フォルクスワーゲンのゴルフを筆頭に、サブコンパクトのハッチバックは根強い人気を誇っています。ハッチバックは荷物も積めて、人も乗れるイイトコ取りのクルマですが、最近の新車はどうもお買い得感に欠ける気がします。筆者と同じ事を考えている方は、きっと初代SX4を気に入るはずです。
どんなクルマ?
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初代スズキSX4は、2006年7月に発売されました。
このクルマはどちらかと言うとヨーロッパでの販売を目的としたもので、フィアットとの共同開発によって生まれました。
デザインはあのジウジアーロ率いるイタルデザインによるもので、スポーティーコンパクトカーとSUVをクロスオーバーさせた、アクティブなものになっています。
現在はSUVとのクロスオーバーモデルはどのメーカーも出していますが、当時はまだ国内にはその概念がなく、先鞭をつけたモデルといってもよいでしょう。
エンジンは1.5Lと2.0Lで、トランスミッションはATのみ、FFと4WDの設定がありました。
ちなみにどのグレードでも車幅が1,700mmを超えるため、全車3ナンバーとなっていました。
幾度かのマイナーチェンジを行い、またスズキ車あるあるの「サロモンリミテッド」や「ヘリーハンセンリミテッド」などのアウトドアブランドとコラボした限定車も追加され、2014年10月まで販売されていました。
初代スズキSX4のここがイイ!!
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剛性感のあるボディの動き
初代SX4はWRCに出る前提で開発されたため、同クラスのハッチバックでは随一のボディ剛性の高さを誇ります。
このクルマを山道に持っていくと、剛性とは何かが一発で分かります。
コーナーを攻めても4つのタイヤがてんでばらばらに動くことはなく、サスペンションとショックがよく動いていることを感じ取る事ができます。
少し硬めのバネレートと相まって、気持ちよく山道を走る事の出来るクルマです。
1.5Lでもパワーは十分
1.5Lは110ps、2.0Lは145psを発揮しますが、普通の使い方であれば1.5Lエンジンでも十分です。
高速道路をよく走るという方には2.0Lをオススメしますが、通勤通学でたまにドライブという使い方なら1.5Lで十分事足ります。
シンプルで奇をてらわない
初代SX4は、デザインもインテリアもメカニズムもとてもシンプルにまとめられています。
大口を開けたようなラジエーターグリルのデザインや意図不明のボディーのライン、過保護なドライバーエイドなどを満載した現在のハッチバックに比べると、これは実に好ましいポイントです。
イタルデザインの洗練されたデザイン哲学と、質実剛健なスズキのクルマ作りがとても良い形で融合したクルマだと言えます。
それが証拠に、今改めて見てもさほど古臭さを感じさせません
初代スズキSX4のここはそうでもない…
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SUVルックの物足りなさ
今でこそクロスーバーは市民権を得ていますが、当時はまだ黎明期と言ってもよく、そこまで大胆なSUVルックは与えられませんでした。
ただ、方向性は間違っていないので、今そのデザインのモデルに乗っても特に不自然は感じません。
全体的な質感の低さ
初代SX4は、1.5Lクラスの視点で見ると特に問題はなく、まあこんなもんだろうとは思います。
しかし、2.0Lのクラスの視点で見ると、インテリアの質感ではライバルに劣ってしまいます。
2.0Lモデルのインテリアにはソフトパッドやメタル素材を用いるなどし、差別化を図っていれば良かったのにと感じました。
突き上げ感のある足回り
ボディ剛性が高いのはいいのですが、17インチタイヤを装備する「2.0S」に乗ると、荒れた路面での突き上げを感じます。
薄いタイヤなので仕方ないといえばそれまでですが、もう少しサスペンションを煮詰めれば更に楽しいクルマになったのではと思います。
まとめ
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初代SX4は、ヨーロッパテイストを内にも外にも持つスポーツハッチバックでした。
フィアットと共同開発することにより、和テイストというか「醤油くささ」が薄められ、とても洗練されたクルマになっています。
クルマに派手さを求めない人には、質実剛健な初代SX4は大変にオススメできます。
中古車市場の方は、タマ数はだいぶ少ないですが、国内ではあまり人気がなかったクルマなだけに価格は激安です。
走行2.6万kmの2.0Sが50万円少々で売られているので、買い得感はとても高めです。
走行4~6万kmの個体はたいてい50万万円以下の値札が付けられているので、あまり予算はないけど楽しいクルマが欲しいという方にはうってつけです。
たまには、このような虚飾を廃したクルマに乗ってみるのも悪くないものですよ?
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