英国ドライバー、Brexit実現後の高級車価格に卒倒間違い無し?

決定が妥当だったのかどうか、今や多くの英国人が考えているBrexit。ことドライバーに関しては、そうした思いが強いのではと思わされます。高級車のポルシェが、離脱後は10パーセントの値上げになるかもしれないと、カスタマーへ通知していたところへ、あのホンダの英国での生産停止決定。更には、「他のメーカーは、平均22パーセントの値上げになりそうだ」との追い打ち予測までかけられて・・・。

■フェイク・ニュースに非ず。ポルシェはカスタマーにメールで通知

合意無き離脱を巡り、頭を痛める英国のメイ首相

合意無き離脱を巡り、頭を痛める英国のメイ首相

そもそも、トップバッターとなったポルシェのケースが、色んな意味で衝撃的でした。こういう状況下では、根も葉もないフェイク・ニュースが飛び交って不安感を醸成しがちですけど、ポルシェの場合、英国内のカスタマーにメールで「Brexitが合意無き離脱という形を取った場合、弊社の自動車の価格が10パーセント上がる可能性がございます」と通知しています。つまり、確固たる出典のある、「根も葉もある衝撃的なニュース」として、Brexitのネガティブな将来を嫌でも感じさせる形となったのです。 アイリッシュ・タイムズ(2019年2月18日付け)では、ブルームバーグの配信記事を掲載してます。それによると、英国のBrexit予定日は3月29日ですが、その際に合意無き離脱となった場合、ポルシェは10パーセントの値上がりとなるだろうとしています。 この通知は、「予防策として、実際にそうなる前に計画を立てることは可能です」とも書かれています。平たく言えば、駆け込みセールスの誘いと取れなくもありません。ただ、受け取った側や、その周辺の人達の受けた衝撃は、察するに余りある。 ポルシェは、現在フォルクスワーゲンの傘下にあります。傘下企業としては、最も収益力のあるメーカーです。ただ、他の外国企業とは違って、英国国内に工場がありません。輸入は全て、EU諸国から。そして、ポルシェにとって英国は欧州屈指のお得意様なのです。 その英国で売れ筋のポルシェと言えば、マカンのコンパクトSUV。付加価値税(日本の消費税に相当)込みで4万6344ポンドからという価格帯なのですが、Brexit後には5万978ポンドになります。会社側としては、関税がかかる以上はやむを得ませんが、ファンとしては辛いでしょうね。

■ポルシェだけではなく、それ以外の高級車も22パーセント以上UP

なお、この記事では、フォードの警告も紹介しています。仮に合意無き離脱となった場合、7000人以上を雇用する自社の英国工場に悲惨な影響が出るだろうと、2月の第3週に釘を刺していたのです。 そんな折に、ホンダが2月19日に英国工場を閉鎖すると発表したものですから、同社がいくらBrexitとは関係無い決定だと主張したところで、英国人にしたら「だってフォードも言ってたし」と、結びつけて考えてしまうのは無理からぬところでしょう。 しかも、それ以外の高級車の値上げ幅は、もっと大きいだろうと予想されているのです。ドライバーにしたら、もう大衆車を買うしかない? そう報じるのは、自動車情報サイトのモータリング・サーチ(2月26日付け)。独立系自動車購入サイトCarwowの予測として、3月29日以降は、ボルボやBMW、メルセデス・ベンツ、アルファロメオ、フォルクスワーゲン、フィアット、アウディなどの外国車の価格が約22%高くなる可能性があるそうです。 特に凄そうなのが、マセラティ。今でも6万7000ポンドの費用がかかるのに、追加で1万4000ポンドが必要になりそうなのだとか。トータルで8万1000ポンド。為替は変動するものですが、日本円で1ポンドは147円ですから、約1200万円。ズシリと重たいですね。 ちなみに、日産やフォードの大衆車はというと、3パーセント前後の値上げだろうと予測しています。金持ちは、当面はこの辺でお茶を濁すしかないのかもしれません。なお、Brexit後に新車を買う予定がある人は7パーセントに過ぎないそうですから、自動車業界にしても怖い今後と言えそうです。

■まとめ:唯一笑いそうな会社がある。商売って、したたかさが大事

CarwowのHPより

CarwowのHPより

「英国の車好きな人にとって、全く良い話が無い」というのがBrexitというのが、今回のまとめかな・・・と思っていた筆者にとって、うーむ、凄いと思わされたのが、このCarwow。英国の自動車購入サイトとして、価格の比較が出来たりする便利なサービスを展開していたのですが、Brexitによる値上げ予測ツールを開発して、ドライバーに好感度売りをしているのです。 報じているのは、AMオンライン(2019年2月26日付け)。 Carwowのトレーディング&サプライオペレーションディレクターを務めるアレックス・ローズ氏は「Brexitで確実なことが1つある。自動車業界にとって事態が急速に改善されず、一般の人々が不安に感じているということだ。新車価格は大きく変動しているし、ドライバーに明確さを提示出来ればと思って、価格予測ツールを開発した」と答えています。 同社によると、8人に1人の英国人ドライバーは、買うなら今の内だと考えているそうですが、その後もある程度の予測が付くとなれば、ドライバーには朗報ですね。最低限、こういうサービスをいち早く展開したCarwowには、好印象を抱くでしょう。商売って、アイデアとスピード感が大事ですよね。つまるところ、したたかさとなりましょうか。 出典:
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