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一括査定に入力した個人情報はどこへ渡る?同意と4つの経路

一括査定の申込で入力した個人データが外へ出る経路は、本人の同意、委託、共同利用、オプトアウトの4つに分かれます。個人情報保護法と個人情報保護委員会の公表制度で確認できた範囲で、申込前に読む場所と、渡ったあとに本人が出せる請求を整理します。

一括査定に入力した個人情報はどこへ渡る?同意と4つの経路 - チビカのニュースカード

一括査定の申込画面で送信を押したときに動くのは、車ではなく入力した情報です。氏名、電話番号、メールアドレス、住んでいる地域、車種、年式、走行距離が、その申込を受けた事業者から別の会社へ渡ります。

ここで見落としやすいのは、渡り方が1種類ではないことです。個人情報の保護に関する法律は、個人データが外へ出るときの要件を複数の形で定めていて、どの形に当たるかによって、本人の同意が必要かどうかも、本人があとから何を請求できるかも変わります。「同意しました」のチェックを入れたかどうかだけでは決まりません。

この記事は、申込内容が外へ出る経路を条文ごとに分け、申し込む前に読める場所と、渡ったあとに本人の側から出せる請求を整理します。扱うのは、個人情報の保護に関する法律と同施行規則の条文、個人情報保護委員会が公表している制度で確認できた範囲だけです。どの一括査定サービスがどの経路を使っているか、提携先が何社あるかは、当サイトで確認できる一次情報を持っていないため書きません。

申し込んだあとに各社から連絡が来る流れと、連絡を止めたいときに言う相手は一括査定の仕組みで扱いました。この記事は、その手前と後ろで動く情報そのものの扱いに絞ります。

複数社へ渡ることは、申込の前提として扱われている

まず前提の確認です。国民生活センターは、中古自動車の売却トラブルについての公表資料「増加する中古自動車の売却トラブル-強引な勧誘やキャンセル妨害も-」で、消費者へのアドバイスとして「査定サイトに書き込んだ情報で、複数社から勧誘されることがあります。」と示しています。情報が複数の相手に渡ることは、この仕組みに付随して起きるものとして国の相談機関も注意点に挙げているということです。

そうすると、申し込む側が確かめるべき点は「渡るかどうか」ではなく「どういう根拠で、どこまで渡るのか」に移ります。その根拠を定めているのが個人情報の保護に関する法律です。第27条第1項は「個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。」と定めています。原則は、あらかじめ本人の同意を得ることです。

ただし条文は、同意を得た提供のほかにも、同意なしで提供できる形や、そもそも第三者への提供として扱わない形を置いています。申込画面に並ぶ説明文が読みにくいのは、この複数の経路が1つの同意文にまとめて書かれていることが多いためです。経路を分けて読めるようになると、どこを探せばよいかが決まります。

一括査定の申込フォームに入力した個人データが外へ出る経路を、本人の同意、委託に伴う提供、共同利用、オプトアウトの4つに分け、根拠条文と要件を並べた関係図
同じ「情報が渡る」でも、根拠になる条文が違います。①は同意が要る経路、②から④は同意以外の要件で定められた経路です。出典:個人情報の保護に関する法律 第27条(確認日 2026-11-06)

同意のほかに、条文が置いている3つの経路

同意にもとづく提供のほかに、申込内容が外へ出る形が3つあります。順に条文を見ます。

1つ目は委託です。第27条第5項第1号は「個人情報取扱事業者が利用目的の達成に必要な範囲内において個人データの取扱いの全部又は一部を委託することに伴って当該個人データが提供される場合」を挙げ、この場合の提供先は第三者に当たらないものとして扱われます。たとえば、申込を受けた事業者が自社の業務の一部を外部に任せていて、そこへ情報が渡るような形がこれに当たります。本人の同意を取る対象にはなりませんが、委託できるのは利用目的の達成に必要な範囲内です。

2つ目は共同利用です。第27条第5項第3号は「特定の者との間で共同して利用される個人データが当該特定の者に提供される場合」について、共同して利用される個人データの項目、共同して利用する者の範囲、利用する者の利用目的、当該個人データの管理について責任を有する者の氏名または名称と住所などを、あらかじめ本人に通知し、または本人が容易に知り得る状態に置いていることを条件にしています。項目と範囲と責任者が示されていることが条件になっている点が、読む側の手掛かりです。

3つ目がオプトアウトです。第27条第2項は、第三者に提供される個人データについて本人の求めに応じて提供を停止することとしている場合であって、定められた事項を「あらかじめ、本人に通知し、又は本人が容易に知り得る状態に置くとともに、個人情報保護委員会に届け出たときは、前項の規定にかかわらず、当該個人データを第三者に提供することができる。」と定めています。つまり、届出と公表という手続を踏んだうえで、本人の同意なしに提供できる形です。

この3つは、どれも「同意していないのに渡っている」という状態と必ずしも一致しません。条文が要件を定めていて、その要件を満たしているかどうかが問題になります。だから確認する場所も、同意文のチェック欄ではなく、事業者が公表している事項のほうになります。

オプトアウトは、届け出た事業者を一覧で確かめられる

オプトアウトの経路には、ほかの経路にない特徴があります。届出先が個人情報保護委員会で、届出の内容が公表されるため、外から確認できることです。

委員会は「オプトアウト規定による第三者提供の届出」のページで制度を案内し、届出書を検索できるページを用意しています。検索ページは「オプトアウト届出書検索(改正個人情報保護法)」という名前で、検索条件として届出者の氏名または名称、法人番号、個人または法人等の別、届出番号、届出日が置かれています。ページには「検索条件を指定し、参照したい届出書を検索してください。各届出書に関するお問い合わせは、届出書を提出した事業者へお問い合わせください。」と案内されています。

使い方は単純です。申込先の運営会社名や、連絡してきた買取会社の名前で検索します。見つかれば、その事業者がオプトアウトの届出をしていることが確認できます。見つからない場合は、オプトアウトの届出が確認できなかったという事実が分かるだけで、違法だと決めつける材料にはなりません。同意にもとづく提供や委託という別の経路を使っている可能性があるためです。

個人情報保護委員会のオプトアウト届出書検索ページ。届出者の氏名または名称、法人番号、届出番号、届出日などの検索条件が並んでいる
届出書を名称や法人番号から検索できる画面です。届出の有無を本人の側から確かめられる公的な入口にあたります。出典:個人情報保護委員会「オプトアウト届出書検索(改正個人情報保護法)」(確認日 2026-11-06)

申し込む前に読む場所は、条文で決まっている

プライバシーポリシーをどこから読めばよいか迷うのは、どこに何が書いてあるべきかを知らないままページを開くからです。法第32条第1項は、保有個人データに関して次に掲げる事項について「本人の知り得る状態(本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含む。)に置かなければならない」と定め、4つの事項を挙げています。探す対象はこの4つです。

法第32条第1項の号 条文が挙げている事項 申込前に見ておくと分かること
第1号 当該個人情報取扱事業者の氏名または名称および住所、法人にあってはその代表者の氏名 申込を受けているのがどの会社か
第2号 全ての保有個人データの利用目的(第21条第4項第1号から第3号までに該当する場合を除く) 入力内容が何のために使われるのか
第3号 利用目的の通知の求め、開示・訂正・利用停止等の請求に応じる手続 請求したいときの窓口と手順
第4号 前3号のほか、保有個人データの適正な取扱いの確保に関し必要な事項として政令で定めるもの 政令で加えられている事項

第2号の利用目的は、同意文よりも先に読む価値があります。利用目的が提携事業者への提供まで含んでいるのか、自社での連絡に限られているのかで、そのあとに起きることが変わります。なお第32条第2項には、本人が利用目的の通知を求められる仕組みが置かれています。公表されている内容で足りなければ、求めることができます。

第3号は、請求の窓口と手続です。ここを申し込む前に見ておくと、あとで連絡先を探す手間がなくなります。申込のキャンセルと情報の扱いは相手が分かれるため、窓口の記載を先に確認しておくほうが早く動けます。

渡った先は「第三者提供記録」として残る

ここからは、申し込んだあとの話です。個人データを第三者に提供したとき、提供した側には記録を作る義務があります。第29条第1項は、個人データを第三者に提供したときは「当該個人データを提供した年月日、当該第三者の氏名又は名称その他の個人情報保護委員会規則で定める事項に関する記録を作成しなければならない。」と定めています。いつ、どこへ渡したかが記録として残るということです。

受け取る側にも手続があります。第30条第1項は、第三者から個人データの提供を受けるに際しては、規則で定めるところにより定められた事項の確認を行わなければならないとしています。渡す側と受け取る側の両方に手続が置かれている形です。

記録は永久に残るものではありません。保存期間は個人情報の保護に関する法律施行規則第21条第1項が定めていて、記録の作成方法によって3つに分かれます。契約書などで記録に代える方法で作成した場合は最後にその個人データの提供を行った日から起算して1年を経過する日までの間、一括して記録を作成する方法の場合は最後に提供を行った日から起算して3年を経過する日までの間、それ以外の場合は3年です。

個人データを提供した日を起算点として、提供の記録の作成、受領側の確認、原則3年の保存期間の満了までを並べ、その期間中は本人が第三者提供記録の開示を請求できることを示したタイムライン
保存期間の起算点は、提供した日です。記録が残っている間は本人から開示を請求できます。出典:個人情報の保護に関する法律 第29条・第30条・第33条/同施行規則 第21条(確認日 2026-11-06)

この記録には、本人から開示を請求できます。第33条第5項は、同条第1項から第3項までの規定を、本人が識別される個人データに係る第29条第1項および第30条第3項の記録について準用すると定め、これを「第三者提供記録」と呼んでいます。存否が明らかになることにより公益その他の利益が害されるものとして政令で定めるものは除かれます。

読者にとっての意味は具体的です。どこへ渡ったのかを推測で考えるのではなく、請求して確かめる道があるということです。ただし保存期間が切れた記録は残っていないため、知りたい場合は早いほうが確実です。

本人から出せる請求は、目的ごとに条文が違う

請求にはいくつかの種類があり、それぞれ別の条文に置かれています。何をしたいのかを決めてから条文を選ぶほうが、問い合わせが短く済みます。

やりたいこと 請求の種類 根拠 条文上の条件
利用目的を知りたい 利用目的の通知を求める 法第32条第2項 公表されている事項で足りないとき
持たれている内容を知りたい 保有個人データの開示 法第33条第1項 電磁的記録の提供による方法などから選べる
どこへ渡ったかを知りたい 第三者提供記録の開示 法第33条第5項 記録が保存されている間に請求する
内容の誤りを直したい 訂正、追加または削除 法第34条 内容が事実でないとき
違反した取扱いを止めたい 利用の停止または消去 法第35条第1項 第18条・第19条違反、または第20条違反の取得
同意していない提供を止めたい 第三者への提供の停止 法第35条第3項 第27条第1項または第28条に違反した提供
もう使う必要がないはずだ 利用停止等または提供の停止 法第35条第5項 利用する必要がなくなった場合など

第35条の読み方には注意が要ります。第1項は「当該本人が識別される保有個人データが第十八条若しくは第十九条の規定に違反して取り扱われているとき、又は第二十条の規定に違反して取得されたものであるとき」と条件を置いています。第3項も、第27条第1項または第28条の規定に違反して第三者に提供されているときという条件付きです。つまり、気が変わったから消してほしいという理由だけでは、この2つの条項には乗りません。

いっぽう第5項は幅が広く取られています。保有個人データを「当該個人情報取扱事業者が利用する必要がなくなった場合」、第26条第1項本文に規定する事態が生じた場合、その他「当該本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合」に、利用停止等または第三者への提供の停止を請求できるとしています。売却をやめた、別の方法で売った、という状況なら、まず読む条項はここです。

費用についても条文があります。第38条第1項は、第32条第2項の利用目的の通知を求められたとき、または第33条第1項の開示の請求を受けたときに「当該措置の実施に関し、手数料を徴収することができる。」としています。無料とは書かれていません。手数料の有無と額は、第32条第1項第3号で示されている手続のところに書かれていることがあります。

請求とは別に、苦情として伝える道もあります。第40条第1項は「個人情報取扱事業者は、個人情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければならない。」と定めています。条文は努力義務の形ですが、伝えたことに対して処理に努めることが求められている点は制度上の裏付けです。

申し込んだあとにやりたいことで請求の種類が分かれることを示した判断フロー。渡った先を知りたい場合は第三者提供記録の開示、内容を知りたい場合は保有個人データの開示、同意していない提供を止めたい場合は提供の停止、必要がなくなった場合は利用停止等を選ぶ
やりたいことを1つ決めてから条文を選びます。手続は第32条第1項第3号により本人の知り得る状態に置かれています。出典:個人情報の保護に関する法律 第32条・第33条・第35条・第38条(確認日 2026-11-06)

一括査定を比べる材料として、ここまでで使えること

一括査定のサービスを横に並べるとき、金額の期待値は比較の材料になりません。金額は車の状態と、その時点でその車を求めている買い手があるかどうかで決まるためです。いっぽう、ここまでに出てきた項目は申し込む前に自分で確認できます。

申込前に確認する項目 確認する場所
申込を受けている事業者の名称と住所、代表者の氏名 公表されている事項(法第32条第1項第1号)
入力内容の利用目的に提携先への提供が含まれるか 公表されている事項(同項第2号)
開示や利用停止等の請求に応じる手続と窓口 公表されている事項(同項第3号)
共同利用の項目、範囲、責任者が示されているか 申込画面または公表されている事項
オプトアウトの届出をしているか 個人情報保護委員会の届出書検索
手数料の有無と額 請求の手続が書かれている箇所

当サイトは、個人向けの一括査定サービスについて、提携社数、提供先の事業者名、どの経路で提供しているかを事業者ごとに集めた検証済みのデータを持っていません。そのため、一括査定サービスを並べた順位やおすすめは作りません。編集部が付けた点数で並べた順位は、読者が同じ順位を再現できないためです。並べ方の基準は編集方針に記載しています。

事業者そのものの確認は、別の枠組みで行えます。買取を行う会社の許可の表示や、会社そのものの照合は車買取業者の比較で扱いました。入力だけで概算が出る形の査定で何が決まるのかは車のオンライン査定で扱っています。

この記事で確認できなかったこと

確認できなかった点を残します。どの一括査定サービスが、どの経路で、何社へ情報を渡しているかは、公表されている一次情報を当サイトで確認できていません。提供先の社名も同じです。個々の事業者が公表している事項が条文の要件を満たしているかどうかの判断も、当サイトでは行いません。本文に出した条文と引用は、上記の一次情報の表記にもとづくもので、確認日は2026年11月6日です。

よくある質問

一括査定に申し込むと、入力した情報は必ず複数社へ渡りますか

当サイトは、サービスごとの提供先の社数を確認できる一次情報を持っていないため、必ず渡るとは書きません。国民生活センターは、査定サイトに書き込んだ情報で複数社から勧誘されることがあると注意を示しています。渡る範囲は、公表されている利用目的と同意を求められた範囲から読み取ることになります。

同意していないのに情報が渡っていることはありますか

条文は、同意によらずに提供できる形を定めています。委託に伴う提供(法第27条第5項第1号)、共同利用(同項第3号)、オプトアウト(法第27条第2項)がこれにあたります。要件を満たしていれば、同意なしの提供がただちに違反になるわけではありません。

どこへ渡ったのかを確かめる方法はありますか

第三者提供記録の開示を請求する方法があります。法第33条第5項が、第29条第1項および第30条第3項の記録について開示の規定を準用しています。記録には提供した年月日と提供先の氏名または名称などが含まれます。保存期間は施行規則第21条第1項で定められていて、それ以外の場合は3年です。

消してほしいと言えば消えますか

条文には条件があります。法第35条第1項は第18条・第19条に違反した取扱い、または第20条に違反した取得を条件にしています。第5項は、利用する必要がなくなった場合や本人の権利または正当な利益が害されるおそれがある場合を挙げています。どの条項に当たるかによって、請求できる内容が変わります。

開示を請求すると費用がかかりますか

かかる場合があります。法第38条第1項は、利用目的の通知を求められたときまたは開示の請求を受けたときに手数料を徴収することができると定めています。実際の有無と額は、各事業者が公表している請求の手続のところで確認します。

電話を止めたいときも、この請求を使うのですか

連絡そのものを止めたい場合は、まず申し込んだ先と、連絡してきた買取事業者へ伝える段があります。相手の分け方と業界団体のルールは一括査定の仕組みで扱いました。個人情報保護法の請求は、情報の扱いそのものを動かすための手段です。

まとめ

  • 個人データの第三者提供は、あらかじめ本人の同意を得ることが原則(法第27条第1項)
  • 同意以外の経路として、委託に伴う提供、共同利用、オプトアウトが条文に置かれている
  • オプトアウトは個人情報保護委員会への届出が要件で、届出書は委員会の検索ページから確認できる
  • 申し込む前に読むのは、法第32条第1項が挙げる4つの事項。利用目的と請求の手続はここに出ている
  • 提供した側は、提供した年月日と提供先の氏名または名称などを記録する(法第29条第1項)
  • 記録の保存期間は作成方法で分かれ、それ以外の場合は3年(施行規則第21条第1項)
  • 第三者提供記録には開示を請求できる(法第33条第5項)。保存期間が切れた記録は残っていない
  • 利用停止や提供の停止には条文ごとの条件があり、法第35条第5項がいちばん幅の広い条項

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