車の売却は、思いつきで始めると途中で止まります。書類の取得に日数がかかったり、名義変更の期限を過ぎたりするためです。先に全体の順番を把握しておくと、どこで時間がかかるかが分かります。
このページでは、売却を6段階に分け、各段階で決めること・用意するもの・確認することを整理します。
先に結論:時間がかかるのは「書類の準備」と「入金」です。査定や契約そのものは短時間で終わります。
3分で分かる要点
| 段階 | やること |
|---|---|
| 1. 準備 | 車検証の所有者欄を確認し、必要書類を洗い出す |
| 2. 査定 | 実車を見せて金額の提示を受ける |
| 3. 契約 | 金額・引き渡し日・入金日を書面で確認する |
| 4. 引き渡し | 車、鍵、書類、付属品を渡す |
| 5. 入金 | 契約書に書かれた期日に振り込まれる |
| 6. 名義変更 | 新所有者が15日以内に申請する(道路運送車両法第13条) |
1. 準備:最初に見るのは車検証
最初に確認するのは、車検証の所有者欄です。ここが自分の名前になっていれば、そのまま売却を進められます。ローン会社や販売店の名前になっている場合は、所有権留保といって、先に所有者の同意や手続きが必要です。ローン中の車売却で扱います。
軽自動車の場合も同じです。軽自動車検査協会の案内では、車検証に記録された使用者と所有者が異なる場合、あらかじめ所有者(販売店やローン会社など)の同意を得たうえで手続きを行う必要があると説明されています。
この段階で、必要書類のうち取得に日数がかかるものを先に洗い出します。印鑑登録証明書のように役所へ行く必要があるものは、早めに動くほど後が楽になります。
2. 査定:金額の根拠を聞く
査定では、車を実際に見て金額が提示されます。走行距離、年式、外装と内装の状態、修復歴の有無、装備などが見られます。詳しくは車査定では何を見るで扱います。
このとき、金額の有効期限を必ず確認してください。中古車の相場は動くため、提示額に期限が設けられることがあります。期限を知らずに比較していると、最初の提示が無効になっていることがあります。
3. 契約:書面で確認する4項目
金額に合意したら契約です。ここで書面に書かれているかを確認する項目は4つあります。
ひとつ、売却金額。ふたつ、引き渡しの日。みっつ、入金の日と方法。よっつ、契約後に金額が変わる条件があるかです。4つ目は特に重要で、引き渡し後の再検査で減額される取り決めになっている場合があります。
契約時には本人確認が行われます。古物商は買い受ける際、相手方の住所・氏名・職業・年齢を確認するなどの措置を取ることが古物営業法第15条で義務づけられているためです。
4. 引き渡し:渡すものを一覧にする
車本体のほか、鍵(スペアを含む)、車検証、自賠責保険証明書、リサイクル券などを渡します。取扱説明書や純正部品、記録簿がそろっていると、状態の確認材料になります。
渡す前に、車内の私物と、ETCカードや駐車場の登録などを片づけてください。 引き渡し後に取りに戻るのは手間がかかります。
5. 入金:期日と方法を確認する
代金は、契約書に書かれた期日に指定口座へ振り込まれるのが一般的です。当日現金を前提にしないでください。振込までの日数は業者と契約によって違います。
入金が確認できるまでは、書類の控えを保管しておきます。入金の時期については車売却代金はいつ入金されるでも扱います。
6. 名義変更:期限は15日
登録自動車について所有者の変更があったときは、新所有者が、その事由があった日から15日以内に移転登録を申請しなければならないと道路運送車両法第13条に定められています。軽自動車は軽自動車検査協会で名義変更の手続きを行い、申請手数料は無料とされています。
業者に売った場合、この手続きは業者が代行するのが一般的です。ただし、代行されたかどうかは自分で確認してください。名義変更が行われないと、リコールの通知や税金の書類が前の所有者に届く、盗難や事故のときに所有者の確認が遅れる、といった支障が生じることが公的機関から注意喚起されています。
全体でどれくらいかかるか
日数の目安は業者と状況によって変わるため、当サイトでは断定しません。 ただし、時間がかかりやすい場所は決まっています。書類の取得(役所の窓口)と、入金までの日数です。逆に、査定と契約そのものは短時間で終わります。
急ぐ場合は、書類の準備を査定より先に始めると全体が短くなります。
準備でつまずきやすい3つ
実際に止まりやすいのは次の3か所です。
ひとつ、車検証の所有者が自分でない場合。ローンの完済後も所有者欄が販売店やローン会社のままになっていることがあります。売却の話を進める前に確認してください。
ふたつ、住所が変わっている場合。車検証の住所と、現在の住民票の住所が違うと、つながりを示す書類が追加で必要になります。引っ越しの回数によって必要な書類が変わります。
みっつ、印鑑登録をしていない場合。普通車の売却では印鑑登録証明書が必要になるため、登録していなければ市区町村の窓口で先に手続きが要ります。
いずれも、査定の前に確認しておけば全体の日数が短くなります。
契約後に金額が変わる取り決めに注意
契約書に、引き渡し後の再確認で修復歴などが見つかった場合に減額する、という条項が入っていることがあります。この条項の有無と、減額の上限、拒否できるかどうかを署名の前に確認してください。
査定の時点で分かっている不具合は、隠さずに伝えるほうが結果的に安全です。あとから見つかると、減額の理由になり得ます。修復歴の有無は、自分で判断できない場合もあるため、記録簿や過去の修理伝票を用意しておくと確認材料になります。
引き渡し後にやること
引き渡して終わりではありません。残るのは3つです。入金の確認、名義変更の完了確認、保険の切り替えです。
任意保険は自動的に止まりません。車を手放したら、保険会社へ連絡して中断や解約の手続きをします。中断の証明を受けておくと、次に車を持つときに等級を引き継げる場合があります。条件は保険会社によって違うため、契約先に確認してください。
自賠責保険については、残りの期間の扱いが売却の形態によって変わります。車売却時の自賠責保険で扱います。
段階ごとに残る書類
売却が終わったあと、手元に残しておくものがあります。契約書の控え、査定額の明細、引き渡し時の受領書、名義変更の完了を示す書類です。
これらは、入金の確認、名義変更の完了確認、税や保険の手続きで使います。引き渡しの当日に受け取れるものは、その場で受け取ってください。 後から取り寄せると時間がかかります。
軽自動車検査協会の案内では、名義変更の申請手数料は無料とされています。手数料が無料であることと、書類の準備に手間がかかることは別です。手数料が不要でも、必要書類がそろわなければ手続きは進みません。
よくある質問
査定を受けたら必ず売らないといけませんか?
査定は価格の提示であり、売却の義務は生じません。断り方は車査定後の断り方で扱います。
引き渡しの前に車検が切れたらどうなりますか?
車検切れの車は公道を走れません。引き取り方法が変わるため、契約前に業者へ確認してください。
ナンバープレートはどうなりますか?
名義変更や抹消の手続きに応じて扱いが変わります。軽自動車の名義変更では、必要書類としてナンバープレートが挙げられています。
契約後にキャンセルできますか?
契約内容によります。条件は契約書に書かれているため、署名の前に確認してください。