初代アルシオーネも相当個性的なクルマでしたが、その次のアルシオーネSVXも、まさに忘れられないような超個性的なクルマでした!現在も中古車市場で根強い支持を受けています。
初代アルシオーネ
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超個性派クーペ、スバル・アルシオーネSVXを紹介するコーナーですが、少し初代アルシオーネについても触れておきたいと思います。
スバルとしては初となるスペシャルティーカーとなったのがこの初代アルシオーネです。フロントライトは当時の流行でもあったリトラクタブルヘッドライトで、全体的にエッジを効かせたシャープラインのな2ドアクーペです。
エンジンは1800ccターボに加えて、国産初となった水平対向6気筒2.7LのSOHCエンジンを搭載していました。駆動方式はスバルですからFFとフルタイム4WDの両方がラインアップされています。サスペンションもユニークで、ハイトコントロール付きの電子制御エアサスペンション、更には4WDトランスファーMP-Tを内蔵したフルオートマチック、マルチアジャスト式ステアリングなども備えた、まさに渾身のスペシャルティーカーだったのです。
スマートなスタイルの威力もあって、日本車では初となるCD(空気抵抗係数)値0.30を突破するCD値=0.29を達成しています。ただし残念ながらスバルでの先進的な高級パーソナルクーペはあまり受け入れられなかったようで、発売期間は1989年4月~1991年9月という、わずか2年ちょっとでした。そしてその次に登場したのがアルシオーネSVXです。
2代目は堂々のフラッグシップカー
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1991年9月から登場の2代目アルシオーネはSVXというサブネームがつくわけですが、エクステリアデザインはイタルデザインの鬼才ジウジアーロ氏が担当しています。いすゞのピアッツァなどもジウジアーロ氏です。
先代のアルシオーネは「レオーネ」をベースにしていましたが、今回は完全な専用設計です。技術的にも進化していますが、とにかくジウジアーロ氏担当のエクステリアデザインは、やはり本車の最大の特徴となっていると言っても過言ではないでしょう。
当初は先代と同様にリトラクタブル・ヘッドライトが検討されていたようですが、最終的には固定式となっています。それでも「グラスtoグラス」のキャノピーは日本車では見たことがなく、日本で初めて採用された「ミッドフレームウインドー」です。ドアガラスがルーフ面にまで沿っている形状となっており、360度ガラス張り状態です。従ってサイドウィンドウは全体を開閉できず、一部だけが開閉するタイプになっています。
全体にエレガントなイメージながら、前後にはブリスターフェンダーを備え、力強さも持ち合わせています。水平対向エンジンなのでノーズが他社より低いのは当然です
スバル技術の結集
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さて、アルシオーネSVXは何と言っても当時のスバルのフラッグシップです。持てる技術を集約し、「世界に通用するスバル」を目指したのです。
4,625mm×1,770mm×1,300mmというワイド&ローのサイズで、コンセプトは「500miles a day」つまり500マイルを一日で走りきれるクルマとしています。
全天候型グランドツーリングカーとして、お得意の4WDシステムも、ハンドリングと安定性を両立させるために、不等&可変トルク配分ができるVTD-4WDシステムが採用されています。純粋な後輪駆動車のノウハウを持っていないスバルにとっては大きな挑戦となっていたはずです。これに4WS(4輪操舵)も加わっています。
エンジンは240PS、31.5kgf·mを誇る3.3L水平対向6気筒を搭載し、スバルとしてはこれ以上無いほどの技術を結集させたクルマです。
グレードは上級の「L」(約400万円)とやや安価な「E」(約333万円)があり、フルオートエアコンや16インチアルミは標準ですが、「L」にはクルーズコントロールや本革シートも装備されています。
燃費に関しては、もともと水平対向エンジンは不利なのですが、当時の測定方法で7.0km/Lというデータが残っています。この当時のライバル車と言えば、それはトヨタのソアラだったと思います。
1993年11月には富士重工業40周年記念特別仕様車となる「S40」が限定販売されました。約284万円というバーゲンプライスなのですが、「E」をベースに、エアコンは新冷媒対応、ブルーガラスウインドゥ、専用インストルメントパネル、更にはルーフとトランクリッドも同色カラーリングとなっています。
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翌年には「S40Ⅱ」も発売されました。以後「S3」、「S4」と続きます。
「S4」は限定販売ではなく、正式モデルですが、アルシオーネSVXの最終モデルとなり、1997年9月に生産が終了となります。先代の約3倍となる6年間にわたったモデルサイクルでした。
中古車市場で隠れた人気車
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アルシオーネSVXは確かにそれほど台数を売ったクルマではありません。
時代はまさにバブル崩壊の頃です。当然ながら高級車市場は低迷しました。特にスバル車としては相当に高価だったアルシオーネSVXには災いだったことでしょう。かなり意欲的なスタイリングとユニークなメカニズムが特徴でしたが、こうした時代背景には勝てなかったと思います。
しかし、実は中古車市場では隠れた人気車となっているようなのです。しっかりレストアされたアルシオーネSVXは、かなりの値段で取引されているとのことです。「アルシオーネSVX専門店」も実際にあるのです。
最近のコンピュータ満載の合理的なクルマは優れていても、なにか今ひとつ好きになれないディープな自動車愛好家が相当いるのだと思います。また、自動車マニアではなくても、そう思う人はやはりいるのです。
心をときめかせるような個性的なデザインのクルマ探しているのかもしれません。
その気持ち、筆者もよくわかります!
機会があれば、筆者もこのクルマに一度乗ってみたいと思います!
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その気持ち、筆者もよくわかります!
機会があれば、筆者もこのクルマに一度乗ってみたいと思います!