この記事は、三菱自動車工業株式会社が 2026/02/05に公表した発表を一次情報にしています。 価格・発売日・仕様は発表の表記をそのまま記録しています。
出典:三菱自動車、軽商用車『ミニキャブ トラック』を一部改良(確認日 2026/02/05)
三菱自動車は2026年2月5日、軽商用車『ミニキャブ トラック』を一部改良し、同日から全国の系列販売会社で販売を始めました。改良の柱は、フロントデザインの変更と安全機能の強化です。車両本体のメーカー希望小売価格は1,311,200円~1,677,500円(消費税10%込)で、グレードは「G」「みのり」「M」の3つです。
ただ、発表に並ぶ変更は、書き方によって対象の範囲が3通りに分かれています。「全車標準装備」と明記されたもの、特定のグレードや変速機を名指ししたもの、そして対象グレードに触れずに「採用」「設定」とだけ書かれたものです。見出しの変更点をそのまま手元の見積もりに当てはめると、どこかで食い違いが出ます。
この記事では、まず7タイプの価格を並べ、次に変更点を対象の書き方ごとに分け、最後に安全機能が何を検知して何を知らせるのかを整理します。グレード名・価格・機能名は発表の表記のままです。発表に書かれていない項目は推測で埋めず、「記載がありません」と書きます。
3グレード・7タイプの価格
発表には、グレード・エンジン・変速機・駆動方式ごとのメーカー希望小売価格が載っています。エンジンはすべて「DOHC 12バルブ VVT 3気筒」です。
| グレード | 変速機 | 駆動方式 | メーカー希望小売価格(消費税10%込) |
|---|---|---|---|
| M | 5M/T | 2WD | 1,311,200円 |
| M | 5M/T | 4WD | 1,463,000円 |
| M | 4A/T | 2WD | 1,388,200円 |
| M | 4A/T | 4WD | 1,540,000円 |
| みのり | 5M/T | 4WD | 1,499,300円 |
| みのり | 4A/T | 4WD | 1,576,300円 |
| G | 4A/T | 4WD | 1,677,500円 |
表から読み取れる組み合わせの制約は2つです。
1つ目は、2WDを選べるのはMだけだということです。みのりとGは4WDしかありません。2WDで足りる使い方なら、選択肢はMの5M/Tか4A/Tになります。
2つ目は、Gには5M/Tの設定がないことです。4WDで5M/Tに乗りたい場合は、Mかみのりから選ぶことになります。Gだけに付く装備(後述)と5M/Tを両方求めることは、この価格表の範囲ではできません。
発表にあるのは車両本体の価格だけです。リサイクル料金、税金、保険料、登録などの諸費用、メーカーオプションの価格は記載がありません。改良前の価格も載っていないため、今回の改良で価格がいくら変わったのかは、この発表からは分かりません。
変更点は「対象の書き方」で3層に分かれる
発表の「主な変更内容」は、エクステリア、インテリア、安全機能、機能装備の4項目です。ところが、それぞれの文の中で対象の書き方が揃っていません。項目の順ではなく、対象の範囲で並べ直すと次の図のようになります。
全車標準装備と明記されたもの
発表が「全車標準装備」と書いているのは2点です。1つは、フロントデザインの大幅な変更とあわせて採用した新デザインのLEDヘッドランプ。もう1つは、衝突被害軽減ブレーキシステム「デュアルセンサーブレーキサポートII」です。この2点は、最も価格の低いMの5M/T・2WDにも入ります。
グレードを名指ししたもの
Gについては、4つの装備が名指しされています。LEDフロントフォグランプとカラードフォグランプベゼルの採用(発表は「質感を高めました」としています)、Type-AとType-CのUSB電源ソケットの設定、電動格納式リモコンドアミラーへのヒーテッド機能の追加です。ヒーテッド機能は、視認性の向上を目的として挙げています。
みのりについては、ぬかるみ脱出アシストを5M/Tにも新たに採用したと書かれています。デフロック機構との組み合わせで、雪道やぬかるみなどでタイヤが空転したときに駆動力を最適に制御し、スムーズな発進を支えるという説明です。「にも」という書き方から、これまでも別の組み合わせには付いていたと読めますが、それがどのグレード・変速機だったのかは、発表には記載がありません。
Mを名指しした変更は、発表の中に見当たりません。
対象グレードに触れていないもの
残りの変更は、どのグレードが対象かを書かずに「変更」「設定」「採用」と表現されています。室内では、運転席のメーター表示をアナログからデジタルに変えたこと、スマートフォンなどを置けるセンタートレイ、紙パック飲料に対応した新形状のドリンクホルダー(運転席・助手席)の設定です。安全面では、車線逸脱抑制機能、標識認識機能、前後パーキングセンサー、発進お知らせ機能、エマージェンシーストップシグナルなどを採用したとしています。
これらが3グレードすべてに入るのか、一部のグレードやオプション扱いなのかは、この発表の文面だけでは判断できません。発表の文も「など」で終わっているため、ここに挙がっていない変更がある可能性もあります。Mを検討している人は特に、この層の装備が自分の選ぶタイプに付くかを、販売会社の見積もりや製品情報の装備表で確かめてください。
衝突被害軽減ブレーキは何を検知するのか
安全機能の中心は、全車に標準装備されたデュアルセンサーブレーキサポートIIです。名前の「デュアルセンサー」は、2種類のセンサーを組み合わせて使うことを指しています。発表によると、ミリ波レーダーと単眼カメラの組み合わせで、前方車両、歩行者、自転車、自動二輪車を検知します。ミリ波レーダーは電波で前方の物体との距離を測る装置、単眼カメラは1つのレンズで前方を撮影して物体を見分ける装置です。
図の中で見落としやすいのが、自転車と自動二輪車に付いた注記です。発表は、人が乗車している場合のみを作動対象としていると書いています。止めてある自転車やバイクは対象に入らないということです。
標識認識機能についても、検知の対象は注記で「一時停止、車両進入禁止、赤信号」と示されています。速度制限など、ほかの標識を認識するかどうかは記載がありません。
同時に採用された2つの機能は、ブレーキをかけるのではなく「知らせる」ためのものです。発進お知らせ機能は、先行車の発進や、赤信号から青信号への切り替わりをお知らせします。エマージェンシーストップシグナルは、急ブレーキをかけたときに後続車へ危険を伝えます。車線逸脱抑制機能と前後パーキングセンサーについては、発表には名称があるだけで、どう働くのかの説明はありません。
どの機能についても、作動する速度の範囲や、働かない場面は発表に書かれていません。こうした条件は、製品情報サイトや取扱説明書で確かめる必要があります。衝突被害軽減ブレーキは、運転者の注意を代わりに引き受ける装置ではない点も、あわせて押さえておきたいところです。
仕事の車として選ぶときに、発表から言えること
発表は、ミニキャブ トラックを「広い荷台と低床設計により高い積載性と積み降ろしのしやすさを両立」し、「小回り性能や悪路走破性に優れ、積載時の安定性も高い」軽商用車だと紹介しています。今回の改良は、この車の基本的な使い勝手ではなく、見た目・室内・安全・一部の機能装備に手を入れたものです。荷台の寸法、最大積載量、エンジンの出力、燃費が変わったかどうかは、発表には記載がありません。
発表の範囲で、タイプ選びにつながる事実を並べると次のとおりです。
- 衝突被害軽減ブレーキと新デザインのLEDヘッドランプは、どのタイプを選んでも付きます
- 2WDが要るならMしかありません。4WDはMのほか、みのりとGから選べます
- 5M/Tで4WDを選ぶなら、Mかみのりです。みのりの5M/Tには、今回ぬかるみ脱出アシストが新たに採用されました
- USB電源ソケット、LEDフロントフォグランプ、ヒーテッドドアミラーを求めるなら、発表ではGが対象です。Gは4A/T・4WDの1タイプだけです
改良前のミニキャブ トラックに乗っている人にとっては、改良後の車との違いは主に安全機能とフロントまわりの見た目にあります。ただし、改良前の車にどの安全機能が付いていたのかは今回の発表に書かれていないため、「前は無かった」と言い切ることはできません。下取りや買取の価格が改良でどう動くかも、発表には記載がなく、当サイトも予想を書きません。
この発表に書かれていないこと
確かめられなかったのは、次の項目です。エンジンの排気量・最高出力・最大トルク、燃費とその測定モード、荷台の寸法と最大積載量、乗車定員、ボディカラー、改良前の価格と差額、諸費用、中の層の装備がどのグレードに付くか、ぬかるみ脱出アシストがこれまでどのタイプに付いていたか、各安全機能の作動条件です。いずれも、ほかの車種や改良前の値で埋めていません。
三菱の軽商用車では、2026年9月にEV版のミニキャブ EVの一部改良も発表されています。同じ月には新型パジェロの世界初披露がありました。三菱のほかの発表は三菱に、各社の改良の記事はマイナーチェンジ・一部改良にまとめています。
出典
この記事は、三菱自動車工業株式会社が2026年2月5日に公表したニュースリリース「三菱自動車、軽商用車『ミニキャブ トラック』を一部改良」を一次情報にしています。グレード名、エンジン・変速機・駆動方式、価格、販売開始日、変更点とその対象、安全機能の名称と注記の表記は、発表のままです。