出力:81ps/6,000rpm
最大トルク:11.5kg-m/4,200rpm
トランスミッション:5MT/5AMT
ブレーキ:前ベンチレーテッドディスク 後ドラム
サスペンション:前マクファーソンストラット式 後トーションビーム
燃費:22.0km/ℓ(MT/AMT)
ディーゼルエンジン
D13A型 直列4気筒DOHCディーゼルターボ
排気量:1,248cc
最高出力:73ps/4,000rpm
最大トルク:19.3kg-m/2,000rpm
燃費:28.4km/ℓ(MT/AMT)
排気量:1,248cc
最高出力:73ps/4,000rpm
最大トルク:19.3kg-m/2,000rpm
燃費:28.4km/ℓ(MT/AMT)
ざっと見たところ、サイズについては現行スイフトよりわずかに大きい感じがありますが、ほぼ同サイズと言っても差し支えない位です。
エンジンについても同様で、現行スイフトとほぼ同等ですがわずかにデチューンされているようです。
ここで一番興味深いのはディーゼルエンジンです。
このエンジンはスズキの自社開発ではなくフィアット製ですが、この1.3Lディーゼルは現地生産しているようです。
馬力は大した事ありませんが、1tを切る車重に19.3kg-m/2,000rpmのトルクは十分すぎる位です。燃費は28.4km/Lとなっていますが、長距離のみで測るとこの数字を越えそうな気がします。
基準値のクリアが難しいとが思いますが、このディーゼルエンジンはぜひとも国内仕様のスイフトに載せて欲しいものですね。
エクステリア・インテリア
スズキディザイアのエクステリアは、実によくまとまったものになっています。初代・2代目の無理やり感がある外見からは想像がつきません。
ベルトラインはゆるやかにキックアップしながら後ろへ続いており、全体として躍動的な印象を受けます。
Cピラーからリアフェンダー、リアバンパーだけを見ると、かつて国内で販売されていたキザシというセダンを彷彿とさせます。
小さいながらもしっかりとボリューム感を持たせた、実によく出来たデザインです。
インテリアに目を移すと、インパネ周りは現行スイフトとほぼ共通であることが分かります。
全体的に質素なイメージながらも、一枚のシルバーのパネルで生き生きとした印象を与えています。
一方、後部座席はセダンとしてしっかり作られています。
後部座席用のドリンクホルダー付きアームレスト、センターコンソール後端にエアコン吹出口と12Vソケットを装備するなど、ワンランク上の装備が奢られています。
節約するべきところはきっちりと抑え、必要な装備は惜しまず奢るといった姿勢があればこそ、インドでの輝かしい販売実績があったのだと思います。
まとめ
スズキディザイアは、小さいながらもセダンの基本をしっかりと捉えているクルマでした。インドでの過去10年間の最量販セダンとなった理由がよく分かります。
実に素晴らしいクルマではありますが、日本ではコンパクトセダンの需要があまりないため、日本に持ってきてもセールスは見込めないでしょう。
しかし、後席の快適装備や1.3Lディーゼルエンジンなどをスイフトに流用できれば、きっと素晴らしいクルマができるのではないかと思います。
難しいとは思いますが、ぜひ実現して欲しいものです。
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