この記事は、ダイハツ工業株式会社が 2026/09/10に公表した発表を一次情報にしています。 価格・発売日・仕様は発表の表記をそのまま記録しています。
出典:ムーヴのリコールについて(届出番号 5874)(確認日 2026/09/16)
ダイハツ工業が、軽自動車「ムーヴ」のリコールを国土交通大臣へ届け出ました。届出日は令和8年9月10日、届出番号は5874です。同じ届出番号で、ムーヴのOEM車にあたるSUBARUの「ステラ」も対象に入っています。国土交通省の報道発表資料は、この件を「リコールの届出について(ダイハツ ムーヴ 他)」という表題で公表しています。
届け出られた内容は、シートカバーと前席ドアアームレストの内装材が、燃焼試験の基準に適合していないおそれがある、というものです。対象になるのは、令和7年に製作された一部の車両に限られます。いま乗っている車が対象かどうかは、案内のダイレクトメールを待たなくても、車検証の「型式」と「車台番号」を両社の公表ページと照らせば自分で確かめられます。この記事では、両社の公表ページと国土交通省の報道発表資料で確認できた範囲だけを、表記のまま整理します。
届け出られたのは「燃焼試験の基準より速く延焼するおそれ」
不具合の内容として公表されているのは、次の文です。シートカバー及び前席ドアアームレストの特定の内装材において、表皮の加工方法の検討が不十分であったため、燃焼試験時に基準に定められているよりも速い速度で延焼するものがあり、保安基準に適合していないおそれがある、という説明になっています。
ここでいう保安基準とは、道路運送車両の保安基準のことです。国土交通省は、リコール届出を「保安基準に適合していない又は適合しなくなるおそれがある状態であって、かつ、その原因が設計又は製作過程にあると認められるとき」に、メーカー等が必要な改善措置を行うものだと説明しています。つまり今回は、車が壊れて動かなくなるという種類の話ではなく、内装材が満たすべき燃えにくさの基準に対して、届け出の対象になる車両が適合していないおそれがある、という届け出です。
原因として書かれているのは「表皮の加工方法の検討が不十分であった」ことだけです。どの工程で何が起きたのか、どの試験条件のどの条項に当たるのかまでは、当サイトが確認した範囲では両社の公表ページに書かれていません。分からない部分を、他の事例から推測して埋めることはしません。
対象はムーヴの2つの型式、4つの車台番号の範囲
ダイハツ工業の公表ページは、対象車両を型式と車台番号の範囲で示しています。台数は範囲ごとに分かれていて、4行が並びます。製作期間も行ごとに違い、いちばん早い行は令和7年5月19日から、いちばん遅い行は令和7年8月29日までです。公表ページは和暦で表記しているため、この記事でもそのまま和暦で載せます。
| 型式 | 車台番号の範囲 | 製作期間 | 台数 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 5BA-LA850S | LA850S-2000056〜LA850S-2013394 | 令和7年5月19日〜令和7年7月23日 | 4,887台 | ①Lグレード Xグレード |
| 5BA-LA850S | LA850S-2013396〜LA850S-2021413 | 令和7年7月22日〜令和7年8月29日 | 3,191台 | ②Lグレード Xグレード |
| 5BA-LA860S | LA860S-2000057〜LA860S-2002901 | 令和7年5月19日〜令和7年7月22日 | 850台 | ①Lグレード Xグレード |
| 5BA-LA860S | LA860S-2002902〜LA860S-2004772 | 令和7年7月22日〜令和7年8月29日 | 575台 | ②Lグレード Xグレード |
備考の欄には、いずれの行にもLグレードとXグレードの名前が挙がっています。ムーヴのすべてのグレードが対象になっているわけではない、ということがここから読み取れます。ただし、公表ページは車台番号の範囲を基準に示しており、グレード名だけで判断する形にはなっていません。判断の軸は、あくまで車台番号です。
表の台数は、公表ページに並んでいる行ごとの数字をそのまま載せたものです。合計の数字は、当サイトでは計算して示しません。読者が自分で足し合わせられるように、元の4つの数字を並べています。
| 項目 | 公表されている内容 |
|---|---|
| 届出日 | 令和8年9月10日 |
| 届出番号 | 5874 |
| 届出者 | ダイハツ工業株式会社 |
| 車名・通称名 | ダイハツ ムーヴ |
| 型式 | 5BA-LA850S/5BA-LA860S |
| 改善措置 | 車台番号を確認し、2通りのいずれかを実施 |
| 費用 | 点検・修理は無料 |
OEM車のスバル ステラも、同じ届出番号で対象
SUBARUも同じ日に、ステラのリコールを公表しています。届出番号は5874で、ダイハツ工業の届け出と同じ番号です。不具合の内容も改善措置の内容も、両社の公表ページで同じ文が使われています。ステラはムーヴのOEM車にあたるため、同じ部品を使っている車両が、それぞれのメーカーの車名で対象になっている形です。
ステラ側の型式は、ムーヴの型式と末尾の記号が違います。車台番号の範囲も別に示されているため、ステラに乗っている人は、ムーヴの表ではなくSUBARUの公表ページの範囲と照らす必要があります。台数と合計欄の表記は、次の図にまとめました。
備考の欄に挙がっているグレード名は、ステラ側ではLグレードとGグレードです。ムーヴ側の備考に挙がっているグレード名とは並びが違います。同じ内容の届け出でも、車名が変われば設定されているグレードの名前も変わるため、それぞれの公表ページを見る必要があります。
改善措置は、車台番号によって2通りに分かれる
改善措置の内容は、全車両の車台番号を確認したうえで、いずれかを行うと書かれています。ひとつは、シートカバーを対策品に交換し、ドアアームレストを良品に交換するもの。もうひとつは、ドアアームレストを良品に交換するものです。どちらになるかは、表の備考欄にある①と②の区分に対応しています。
交換にかかる時間、代車が用意されるかどうか、部品の在庫がいつ整うのかといった実務の条件は、両社の公表ページには書かれていません。作業の内容が2通りに分かれる以上、車両によって預ける時間が変わることは考えられますが、その見込みを当サイトが具体的な時間として示すことはできません。予約の際に販売会社へ確認する項目になります。
自分の車が対象かどうかを確かめる
ダイハツ工業の公表ページは、対象となるお客様には販売会社からお知らせのダイレクトメールで案内すると書いています。そのうえで、最寄りのダイハツ販売会社へ来店日時を予約したうえで、点検・修理(無料)を申し付けてほしいという案内になっています。
ダイレクトメールは、車検証に記録されている使用者あてに送られる性質のものです。届くのを待つ方法もありますが、対象かどうかを先に知りたい場合は、車検証を開いて「型式」と「車台番号」の2項目を確認し、公表ページに並んでいる範囲と照らすのが早い方法です。型式は5BA-LA850Sのような表記で、車台番号はLA850S-2000056のような、記号と数字の組み合わせで記録されています。
なお、車台番号の範囲に入っていても、対象に当たらない車両が含まれている場合があります。ダイハツ工業の公表ページも、詳細については最寄りの販売会社に問い合わせてほしいと案内しています。範囲を見て自分で当たりを付けたあと、最終的な判断は販売会社に確認する、という順序になります。
リコールの届出とは何か
リコールという言葉は日常でも使われますが、自動車の場合は制度上の手続きを指します。国土交通省は、リコール届出を、同一の型式で一定範囲の自動車について、保安基準に適合していない、または適合しなくなるおそれがある状態で、かつその原因が設計または製作の過程にあると認められるときに、メーカー等が保安基準に適合させるために必要な改善措置を行うもの、と説明しています。
手続きの順序も決まっています。メーカー等がリコール届出を行う場合には、道路運送車両法の規定により、不適合の状態、その原因、改善措置の内容などを、あらかじめ国土交通大臣に届け出ることが義務づけられています。届け出たあとにユーザーへ通知し、早期に改善措置を行うことも義務づけられています。今回、ダイハツ工業とSUBARUがそれぞれのサイトで内容を公表し、国土交通省が報道発表資料を出しているのは、この流れに沿ったものです。
届出番号は、この一連の届け出に付けられる番号です。今回の5874という番号は、ダイハツ工業の公表ページにもSUBARUの公表ページにも同じ数字で記載されています。問い合わせをするときに番号を伝えれば、どの届け出の話かが一意に伝わります。
今回の資料から分からないこと
両社の公表ページと国土交通省の報道発表資料を読んでも、次の項目は分かりません。推測で埋めず、分からないものとして挙げます。
- 実際に不具合が確認された件数と、事故が起きているかどうか
- 不具合のある内装材が、どの工程で、いつ作られたものなのか
- 改善措置に要する作業時間と、代車の用意があるかどうか
- 対策品の部品がいつから行き渡るのか
- 販売店の在庫車や、すでに流通している中古車がどう扱われるのか
国土交通省の報道発表資料には、届出の一覧と改善箇所の説明が別紙のPDFとして添えられています。当サイトの取得環境ではこのPDFの本文を読み取れなかったため、この記事の数値は、いずれも両社の公表ページに書かれている表記から転記しています。PDFに追加の項目が記載されている可能性はありますが、読み取れていないものを読んだことにはしません。
中古で買った人、これから手放す人へ
製作期間が令和7年5月から8月に限られているため、対象になるのは新しい車です。新車で買った人だけでなく、その時期に登録された車を中古で手に入れた人も対象になり得ます。案内のダイレクトメールは販売会社から送られると書かれていますが、届いていないからといって対象外とは限りません。車検証の型式と車台番号を照らすほうが確実です。
車を手放す予定がある場合も、先に改善措置を受けておくかどうかは確かめておきたい項目です。リコールの点検・修理は無料だと案内されています。未実施のまま売却したときに査定へどう影響するかは、買取事業者ごとの判断であり、公表資料からは分かりません。当サイトでは、確かめられない影響を数字や傾向として書くことはしません。売却を考えている人向けの手順は車売却・買取に、車種ごとの価格の記録はムーヴの車種ページにまとめています。
今回のような届け出はリコール・不具合に集めています。ダイハツ工業の発表はダイハツから、SUBARUの発表はスバルから辿れます。ステラについては、ステラ改良モデルの価格も記録しています。
出典
この記事は、ダイハツ工業が公表した「ムーヴのリコールについて(届出番号 5874)」、SUBARUが公表した「ステラのリコールについて」、および国土交通省の報道発表資料「リコールの届出について(ダイハツ ムーヴ 他)」(令和8年9月10日)を一次情報にしています。リコール制度の説明は、国土交通省「リコール届出とは何ですか」から引いています。型式、車台番号の範囲、製作期間、台数、備考、不具合の内容、改善措置の内容は、いずれも公表ページの表記のまま記録しました。確認日は2026年9月16日です。