この記事は、本田技研工業株式会社が 2026/10/09に公表した発表を一次情報にしています。 価格・発売日・仕様は発表の表記をそのまま記録しています。
出典:次世代ハイブリッドシステムの名称を「Honda Hybrid」に決定(確認日 2026/10/13)
本田技研工業株式会社(ホンダ)は2026年10月9日、次世代ハイブリッドシステムの名称を「Honda Hybrid」に決定したと公表しました。見出しの下には、Honda Hybrid搭載モデルを2027年からグローバルで順次展開する、と書かれています。
ハイブリッド車を検討している人が気にするのは、どの車にいつ載るのかという一点だと思います。先に書いておくと、この発表には、搭載する車種の名前、日本での発売時期、価格、燃費の数値についての記載がありません。示されているのは、名称、展開を始める年、投入する車種の数、そして技術の方向だけです。
この記事では、発表に書かれていることを、何が決まったのか、いつからの話なのか、e:HEVという名称との関係、走りの側で挙げられている技術の順に並べます。あわせて、発表に記載がなかった項目をそのまま挙げます。当サイトは、発表に無い数値を報道やほかの資料から補うことはしません。
決まったのは「名称」です
はじめに、発表の骨子を発表の表記のまま並べます。
| 項目 | 発表に書かれている内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2026年10月9日 |
| 発表元 | 本田技研工業株式会社 |
| 決まったもの | 次世代ハイブリッドシステムの名称「Honda Hybrid」 |
| 展開の開始 | 2027年よりグローバルで順次投入 |
| 投入の計画 | 2029年度までに北米市場をはじめとするグローバル市場へ15車種 |
| 技術のベース | 独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」で培った技術 |
| 掲げている価値 | 「優れた燃費性能」と「五感に響く操る喜び」を高次元で両立 |
| 背景として書かれていること | 2026年5月に発表した四輪事業再構築に向けた、ハイブリッド領域への開発・生産リソースの再配分 |
この発表で確定したのは、システムの呼び名です。発表は「システムを刷新し、2027年よりグローバルで順次投入する次世代ハイブリッドシステムの名称を『Honda Hybrid』に決定しました」という書き方をしています。刷新そのものは進行中の取り組みで、今回公になったのは、その呼び名と、呼び名を世界で使っていく方針だと読めます。
名称には2つの役割が書かれています。1つはシステムの名前、もう1つは、ハイブリッドの提供価値を世界中のお客様へより直感的に伝えるコミュニケーション名称です。発表は、独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」で培った技術をベースに進化させたうえで、この名称をグローバルで順次展開していくとしています。呼び名を変える話と、中身を変える話が同じ発表に入っているため、ここは分けて読む必要があります。
背景として書かれているのは、グローバルで拡大するハイブリッド車の需要に迅速に対応するため、2026年5月に発表した四輪事業再構築に向け、ハイブリッド領域への開発・生産リソースの再配分を進めているという説明です。今回の名称決定は、その取り組みの一環として位置づけられています。どの車種をどう入れ替えるかという話は、この発表の範囲には入っていません。
示されている時期は「2027年」と「2029年度」の2つ
読者にいちばん近い記述は時期です。発表は、Honda Hybrid搭載モデルを2027年からグローバルで順次展開するとし、本文では2027年よりグローバルで順次投入すると書いています。もう1つの年は2029年度で、2029年度までに北米市場をはじめとするグローバル市場へ「Honda Hybrid」搭載モデルを15車種投入する計画と書かれています。
この2つの年の読み方には注意が必要です。どちらも「グローバル」についての記述で、日本での発表や発売の時期は書かれていません。市場名として挙がっているのは北米だけで、それも「北米市場をはじめとする」という書き方です。日本に何がいつ入るのかについて、この発表は述べていません。
「順次」という語も合わせて読む必要があります。2027年に全部がそろうという書き方ではなく、そこから順に投入していくという計画です。2029年度までに15車種という数も、計画として書かれた総数で、年ごとの内訳は示されていません。車種の名前が1つも挙がっていないため、いま検討している車が対象に入るのかどうかも、この資料からは判断できません。
発表の時点で確定しているのは計画の枠だけです。新車の発表から発売までの流れそのものについては新車の発表から発売までの流れに、発表資料の読み方はプレスリリースの読み方にまとめています。
e:HEVはどうなるのか。発表の「変遷」から読めること
すでにe:HEVの車に乗っている人、これから買う人が知りたいのは、いまの名称がどうなるのかという点だと思います。発表はこの問いに直接は答えていません。ただ、参考として添えられたハイブリッド技術の変遷に、名称の扱い方の前例が書かれています。
| 発表年 | 発表に書かれているシステムと説明 |
|---|---|
| 1999年 | IMA(Integrated Motor Assist)。初代INSIGHTに初搭載された、エンジンを主動力とし、発進・加速時などにモーターがエンジンをアシストする軽量・コンパクトなパラレル方式ハイブリッド |
| 2012年 | SPORT HYBRID i-DCD(Intelligent Dual Clutch Drive)。高出力モーターを内蔵した7速DCTを採用する1モーターハイブリッドシステム |
| 2012年 | SPORT HYBRID i-MMD(Intelligent Multi-Mode Drive)。発電用・走行用の2モーターを備えたハイブリッドシステム。2020年以降はコミュニケーション名称を「e:HEV」とした |
| 2012年 | SPORT HYBRID SH-AWD(Super Handling All Wheel Drive)。エンジンと3つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステム |
| 2026年 | Honda Hybrid。e:HEVのエンジンやドライブユニットなどの構成部品と制御技術を進化させた次世代ハイブリッドシステム |
表で注目したいのは2012年と2020年の関係です。2012年に発表されたSPORT HYBRID i-MMDは、発電用・走行用の2モーターを備えたハイブリッドシステムで、2020年以降はコミュニケーション名称を「e:HEV」としたと書かれています。つまりe:HEVは、システムそのものの開発名ではなく、お客様へ伝えるための呼び名として後から置かれたものだという関係になります。
同じ発表が、Honda Hybridを「e:HEVのエンジンやドライブユニットなどの構成部品と制御技術を進化させた次世代ハイブリッドシステム」と説明しています。系譜としてはe:HEVの延長にあり、名称としては別のものが置かれた、という読み方になります。ただし、e:HEVという名称を今後どう扱うのか、つまり併記するのか置き換えるのかについての記載はありません。
ここを混ぜると「e:HEVの車が古いものになる」という読み方になってしまいます。発表が述べているのは、次に出るシステムの呼び名と、その技術がe:HEVから進化したものだという説明までです。いま売られている車の評価が変わったという話は書かれていません。
燃費について書かれているのは「手立て」だけ
発表は燃費について、数値をいっさい示していません。書かれているのは、どこを改善して燃費を上げるつもりなのかという手立てです。挙げられているのは、エンジンの高効率領域の拡大、ドライブユニットの高効率化・小型化、制御技術の進化の3つで、これらなどにより、さらなる燃費向上を目指すとしています。
燃費の数値は、車種・グレード・測定モードが決まってはじめて出るものです。当サイトは、測定モードが書かれていない燃費の数値を書きません。「さらなる燃費向上」という表現も、何と比べてどれだけという形では書かれていないため、現行車との差として扱うことはできません。仕様の数値をどう読むかは新車のスペック表の読み方にまとめています。
燃料代の差を自分の使い方で見積もりたい場合は、公表されている燃費と走行距離から計算する形になります。考え方はハイブリッドとガソリン車の燃料代の差に整理しています。今回の発表には、その計算に使える数値は含まれていません。
走りの側で挙げられている3つの技術
「Honda Hybrid」を搭載した次世代のハイブリッドモデルについて、発表は走りの側の技術も挙げています。1つめは新開発プラットフォームで、ボディーのしなりを活用してタイヤの接地力を高める「新操安剛性マネジメント」の採用により、剛性の最適化と軽量化を図ったと書かれています。
2つめはHonda独自の統合制御技術「Motion Management System」、3つめは新開発の電動AWD(オールホイールドライブ)です。発表は、これらなどにより、Hondaならではの五感に響く上質・爽快な走りと、さらに安心で意のままの走りを実現するとしています。いずれも名称と狙いだけが書かれており、構造、制御の中身、搭載する車種についての記載はありません。
当サイトは、試乗していない車の乗り味を書きません。ここに並んでいる表現は作る側が掲げた狙いであり、実際の乗り味は市販車が出てからでないと確かめられません。電動AWDについても、どの車種に載るのか、駆動の方式がどうなるのかは書かれていないため、現行の四輪駆動車との比較はできません。
ホンダが同じ時期に公表した別の技術の発表としては、走行中の給電を扱うホンダ、走行中給電の実証に向けた無線充電技術を開発があります。あちらは電動車の充電に関する発表で、今回のハイブリッドシステムとは別の資料です。
発表に記載がなかった項目
推測で補うと、確認していない情報が当サイトの記録として残ってしまいます。分からないものは、分からないまま挙げます。
| 項目 | 発表での扱い |
|---|---|
| 搭載する車種の名前 | 記載がありません |
| 日本での発表・発売の時期 | 記載がありません |
| 価格 | 記載がありません |
| 燃費の数値と測定モード | 記載がありません |
| 排気量、モーターの出力、システムの構成 | 記載がありません |
| e:HEVという名称を今後どう扱うか | 記載がありません |
| 電動AWDを搭載する車種、駆動の方式 | 記載がありません |
| 生産する拠点、国内生産の扱い | 記載がありません |
いずれも、ホンダの側から新しい一次情報が出た時点で確かめる項目です。発表に無い数値を、報道やほかのメーカーの事例から持ち込むことはしません。この記事は半年ごとに見直し、関連する発表が出た場合はその時点で確かめます。
いまハイブリッド車を検討している人の読み方
この発表は、いま販売されている車の選び方を変えるものではありません。示されたのは2027年から順次という計画と、2029年度までに15車種という計画で、日本の時期も車種名も書かれていません。待つべきかどうかを判断できる材料は、この発表には含まれていないと考えるのが正確です。
いっぽうで、読んでおく意味はあります。ホンダがハイブリッドの系譜を続ける前提で開発と生産のリソースを振り向けていること、そして次の世代で何を良くしようとしているのかが、作る側の言葉で公になった点です。燃費と走りの両方を挙げているという事実は、方向として記録しておく価値があります。
中古や現行車を検討している場合も、判断の材料は公表されている価格と燃費、そして実際の使い方です。将来のシステムを前提に「いま買うと損をする」といった読み方は、発表の範囲を超えます。ホンダの発表はホンダに、技術の発表は新技術・安全技術にまとめているので、同じ話題の続報はそちらから辿れます。
出典と、この記事を更新する条件
この記事は、本田技研工業株式会社が2026年10月9日に公表したニュースリリース「次世代ハイブリッドシステムの名称を『Honda Hybrid』に決定」を一次情報にしています。名称、時期、投入する車種の数、技術の名称と狙い、ハイブリッド技術の変遷は、いずれも発表の表記のまま転記しました。発表ページを確認した日は2026年10月13日です。
搭載する車種が公表された場合、日本での発表・発売の時期や価格が示された場合、燃費の数値が測定モードとともに公表された場合、またはe:HEVという名称の扱いについて新しい発表が出た場合に、この記事を更新して編集日を改めます。