日産自動車が横浜市で行っている自動運転モビリティサービスの実証実験について、2026年度の運行内容と一般モニターの募集が2026年9月14日に公表されました。運行は10月1日に始まり、12月18日まで続きます。車両は「セレナ」をベースにした自動運転車両で、運行台数は10台、乗降地は計28か所です。
この記事は、実証の運営を支援するMoplus株式会社が9月14日に公表した発表資料と、日産自動車が運営する実証実験の専用サイトで確認できた範囲だけを整理したものです。当サイトが専用サイトを確認した2026年9月16日の時点では、モニターの募集欄は「次回受付再開:10月中旬予定」という表示になっていました。この記事を読んだ時点で、そのまま申し込める状態とは限りません。応募を考えている人は、まず専用サイトで受付の状況を確かめてください。
運行は10月1日から12月18日まで、途中に休止期間が入る
運行の期間は2期に分かれています。第1期は2026年10月1日(木)から10月30日(金)まで、第2期は11月4日(水)から12月18日(金)までです。その間の10月31日(土)から11月3日(火)までは休止と示されています。ひと続きに走り続けるのではなく、期を区切って行う形です。
運行する日は、期間中の火曜日・水曜日・木曜日・金曜日です。運行時間は8:30から16:00と書かれています。土曜日・日曜日と月曜日は運行日に入っていないため、平日の昼間に横浜市の中心部にいられる人でなければ、実際に乗る機会は作りにくい設定になっています。
走るエリアについて、Moplus株式会社の発表資料は「みなとみらい・関内エリア」と書いています。専用サイトのほうは、みなとみらい・桜木町・関内を含む市街地エリアという案内です。指している範囲は近いものですが、資料によって書き方が違うため、この記事ではどちらの表記もそのまま残しています。
| 項目 | 公表されている内容 |
|---|---|
| 実証の名称 | 横浜市における自動運転モビリティサービス実証実験(2026年度) |
| 全体の期間 | 2026年10月1日(木)〜12月18日(金) |
| 第1期 | 10月1日(木)〜10月30日(金) |
| 第2期 | 11月4日(水)〜12月18日(金) |
| 休止 | 10月31日(土)〜11月3日(火) |
| 運行日 | 期間中の火曜日・水曜日・木曜日・金曜日 |
| 運行時間 | 8:30〜16:00 |
| エリア | みなとみらい・関内エリア |
車両は「セレナ」がベースで、乗客定員は3名
走るのは、日産「セレナ」をベースにした自動運転車両です。運行台数は10台、乗客定員は3名と書かれています。定員が3名という点は、見落とされやすいところです。ベースになっているセレナは多人数で乗れるミニバンですが、この実証で乗れる人数はそれより少なく設定されています。実証のための機器を積んだ車両であり、販売されているセレナがそのまま走るわけではありません。
乗降地は計28か所です。乗降地とは、その車に乗り降りできる決められた地点のことで、好きな場所で乗り降りできる形ではありません。専用サイトには乗降地のマップが掲載されていますが、現在検討中のため実証時には変更の可能性があるという断りも添えられています。自分の行き先の近くに乗降地があるかどうかは、応募の前に専用サイトで確かめる項目になります。
台数と乗降地は、昨年度の数字と並べて示されている
発表資料では、運行台数10台に「25年度は5台」、乗降地数28か所に「25年度は26か所」というカッコ書きが添えられています。前の年度の数字を併記する形で、規模を広げたことを示しています。
台数と乗降地が増えれば、運行を支える体制や管理のしかたも変わります。ただし、増えたぶんだけ利用しやすくなるかどうかは、便の組み方と申し込みの集中しだいです。そこまでは、今回の資料からは読み取れません。
2期で、支援に入る企業が変わる
発表資料には、日産自動車が企画・運営の主体であることに加えて、期ごとに支援する企業が示されています。第1期はMoplus株式会社とKDDI株式会社、第2期はMoplus株式会社・株式会社プレミア・エイド・国際自動車株式会社です。
| 期 | 期間 | 発表資料に示されている体制 |
|---|---|---|
| 第1期 | 10月1日〜10月30日 | 日産自動車が企画・運営、Moplus・KDDIが支援 |
| 第2期 | 11月4日〜12月18日 | 日産自動車が企画・運営、Moplus・プレミア・エイド・国際自動車が支援 |
顔ぶれが期で入れ替わるため、期ごとに確かめたい内容が違うのだろうと想像はできます。ただし、それぞれの企業が具体的に何を担うのかまでは発表資料に書かれていません。当サイトでは、書かれていない役割を推測で補うことはしません。
目的は「ドライバーレス化に向けた検証」と書かれている
発表資料は、この実証の目的を「将来必要となる運用体制の課題抽出、およびサービスエコシステムの構築、遠隔監視等によるドライバーレス化に向けた検証」と説明しています。遠隔監視は、車から離れた場所にいる担当者が通信を通じて車両の状況を見守るしくみを指す言葉です。運転を機械に任せる話と、運転席から人を減らす話は、同じではありません。この目的の書き方は後者に重きを置いています。
今回の運行で運転席に人が乗るのかどうかは、当サイトが確認できた発表資料と専用サイトの範囲では明示されていませんでした。自動運転のレベルについても、資料の本文に区分の表記はありません。実証が使っている補助事業の名称には「自動運転レベル4検証タイプ」という区分名が含まれていますが、これは国の事業の名称です。今回走る車両の区分を示したものとして読むことはできません。
この実証は、3つの事業の一環として行われると書かれています。デジタル庁の「自動運転社会実装先行的事業化地域事業」(令和7年度と表記)、総務省の「地域社会DX推進パッケージ事業(自動運転レベル4検証タイプ)」(令和8年度と表記)、国土交通省の「地域公共交通確保維持改善事業費補助金(自動運転社会実装推進事業)」です。1社が単独で行う実験ではなく、国の事業の枠組みのなかで、横浜市という具体的な街を舞台に行われている取り組みだという位置づけが、ここから読み取れます。
モニターの応募条件と、いまの受付状況
募集人数は約500名、参加費は無料です。応募の条件は、2026年4月1日時点で18歳以上であること、日本国内に在住していること、そして実証実験期間中の撮影やインタビュー・アンケートに協力できることです。申し込みは専用のWebサイトから行います。
| 項目 | 公表されている内容 |
|---|---|
| 募集人数 | 約500名 |
| 参加費 | 無料 |
| 年齢 | 2026年4月1日時点で18歳以上 |
| 居住地 | 日本国内 |
| 協力事項 | 実証実験期間中の撮影、インタビュー/アンケート |
| 申し込み | 専用Webサイト |
| 第1期の募集 | 2026年9月14日から |
| 第2期の募集 | 10月中旬より開始予定 |
撮影やインタビューへの協力が条件に含まれている点は、応募の前に読んでおきたいところです。無料で乗れる代わりに、記録に残る形で参加することが前提になっています。顔や声が出る形での協力が難しい場合、この条件は実質的な制約になります。
当サイトが2026年9月16日に専用サイトを確認した時点では、募集欄に「次回受付再開:10月中旬予定」と表示されていました。第1期ぶんの受付がすでに閉じていることを示す表示です。締め切られた理由も、応募が先着だったのか抽選だったのかも、専用サイトと発表資料のどちらにも書かれていません。次の機会を待つ人は、10月中旬と案内されている再開の時期に合わせて専用サイトを確認することになります。
この発表から分からないこと
発表資料と専用サイトを読んでも、次の項目は分かりません。推測で埋めず、分からないものとしてそのまま挙げます。
- 実証が終わったあと、サービスとしていつ始まるのか
- 将来、有料で提供する場合の料金
- 1日あたり何便を走らせるのか
- 実証車両にどのような機器を積み、市販のセレナと何が違うのか
- 乗降地がどこに確定するのか
- モニターの選び方が先着なのか抽選なのか
いずれも、続報が出た時点で確かめる項目です。当サイトは、媒体で報じられている内容であっても、一次情報で確認できないものを記事の数値として書きません。
横浜以外に住む人にとっての読みどころ
自動運転という言葉は幅が広く、市販車に付いている運転支援の機能と、決められたエリアで車を配車するサービスの検証とでは、話している対象がまったく違います。今回のものは後者です。決められたエリア、決められた乗降地、決められた曜日と時間に限って走る形での検証であり、販売されているセレナに今回の機能が付くという話ではありません。
こうした実証が各地で積み重なれば、将来の移動手段の選び方は変わっていく可能性があります。ただし、いま車を買うかどうか、いま乗っている車をどうするかという判断に直接効く材料は、今回の発表には含まれていません。当サイトでは、自動運転に関する発表を自動運転・ADASにまとめています。日産自動車の発表は日産から辿れます。車載ソフトウェアをめぐる企業間の動きは日産とホンダの次世代SDV共同開発で扱いました。現行車種の価格は車種を探すに、出典と確認日つきで整理しています。
出典
この記事は、Moplus株式会社が2026年9月14日に公表した「横浜市における自動運転モビリティサービス実証実験(2026年度)について」と、日産自動車が運営する実証実験の専用サイトを一次情報にしています。期間・運行日・運行時間・台数・乗降地・定員・募集条件は、いずれも資料の表記のまま記録しました。専用サイトの受付状況は、2026年9月16日に確認した時点のものです。日産自動車のニュースルームにも同じ日付の発表が掲載されていますが、当サイトの取得環境では本文を読み取れなかったため、この記事の数値はすべて上の2つの資料から転記しています。