この記事は、スズキ株式会社が 2026/08/28に公表した発表を一次情報にしています。 価格・発売日・仕様は発表の表記をそのまま記録しています。
出典:スズキ 2026年7月 四輪車生産・販売・輸出実績(確認日 2026/08/28)
スズキは2026年8月28日、2026年7月の四輪車の生産・販売・輸出実績を公表しました。7月の世界生産は352,167台、世界販売は324,006台で、資料にはどちらも「単月として過去最高」と記載されています。一方、日本からの輸出は17,879台、前年同月比98.4%で前年同月を下回りました。ひとつの発表の中で、伸びている指標と減っている指標が同時に並んでいます。
この記事では、公表資料に載っている台数、前年比の指数、資料が付けている注記だけを整理します。増減の理由や今後の見通しは資料に書かれていないため、当サイトでも書きません。
前年比は「%」ではなく指数の形で示されている
スズキの月次実績は、前年同月比を「120.1」のような数字で示します。前年同月を100としたときの水準で、100を超えていれば前年同月を上回った、下回っていれば前年割れという読み方になります。増減率そのものではないので、この数字を「何%増えた」と書き換えると資料の表記から離れます。当サイトでは資料の表記のまま扱います。
表にはもうひとつ、前年同月比の推移を示す欄があります。世界生産の「11カ月連続増」、輸出の「5カ月ぶり減」のように、前年同月を上回る(下回る)状態がどれだけ続いているかを表す欄です。単月の水準と、その状態が続いている期間を、同じ行で確認できる作りになっています。
末尾には「記載の数値は速報値です」と注記されています。確定値ではないため、後から改定されることがあります。この台数を引用するときは、速報値であることと発表日を必ず添えてください。
世界生産352,167台は海外生産の増加がけん引
7月の世界生産は352,167台、前年同月比120.1%で、推移欄は11カ月連続増です。内訳は日本生産が85,178台(101.0%、3カ月連続増)、海外生産合計が266,989台(127.8%、11カ月連続増)となっています。
海外生産の内訳は、インドが248,780台(133.0%、11カ月連続増)、その他が18,209台(83.6%、4カ月ぶり減)です。海外生産の大部分をインドが占め、インド以外は前年同月を下回りました。同じ「海外」という区分でも、インドとそれ以外で向きが逆になっています。
資料には、世界生産と海外生産のいずれも単月として過去最高になり、その要因は海外生産、さらにその中のインドの増加であるというコメントが付いています。日本生産については「輸出向けが増加し、前年同月実績を上回った」と書かれています。
注記によると、日本生産は完成車生産台数(OEM含む)とCKD生産台数の合計、海外生産は日本からのCKDを除く現地生産台数です。CKDは部品の状態で送り、現地で組み立てる方式を指します。日本生産と海外生産では数えている対象が違うため、2つの台数を単純に足し引きした数から意味を読み取ることはできません。
| 区分 | 2026年7月 | 前年同月比 | 前年同月比推移 |
|---|---|---|---|
| 世界生産 | 352,167台 | 120.1% | 11カ月連続増 |
| 日本生産 | 85,178台 | 101.0% | 3カ月連続増 |
| 海外生産合計 | 266,989台 | 127.8% | 11カ月連続増 |
| うちインド | 248,780台 | 133.0% | 11カ月連続増 |
| うちその他 | 18,209台 | 83.6% | 4カ月ぶり減 |
日本国内は軽四輪車が減り、登録車が伸びた
7月の日本販売合計は61,100台、前年同月比101.9%(2カ月連続増)です。内訳は軽四輪車が46,522台(97.9%、2カ月ぶり減)、登録車が14,578台(117.1%、16カ月連続増)となっています。
台数では軽四輪車が大きな部分を占めますが、前年同月比では軽四輪車が100を下回り、登録車が上回りました。資料は「軽四輪車は減少したが、7月として過去最高となった登録車が牽引し、前年同月実績を上回った」と説明しています。日本販売合計が前年同月を上回った月でも、軽四輪車だけを取り出すと前年割れという並びです。
登録車には16カ月連続増という推移が付いています。単月の水準だけを見ると1か月かぎりの動きなのか判断できませんが、推移欄まで合わせて見ると、上回っている状態が続いているのかどうかを確認できます。
| 区分 | 2026年7月 | 前年同月比 | 前年同月比推移 |
|---|---|---|---|
| 日本販売合計 | 61,100台 | 101.9% | 2カ月連続増 |
| うち軽四輪車 | 46,522台 | 97.9% | 2カ月ぶり減 |
| うち登録車 | 14,578台 | 117.1% | 16カ月連続増 |
海外販売はインドが200,123台
7月の世界販売は324,006台、前年同月比125.7%(10カ月連続増)です。日本販売合計61,100台に対し、海外販売合計は262,906台(132.9%、10カ月連続増)となっています。
海外販売の内訳は、インドが200,123台(142.4%、10カ月連続増)、その他が62,783台(109.6%、8カ月連続増)です。生産では前年同月を下回っていた「その他」も、販売では前年同月を上回りました。生産と販売で「その他」の向きが違うため、どちらの表を見ているのかを取り違えないでください。
インドの数字には「インド国内卸販売台数」という注記が付いています。卸販売は、メーカーから販売店へ引き渡された段階で数える指標です。日本の販売台数のように利用者へ渡った段階を数えたものとは集計の時点が違うので、同じ性質の数字として横に並べることはできません。
| 区分 | 2026年7月 | 前年同月比 | 前年同月比推移 |
|---|---|---|---|
| 世界販売 | 324,006台 | 125.7% | 10カ月連続増 |
| 日本販売合計 | 61,100台 | 101.9% | 2カ月連続増 |
| 海外販売合計 | 262,906台 | 132.9% | 10カ月連続増 |
| うちインド | 200,123台 | 142.4% | 10カ月連続増 |
| うちその他 | 62,783台 | 109.6% | 8カ月連続増 |
輸出は5カ月ぶりに前年同月を下回った
7月の輸出合計は17,879台、前年同月比98.4%で、推移欄は5カ月ぶり減です。資料のコメントは「完成車輸出が減少し、前年同月実績を下回った」としています。注記によると、輸出台数は日本からの完成車輸出台数とCKD輸出台数の合計です。
生産の側では、日本生産が前年同月を上回った理由として輸出向けの増加が挙げられています。輸出の実績は前年割れなので、同じ月の資料の中で説明の向きが分かれて見えますが、生産と輸出は数える時点が違います。生産した月と、船積みして輸出として計上される月がそろうとは限らないためです。資料はこの点について追加の説明を載せていません。
累計で見ると向きが変わります。暦年の1~7月では輸出合計が127,232台、前年同期比119.7%、2026年度(4~7月)では71,443台、112.8%です。単月では前年を下回った一方、どちらの累計も前年同期を上回っています。
暦年累計と年度累計は期間が違う
この資料には、7月単月に加えて2つの累計が並んでいます。ひとつは暦年の1~7月、もうひとつは2026年度の4~7月です。同じ表の中に期間の違う数字が入っているため、引用するときはどちらの期間の値かを確かめてください。集計の始まりが3か月ずれるので、両者を混ぜると比較にならなくなります。
暦年累計は、世界生産が2,238,752台(前年同期比115.2%)、日本生産が569,972台(104.7%)、海外生産合計が1,668,780台(119.2%)で、海外の内訳はインドが1,547,587台(121.0%)、その他が121,193台(100.6%)です。販売は、世界販売が2,123,796台(112.4%)、日本販売合計が433,205台(99.1%)、海外販売合計が1,690,591台(116.4%)となっています。日本販売合計は7月単月では前年を上回りましたが、暦年累計では100を下回っています。
年度累計は、世界生産が1,260,197台(117.2%)、日本生産が322,203台(102.1%)、海外生産合計が937,994台(123.5%)です。販売は、世界販売が1,221,462台(120.7%)、日本販売合計が236,111台(99.9%)、海外販売合計が985,351台(127.0%)で、海外の内訳はインドが734,930台(135.4%)、その他が250,421台(107.4%)です。日本販売合計は年度累計でも100を下回りました。日本国内だけを見るか、世界全体で見るかで、この資料の印象は大きく変わります。
| 区分 | 暦年累計(1~7月) | 前年同期比 | 年度累計(4~7月) | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 世界生産 | 2,238,752台 | 115.2% | 1,260,197台 | 117.2% |
| 日本生産 | 569,972台 | 104.7% | 322,203台 | 102.1% |
| 海外生産合計 | 1,668,780台 | 119.2% | 937,994台 | 123.5% |
| 世界販売 | 2,123,796台 | 112.4% | 1,221,462台 | 120.7% |
| 日本販売合計 | 433,205台 | 99.1% | 236,111台 | 99.9% |
| 海外販売合計 | 1,690,591台 | 116.4% | 985,351台 | 127.0% |
| 輸出合計 | 127,232台 | 119.7% | 71,443台 | 112.8% |
日本販売合計の内訳も、両方の累計に載っています。暦年累計は軽四輪車が327,657台(95.0%)、登録車が105,548台(114.3%)、年度累計は軽四輪車が179,578台(97.1%)、登録車が56,533台(110.3%)です。単月で見たときと同じく、累計でも軽四輪車と登録車は逆の向きになっています。
この発表に書かれていないこと
車種ごとの台数は含まれていません。国内で好調な車種があったのかどうか、どのモデルが何台売れたのかは、この資料からは確認できません。四輪車以外の二輪車・マリン・電動車いすなどの実績も対象外です。
海外の「その他」に含まれる国と地域の内訳、インド以外の生産拠点別の台数、受注や在庫の状況、今後の生産計画についても記載がありません。生産と販売の台数から在庫を計算することもできません。対象と時点が違う数字だからです。
日本国内で軽四輪車が前年同月を下回った理由、登録車が伸びた理由の分析も、この資料の範囲外です。当サイトは、発表に書かれていない項目を推測や他社の資料で埋めません。背景を知りたい場合は、スズキの決算資料など別の一次情報にあたってください。
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出典
この記事は、スズキが2026年8月28日に公表した「スズキ 2026年7月 四輪車生産・販売・輸出実績」を一次情報にしています。台数、前年比、前年同月比推移、注記の表記は公表資料のままです。数値は速報値として公表されたものです。