NYで、スパで、F-1より速かった「ポルシェ919トリビュートツアー」始まる

2017年でWECから撤退したポルシェですが、「919ハイブリッド」の実力を証明するべく、「919トリビュートツアー」と名付けられたイベントで欧米を巡り、「ポルシェ919ハイブリッドEvo」にて各サーキットでデモランやタイムアタックを行います。

ニューヨークを「919ハイブリッドLMP1」が疾走した!

The 919tribute in New York City.

また、ニューヨークでは、このトリビュートツアーの一環として、「919ハイブリッドLMP1」が米ニューヨークの公道を走行するイベントが開催されました。「919ハイブリッドLMP1」は、レーシングカーなので、公道での走行は不可能なにですが、撮影用のために特別に許可を受けて走行したのでした。

昨年のF1の予選タイムを上回る

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そして、「ポルシェ919ハイブリッドEvo」にてスパ・フランコルシャンでタイムアタックし、昨年のF1の予選タイムを上回る速さを証明して見せました。34歳のスイス人、ニール・ジャニは、昨年のF1の予選タイムである、ルイス・ハミルトンがメルセデスF1によって叩き出した従来の記録を0.783秒短縮しました。

なぜこのようなチャレンジが必要だったのか?

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FIAは、WECとル・マン向けの技術レギュレーションを定めることで、アウディ、ポルシェ、トヨタからエントリーされたコンセプトが非常に異なるクラス1のル・マンハイブリッドプロトタイプの間で、熾烈な競争をもたらすことに成功しました。 そして、このレギュレーションの中、ポルシェは2015年~2017年に「ポルシェ919ハイブリッド」により、3年連続でル・マン24時間レースに優勝し、FIA世界耐久選手権(WEC)のマニュファクチュアラーズタイトルとドライバーズタイトルの両方を獲得しています。 しかし、「もし制限に縛られなかったとしたら、ポルシェ919ハイブリッドのポテンシャルはどれくらいなのか」という疑問に、今まで答えることができませんでした。そこで、今回のチャレンジが開始されたのです。

エンジニアの夢が叶ったラップ

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このプロジェクトを率いた、LMP1チーフレースエンジニアのスティーブン・マイタスは、「私たちは全員、ポルシェ919ハイブリッドがどれほど成功を収めようとも、その能力が完全には発揮されてこなかったことを知っていました。」 「実際、Evoバージョンも、十分には技術的ポテンシャルを発揮していません。今回は、リソースの制約はありましたが、レギュレーションの制限は受けませんでした。私たちがこの車につぎ込んだものによってF1の記録を破ることができ、非常に満足しています。」と述べています。

レコードカー「ポルシェ919ハイブリッドEvo」の改良点

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このレコードカー「ポルシェ919ハイブリッドEvo」は、2018年のWECに向けて準備されながら、2017年末に撤退が決まったため、レースでは試されなかった「919ハイブリッド」に、さらに、エアロダイナミクスに関して複数の変更点が加えられたマシンです。 この、「ポルシェ919ハイブリッドEvo」では、パワートレインのハードウェアには手を加えていませんが、コンパクトなターボチャージャー付2.0LV型4気筒エンジンに、2種類のエネルギー回生システム(フロントホイールのブレーキエネルギーと排気エネルギー)が採用され、WEC効率レギュレーションによる燃料の制限を取り払い、最新のソフトウェアを装備した結果、720PSを発生するV4エンジンを搭載します。

トータル1,160ps!

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さらに、2つの回生システムも制限がなくなることでフルブーストを利用することができ、回生エネルギーの出力は440PSへと10%増大し、トータル1,160psというパワーとなっています。また、エアコンディショナー、フロントウインドウワイパー、複数のセンサー、レースコントロール用の電子機器、ライトシステム、空気圧ジャッキシステムなど、高速で1周を走るのに必要ないものは、軽量化のために全て取り除かれています。 ポルシェ919ハイブリッドEvonoスペック
(カッコ内はWEC仕様の919ハイブリッド) 排気量: 2,000 cm3(V4エンジン)
最高出力: 内燃エンジン:720 PS、リアアクスル(< 500 PS)
MGU:440 PS、フロントアクスル(> 400 PS)
重量:849 kg(ドライバー体重を含め888 kg)
全長:5,078 mm(4,650 mm)
全幅:1,900 mm
全高:1,050 mm

まとめ

近年のモータースポーツは、WECに限らずレギュレーションによりその性能が抑えられています。それは、とびぬけた速さのマシンが独走するレースはショーとしての面白みに欠け、シリーズ全体の人気やスポンサー離れ、ひいては参加チームの減少を引き起こすことを避けるためと、コストの削減が求められたためです。 しかし、かつての何でもありの時代を知る者にとっては、メーカーや優れたデザイナーや技術者の実験場であったモータースポーツが懐かしくもあり、ポルシェの技術者たちの思いもわかるのです。自分たちの作り上げたマシンはこんなに凄いんだと叫びたくなったに違いありません。
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