今でこそスポーティーなミニバンはごく当たり前に存在していますが、10年程前はそうでもありませんでした。ホンダがストリームを発表した2年後、トヨタは外寸がストリームと全く同じミニバンを出してきました。それが初代ウィッシュです。ストリームはファミリー向けグレードと、スポーツイメージのアブソルートというグレードを展開していましたが、初代ウィッシュは全体的にスポーツイメージを持たせたクルマでした。「後出しジャンケン」「勝てば官軍」などと揶揄されていましたが、後発ゆえに完成度はとても高いクルマでした。
どんなクルマ?
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初代トヨタウィッシュは、2003年1月にデビューしました。
プレミオ/アリオンのプラットフォームをベースにホイールベースを延長したものが用いられ、1.8Lと2.0Lのエンジンが用意されていました。
車体が大きくなったイプサムの後継ではないか、という見方もありましたが、このクルマの全体的なテーマは「ファミリー」よりも「スポーティー」であり、性格はまるで逆です。
当初は日本国内専用モデルでしたが、のちにタイや台湾でも生産されるようになり、特に台湾ではタクシーのベース車両として人気があったようです。
2代目がデビューする2009年4月まで販売されていました。
初代トヨタウィッシュのここがイイ!!
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乗用車ライクな乗り味
初代ウィッシュのよい所は、何と言ってもミニバンらしからぬ乗り味です。
乗る前に外から車体を見渡し、「ふーんそれなりのサイズだなぁ」と思っていても、いざ乗り込んで走り出してみると、全くミニバンらしくない動きを見せます。
背が低いのと、適度に固められた足のおかげでロールが少なく、普通のステーションワゴンを運転しているくらいの感覚です。
これなら、日常の通勤から週末のドライブまで、何の不安もなくこなすことができます。
必要十分なパワー
初代ウィッシュに搭載されるエンジンは2種類で、1.8Lは132ps/6,000rpm、17.3kg-m/4,200rpm、2.0Lは155ps/6,000rpm、19.6kg-m/4,000rpmを発揮します。
どちらも見ての通り、低~中速域に重点を置いたセッティングで、街中から高速道路、ワインディングまで不足を感じる事はありません。
ただ、2.0Lの1AZ-FSEは、EGR関連のトラブルが発生する個体もあるようなので、購入時は気を付けた方が良いでしょう。
見た感じがもうスポーティー
初代ウィッシュは、見た目から所帯臭さを感じることはありません。特に純正エアロの装着されたグレードはカッコいいですね。
適度にロー&ワイドを意識したデザインになっており、乗り味だけでなく見た目もミニバンというよりはステーションワゴンに近い所にあります。
独身の若者がこれに乗っていても、少しも不思議な感じはしませんね。
初代トヨタウィッシュのここはそうでもない…
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3列目は非常用
1列目と2列目に関しては、特に不満はありません。
特に「2.0Z」というスポーツグレードは、2列目が独立シートになっており、長時間座っていても疲れることはありません。
しかしこのクラスのミニバンの辛い所で、3列目はどうしても常用する気にはなりません。
2列目の下に足を入れる事ができないので、姿勢は窮屈になってしまい、長時間座っているのは大変です。
質感の低さ
インパネはカーボン調だったりアルミ調だったり、外見同様スポーティーさを追求してはいますが、やはりチープ感は拭えません。
ペカペカ光るプラスチックのパネルは、初めて見た時には後付けしたものかなと思ってしまったほどです。
部分的にでもいいのでソフトパッドや本物のアルミプレートを使用するなどすれば、もう少し質感を高める事ができたのではと思います。
安すぎて逆に不安!?
初代ウィッシュのデビュー当時、最低グレードにはなんと1,688,000円の値札が付いていました。いくら何でも安すぎます。
同時期に発売されていたカローラフィールダーに匹敵するくらいの値段です。
確かに安いに越したことはありませんが、何か裏があるのではと勘繰ってしまいます。
まとめ
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初代トヨタウィッシュは、見た目も中身もスポーティーなミニバンでした。
ファミリーカーとして乗るのもいいですが、3列目シートを畳んでステーションワゴンとして使うのも悪くありません。
現在の中古車市場はタマ数も多く、また価格も低めです。
個人的には、純正エアロの付いたグレードがオススメです。前期なら「Sパッケージ」、後期なら「エアロスポーツパッケージ」と呼ばれるグレードです。
50~60万円程度で走行3万km程度の個体が見つかるので、実にコスパに優れたクルマです。
ファミリーカーとしてミニバンを探している方はもちろんですが、ステーションワゴンでいいかなと思っている方にもオススメできる一台です!
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