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ダイハツ初の量産BEV、e-ハイゼット カーゴとe-アトレーの価格と航続距離

ダイハツが初の量産BEV「e-ハイゼット カーゴ」「e-アトレー」を2026年2月2日に発売しました。3グレードの価格、WLTCモード257kmの一充電走行距離、急速充電と給電、No.1表記の比較条件を発表の範囲で整理します。

ダイハツ初の量産BEV、e-ハイゼット カーゴとe-アトレーの価格と航続距離 - チビカのニュースカード

この記事は、ダイハツ工業株式会社が 2026/02/02に公表した発表を一次情報にしています。 価格・発売日・仕様は発表の表記をそのまま記録しています。

出典:ダイハツ、初の量産BEVとなる「e-ハイゼット カーゴ」、「e-アトレー」を発売(確認日 2026/02/02)

ダイハツ工業は、軽商用車「ハイゼット カーゴ」と「アトレー」をベースにしたバッテリーEV(BEV)、「e-ハイゼット カーゴ」と「e-アトレー」を2月2日から全国一斉に発売しました。発表の見出しには、ダイハツにとって初の量産BEVだと書かれています。メーカー希望小売価格(消費税込み)は、e-ハイゼット カーゴが3,146,000円、e-アトレーが3,465,000円で、一充電走行距離はWLTCモード(国土交通省審査値)で257kmです。

ただし、この257kmは試験条件での値で、発表自身が使い方によって大きく変わると注記しています。また発表に2回出てくる「No.1」は、脚注でそれぞれ比べる範囲が絞られています。この記事では、価格・走行距離・充電と給電・積載・生産の各項目を発表本文の表記のまま整理し、No.1表記の比較条件も脚注と合わせて確認します。発表に無い項目は推測で埋めず、「記載がありません」と書きます。

価格は3グレード。e-ハイゼット カーゴは2シーターと4シーターが同額

発表の価格表に載っているのは、e-ハイゼット カーゴの2グレードと、e-アトレーの1グレードです。駆動方式はいずれも2WDで、4WDの設定は価格表にありません。

車種 グレード 駆動 メーカー希望小売価格(消費税込み)
e-ハイゼット カーゴ 2シーター 2WD 3,146,000円
e-ハイゼット カーゴ 4シーター 2WD 3,146,000円
e-アトレー RS 2WD 3,465,000円

e-ハイゼット カーゴは、座席数の違う2グレードが同じ価格です。2シーターと4シーターで装備にどのような違いがあるのかは、発表本文には記載がありません。e-アトレーの乗車定員も、発表本文には記載がありません。

価格には注記が付いています。希望小売価格は参考価格で、実際の価格は販売会社が独自に定めること、保険料・税金(消費税を除く)・自動車リサイクル料金・登録等に伴う費用は別に必要になることの2点です。国や自治体の購入補助金については、発表には記載がありません。補助金を使える場合の支払額を知りたいときは、補助金の制度を運用している機関の案内を確認してください。

ダイハツ工業のニュースリリース「初の量産BEVとなるe-ハイゼット カーゴ、e-アトレーを発売」の冒頭部分
公式発表ページの引用キャプチャ。 この記事が価格・一充電走行距離・充電と給電の一次情報にしている、ダイハツ工業のニュースリリースの冒頭です。掲載内容は変更されることがあります。最新の内容はリンク先で確認してください。 確認日:2026-09-18。 出典:ダイハツ、初の量産BEVとなる「e-ハイゼット カーゴ」、「e-アトレー」を発売

2つの「No.1」は、比べている範囲が違う

発表には「No.1」という表記が2種類出てきます。どちらも脚注で比較の範囲が限定されているため、見出しの語だけを読むと範囲を取り違えます。

ひとつは一充電走行距離の「軽商用BEVバンNo.1」です。脚注では、電気自動車(BEV)のうち軽貨物自動車でNo.1だと限定しています。もうひとつは積載スペースの「軽キャブオーバーバンNo.1」で、対象はe-ハイゼット カーゴの4シーターです。こちらは、運転席の前方にエンジン(モーター)ルームを持たない車体構造の軽貨物自動車として、荷室長、荷室幅(4名乗車時)、荷室高でNo.1だとしています。

積載スペースのNo.1はBEVに限った比較ではありません。脚注の条件は車体構造だけで、動力の種類で絞っていないためです。逆に、走行距離のNo.1は軽貨物自動車のBEVに限った比較で、軽乗用車のBEVは比べる範囲に入っていません。

表記 対象 比較の範囲(脚注) 時点 同数値の車
軽商用BEVバンNo.1 一充電走行距離 BEVのうち軽貨物自動車 2026年2月現在・ダイハツ調べ 自社および他社にもあると記載
軽キャブオーバーバンNo.1 e-ハイゼット カーゴ 4シーターの荷室長・荷室幅(4名乗車時)・荷室高 運転席前方にエンジン(モーター)ルームを持たない車体構造の軽貨物自動車 2026年2月現在・ダイハツ調べ 自社および他社にもあると記載

どちらの脚注にも「自社および他社にも同数値の車があります」と書かれています。単独の首位ではなく、同じ値の車が他にもある中での最上位という意味です。発表は、同じ値を持つ車がどの車種なのかを挙げていません。当サイトも車種名を推測で補いません。

床下の薄型バッテリーと、後輪のe Axle

2車種に積まれているのは、新しく開発された軽自動車向けのBEVシステム「e-SMART ELECTRIC」です。発表によると、スズキ、ダイハツ、トヨタ自動車の3社が、小さなクルマづくりのノウハウと電動化技術を持ち寄って共同で開発しました。

構成は2つの部品に分けて説明されています。ひとつは、モーター・インバーター・減速機を一体にした「e Axle(イーアクスル)」で、これを後輪の駆動軸の上に載せています。もうひとつは床下に置いた薄型のバッテリーで、電池容量は36.6kWh、電池の種類には「リン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池」を採用しています。部品の配置とボディ・サスペンションを新しく設計し直したことで、室内のスペースを保ったまま大容量のバッテリーを積めたと発表は説明しています。

e-ハイゼット カーゴの構成を上から3層で示した図。荷室はベース車同等で最大積載量350kg、床下に36.6kWhのリン酸鉄リチウムイオン電池、後輪の駆動軸上にモーター・インバーター・減速機一体のe Axleを置き、それぞれが室内スペースの維持・低重心・後輪駆動の発進につながる
発表本文が説明している部品の配置を、荷室・床下・後輪の3層に分けた図です。各層の右側は、発表がその配置の効果として挙げている内容です。実車の形を描いたものではありません。出典:ダイハツ工業ニュースリリース(2026年2月2日発表)、確認日2026-09-18。

配置による効果として、発表は3つを挙げています。1つ目は重心の位置です。薄型バッテリーを床下に置いたことで従来のガソリン車よりも重心が低くなり、操縦安定性が上がって荷崩れの防止にもつながるとしています。2つ目は駆動方式で、後輪を駆動するため路面をつかむ力が高く、荷物を多く積んだときや坂道で力強く発進できるとしています。3つ目は車体で、BEV専用の骨格の補強によって車両の剛性を高め、リヤには新しく設計したトレーリングリンク車軸式コイルスプリングを採用しています。

走りについての説明は、モーターが走り始めから十分なトルクを出すこと、適度な回生ブレーキによって電費の向上と運転のしやすさを両立していることです。モーター出力やトルクの数値は、発表本文のテキストには含まれていませんでした。数値を知りたい場合は、ダイハツの公式ページの主要諸元を確認してください。

静かさについては、モーターだけで走ることにより、室内に加えて、早朝・深夜の走行や住宅街での頻繁な駐停車にも配慮した静粛性を実現したと書かれています。配送のように住宅街で何度も止まっては発進する使い方を、発表ははっきり想定しています。

充電と給電:入る電力と出す電力

充電についての具体的な数字は、急速充電の1つだけです。急速充電では、電欠ランプが点灯した状態から約50分で充電率80%になると書かれています。この時間には条件があり、バッテリー温度が25℃で、50kW出力の急速充電器を使った場合の値です。急速充電の受け口(インレット)は「CHAdeMO(チャデモ)」規格で、全車に標準で装備されています。

普通充電にかかる時間は、発表本文には記載がありません。事業所や自宅での夜間の充電を前提に使う場合は、販売会社か公式ページで普通充電の条件を確認する必要があります。

36.6kWhのバッテリーを中心に、入る電力として急速充電(電欠ランプ点灯から約50分で充電率80%、バッテリー温度25℃・50kW充電器の条件)と記載のない普通充電、出す電力として走行(WLTCモード257km)、AC100V・1500W以下のアクセサリーコンセント、非常時給電システム、別売機器が必要なV2Hを並べた図
バッテリーに入る電力(左)と、バッテリーから出ていく電力(右)を分けた図です。発表本文に数値が無い普通充電は「記載なし」として残しています。急速充電の時間は、図の中に書いた条件での値です。出典:ダイハツ工業ニュースリリース(2026年2月2日発表)、確認日2026-09-18。

バッテリーから外へ電気を出す機能は3つあります。1つ目はアクセサリーコンセントで、AC100Vで最大消費電力の合計が1500W以下の電気製品を使えます。2つ目は非常時給電システムです。3つ目はV2H(Vehicle to Home)で、V2H機器を使えば、車のバッテリーにためた電力を住まいへ供給できます。ただしV2H機器は別に購入する必要があると注記されています。

一充電走行距離257kmにも注記があります。定められた試験条件での値で、気象や渋滞などの使用環境、急発進やエアコンの使用などの運転方法によって大きく異なるとされています。WLTCモードは、市街地・郊外・高速道路の各走行モードを平均的な使用時間の配分で構成した国際的な走行モードです。1日の配送ルートを走り切れるかの目安にするときは、この注記を前提に読む必要があります

電力の消費を抑える装備として、LEDヘッドランプと、エネルギー効率の良いシートヒーター(運転席/助手席)も採用されています。

荷室と積載はベース車と同じ考え方

e-ハイゼット カーゴの最大積載量は350kgで、荷室のスペースはベース車と同等だとしています。バッテリーを床下に薄く収めたことで、ガソリン車と同じ荷室の使い方を残したという説明です。荷室には、使い勝手の良い30個の室内ユースフルナット、凹凸のないフラットな荷室の床面、アッパートレイ、オーバーヘッドシェルフなどを備えています。

荷室長・荷室幅・荷室高の具体的な寸法は、発表本文のテキストには含まれていませんでした。上の表のNo.1表記は順位を示すもので、寸法の値そのものではありません。荷物の大きさと照らし合わせるときは、公式ページの主要諸元で寸法を確認してください。

予防安全「スマートアシスト」の検知範囲

安全装備には、予防安全機能「スマートアシスト」を搭載しています。ステレオカメラの性能を上げ、より広い範囲を検知・認識できるようにしたと説明されています。発表に挙げられている衝突警報機能と衝突回避支援ブレーキ機能の対象は、車両と歩行者(昼夜)です。これに加えて、横断中の自転車、交差点を右折するときの対向の直進車、右左折するときに対向方向から横断してくる歩行者を認識できるとしています。

交差点での右左折が多い市街地の配送は、この検知範囲が関係する場面です。ただし、スマートアシストは運転を支援するための機能で、限界があり、路面や天候などの状況によっては作動しない場合があります。

e-アトレーは仕事にも私用にも使うモデル

e-アトレーは、仕事にもプライベートにも活用できるモデルとして設定されています。発表が挙げている違いは、ブラックの加飾とメッキを使った外装、黒を基調にした内装、そして両側パワースライドドアなど利便性の高い機能です。価格はe-アトレーのRSが3,465,000円で、e-ハイゼット カーゴの2グレードより高く設定されています。

BEVシステム、バッテリー容量、一充電走行距離について、発表は2車種を分けて書いていません。e-アトレーだけの最大積載量や乗車定員も、発表本文には記載がありません。2車種の違いとして発表から確かめられるのは、内外装の仕立てと装備、価格までです。

大分(中津)第1工場の既存ラインで生産し、販売目標は月間300台

2車種は、ダイハツ九州株式会社の大分(中津)第1工場で生産します。この工場が持つ軽乗用車・軽商用車・少量多品種の特装車の生産技術とノウハウを生かし、BEV専用の設備を入れずに、既存のラインでガソリン車の他車種と混流生産を実現したと発表は説明しています。

販売目標は月間300台(2車種合計)です。2車種の内訳は示されていません。

発表の冒頭では、ダイハツの軽商用車の歴史にも触れています。1957年発売の軽三輪車「ミゼット」以降、農林水産業・建設業・配送業などさまざまな業種で使われる軽商用車を作り続けてきたこと、1960年代には他社に先駆けて電気自動車を開発していたことです。物流のラストワンマイル(配送の最後の区間)を支える軽商用車の電動化への期待が高まっていることが、開発の背景として挙げられています。

この発表に書かれていないこと

発表本文から確認できなかったのは、次の項目です。普通充電にかかる時間、モーターの出力とトルク、荷室の寸法、e-アトレーの乗車定員と最大積載量、2シーターと4シーターの装備の違い、4WDの設定の有無(価格表は2WDのみ)、購入補助金の額、納期です。いずれも当サイトは推測や他の車種の値で補いません。

同じBEVシステムはスズキ、トヨタとの共同開発ですが、発表は他社がこのシステムをどの車種に使うかについて書いていません。他社の車の価格や性能をこの記事に持ち込むこともしません。

ダイハツの他の発表はダイハツ、各社の電動車の発表はEV・電動化にまとめています。車種ページはe-ハイゼット カーゴe-アトレーです。

出典

この記事は、ダイハツ工業が2026年2月2日に公表したニュースリリース「ダイハツ、初の量産BEVとなる「e-ハイゼット カーゴ」、「e-アトレー」を発売」を一次情報にしています。価格、一充電走行距離、電池容量、充電時間と条件、給電の条件、最大積載量、販売目標、生産工場の表記は発表のままです。表の中に置かれ、本文のテキストとして取得できなかった諸元の数値は転記していません。