三菱自動車は、コンパクトSUV「RVR」に予防安全技術「e-Assist」を全車標準装備化するなど一部改良を施し、9月6日(木)から販売を開始しました。なお、昨年10月に発売した特別仕様車「アクティブギア」は継続販売されます。
「RVR」の主な改良内容
今回の主な改良内容は、三菱の予防安全技術である「e-Assist」の衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM]、車線逸脱警報システム[LDW]、オートマチックハイビーム[AHB]を全車標準装備としたことです。(「G」、「ACTIVE GEAR」は従来から標準装備)また、後側方車両検知警報システム(レーンチェンジアシスト機能付)[BSW/LCA]、後退時車両検知警報システム[RCTA]を全車にメーカーオプション設定しています。
メーカー希望小売価格は2,104,920~2,541,240円、「ACTIVEGEAR」が2,520,720~2,757,240円となっています。
安全性能を高め、続々と登場する一部改良モデル
このところ、相次いで一部改良のニュースが続く国内の自動車メーカーですが、共通するのは大幅な改良ではなく、今回の「RVR」のように、安全性能を高めるというもの。新規に発売される新型車やフルモデルチェンジ、そして数年に一度のマイナーチェンジを待たずして、発売年度が古い車種にも、最新機種と同等の安全性能を持たせないとユーザーにそっぽを向かれるという現状に対応しているようです。
一部の採用にとどまった「RVR」
今回の「RVR」の改良では、衝突被害軽減ブレーキシステム、車線逸脱警報システム、オートマチックハイビームを全車標準装備したことは評価されますが、正直言ってまだだったのかという感想です。また、後側方車両検知警報システムと後退時車両検知警報システムが標準化されず、全車にメーカーオプション設定となっているのは残念。多少価格が上がっても、販売台数に響かない車種であるので、すべての装備を全車に装備してもらいたかった。
苦しい立場の「RVR」
三菱のSUVラインナップの中では、PHEVや3列シートを装備したの先進性で評価の高い「アウトランダー」や、久しぶりのニューモデルで話題性のある「エクリプスクロス」に挟まれた「RVR」。価格帯がそれら兄弟よりも安いこと以外に、ユーザーが購買欲を掻き立てる魅力に乏しいことは否めません。
それでもSUVの魅力は健在
2010年にデビューした現行モデルですが、プラットフォーム、クロスメンバーやなどを、当時の4ドアセダン、ギャランフォルティスのコンポーネンツを大幅に流用した経緯もあり、基本設計の古さは否めません。それでも、通常SUVのモデルサイクルとしては7.8年は短くはなく、走行性能自体は新型車に見劣りはせ
ず、ハードな4WD車としてまだまだ通用するはずの「RVR」は魅力的なSUVとして評価されています。
もう一度「RVR」を見てみると、2017年に大幅にフェイスチェンジを行ったことで、8年の歳月を感じさせないスタイリッシュな面構えとなっています。また、特別仕様車の「アクティブギア」は、多少盛りすぎな面もありますが、かなり意欲的な仕上がりで、「RVR」を選ぶならこれで決まりというモデルです。
しかし、近年の安全性能や運転支援システムの技術開発のスピードは速く、SUVであってもユーザーも基本性能以前にこれらの装備や機能で選択する時代となっています。SUVだから、古い設計だからでは許されないのです。この流れに追いつくためにスピード感ある対応で改良し続けないと、どんなに評価の高い車種でも淘汰されるでしょう。
まとめ
2018年にはフルモデルチェンジといううわさもありましたが、今回の改良で少なくとも日本国内においては当分は現行モデルの販売が続きそうです。
しかし、コンパクトSUVの需要が拡大する今、「エクリプスクロス」より小さくて安い価格のモデルは必要不可欠です。日産とのコラボなどもう朝されており、近いうちに新生「RVR」が登場するかも知れません。
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