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中古車の人気ランキングの根拠|公表されている台数はどこまであるか

中古車の人気ランキングは、何の台数を並べたものかで意味が変わります。毎月公表されている軽四輪車の中古車販売台数とメーカー別の内訳、車名別の台数が無料では公表されていないこと、新車の通称名別ランキングと混同しない読み方を、公表値だけで整理しました。

中古車の人気ランキングの根拠|公表されている台数はどこまであるか - チビカのニュースカード

中古車のランキングを探すと、車名が1位から順に並んだ表がいくつも出てきます。しかし、台数を根拠にした中古車の順位として公表されているものは、今回調べた範囲では軽四輪車のメーカー別までです。車名ごとの中古車の台数を無料で公表しているページは確認できませんでした。

つまり、車名が並んだ中古車ランキングを見たときに最初に確かめることは、順位そのものではありません。何の台数を、誰が、いつの期間について数えたのかです。売れた台数なのか、手続きの件数なのか、新車の台数なのかで、順位の意味はまったく変わります。

この記事では、公表されている台数データの所在を先に示し、そのうち毎月更新されるもの(全国軽自動車協会連合会の軽四輪車の中古車販売台数)を実際の数字で見ます。そのうえで、新車の通称名別ランキングを中古車の人気として読めない理由と、車名別の台数がどこにあるのかを整理します。当サイトは編集部の点数や星による順位を作りません。読者が同じ順位を再現できないためです。

価格の側から中古車を確かめる手順は中古車の相場の調べ方にあります。この記事は価格ではなく台数の話です。

公表されている中古車の台数は、合計とメーカー別まで

中古車の台数は、車種の区分ごとに別の団体が公表しています。軽四輪車は全国軽自動車協会連合会、登録車(普通乗用車や小型乗用車)は日本自動車販売協会連合会です。保有台数は自動車検査登録情報協会がまとめています。

統計の名称 公表元 対象 更新 形式 費用
軽四輪車 中古車販売台数 全国軽自動車協会連合会 軽四輪車の中古車(メーカー別の内訳あり) 月次 ページ上の表 無料
軽四輪車 中古車販売台数の年別推移 全国軽自動車協会連合会 軽四輪車の中古車(暦年の合計) 年次 ページ上の表 無料
中古車登録台数 日本自動車販売協会連合会 登録車の中古車 月次 PDF・EXCEL 無料
軽四輪車 通称名別新車販売台数 全国軽自動車協会連合会 軽四輪車の新車(通称名別) 月次 ページ上の表 無料
初度登録年別 自動車保有車両数 自動車検査登録情報協会 保有台数(メーカー別・車名別) 年次 冊子・電子データ 定価6,930円

この一覧を、データの種類と車種の区分で組み直すと、空いている場所がはっきりします。

中古車の台数データの公表状況を、合計台数・メーカー別・車名別の3行と、軽四輪車・登録車の2列で整理したマトリクス。軽四輪車は合計台数とメーカー別が毎月公表され、車名別の中古車台数はどちらの区分でも無料の公表を確認できていない
行がデータの種類、列が車種の区分です。右下の「保有台数は有料年報に掲載」だけが有料で、それも販売台数ではなく保有台数です。出典:全国軽自動車協会連合会「2026年8月 軽四輪車 中古車販売台数」/日本自動車販売協会連合会「中古車統計データ」/自動車検査登録情報協会「自動車保有車両数統計書」(確認日 2026-10-07)

登録車の中古車登録台数は毎月公表されていますが、公表の形はPDFとEXCELです。今回の取得方法ではファイルの中身を機械的に読み取れなかったため、この記事では登録車の台数そのものを書いていません。何が載っているかについても断定しません。読み取れたのは、同じページに書かれている集計の定義だけです。

毎月の順位を公表値で作れるのは、軽四輪車のメーカー別

全国軽自動車協会連合会は、軽四輪車の中古車販売台数を毎月、ページ上の表で公表しています。2026年8月は総台数206,106台で、前年同月比は104.2%でした。内訳は乗用車166,320台(104.3%)、貨物車39,786台(103.6%)です。1月から8月までの累計は1,978,570台と公表されています。

この表にはメーカーごとの行があります。公表されている値をそのまま、乗用車の台数が多い順に並べたものが次の図です。

2026年8月の軽四輪乗用車の中古車販売台数をメーカー別に並べた横棒グラフ。ダイハツ51,414台、スズキ47,385台、ホンダ33,725台、日産18,288台、三菱6,594台、マツダ4,253台、スバル2,837台、トヨタ1,813台、スマート10台、その他1台
並べ替えの基準は2026年8月の1か月間における軽四輪乗用車の中古車販売台数で、単位は台です。合計166,320台に対して、公表されている10区分すべてを表示しています。掲載順は評価ではありません。出典:全国軽自動車協会連合会「2026年8月 軽四輪車 中古車販売台数」(確認日 2026-10-07)

貨物車も含めた数字を並べると、同じ月のなかで列ごとに違う姿が見えます。

順位 メーカー 軽四輪乗用車 軽四輪貨物車 合計
1 ダイハツ 51,414 12,816 64,230
2 スズキ 47,385 12,101 59,486
3 ホンダ 33,725 4,156 37,881
4 日産 18,288 3,376 21,664
5 三菱 6,594 2,552 9,146
6 マツダ 4,253 871 5,124
7 スバル 2,837 3,247 6,084
8 トヨタ 1,813 667 2,480
9 スマート 10 - 10
- その他 1 - 1
合計 - 166,320 39,786 206,106

単位は台で、対象は2026年8月の1か月間です。「-」はページにその値の記載がないことを示します。順位の列は、乗用車の台数で並べた結果です。

この数字が載っているのは、協会のサイトにある月ごとのページです。

全国軽自動車協会連合会のウェブサイトで、2026年8月の軽四輪車 中古車販売台数が公表されているページのファーストビュー
引用した台数が掲載されている公表ページのファーストビューです。このページに「中古車新規検査+名義変更 台数」という注記が置かれています。出典:全国軽自動車協会連合会「2026年8月 軽四輪車 中古車販売台数」(確認日 2026-10-07)

並べ替えの基準を変えると、順位も変わります

上の表は乗用車の台数で並べましたが、合計の台数で並べ替えると6位と7位が入れ替わります。マツダは乗用車4,253台でスバルの2,837台を上回る一方、貨物車では871台とスバルの3,247台を下回るためです。合計ではスバル6,084台、マツダ5,124台となり、順序が逆になります。

これは、順位が数字の大きさではなく選んだ基準で決まることの実例です。同じ出典の、同じ月の、同じ公表値を使っていても、どの列を基準にするかで順位は動きます。だから当サイトでは、順位を出すときに並べ替えの基準を1つだけ示し、その単位と期間と出典を表の近くに必ず置いています。基準を書いていない順位は、読者が再現できません。

「販売台数」が数えているのは手続きの件数です

もう1つ、順位を読むうえで欠かせない注記があります。この表の台数は「中古車新規検査+名義変更 台数」です。つまり、お店から買った人の数ではなく、検査と名義の手続きの件数を合計したものです。

登録車の統計も同じ構造です。日本自動車販売協会連合会は、公表しているのが登録台数であり小売台数ではないこと、中古登録台数は新規登録台数と所有権の移転登録台数及び使用者名の変更登録台数という三つの手続きを合算したものであることを明記しています。家族のあいだでの名義変更も、同じ合計に入ります。

したがって「このメーカーの中古車がいちばん売れている」とは、これらの数字からは言えません。言えるのは「このメーカーの軽四輪車について、中古車の検査と名義変更の手続きがいちばん多かった」までです。手続きの件数は、保有している台数が多いメーカーほど増えやすいからです。

軽四輪車の保有台数は、令和7年12月末現在で32,275,371台と公表されています。1世帯当たりは0.55台、100世帯当たりは54.58台です。2025年の軽四輪車の中古車販売台数2,855,689台をこの保有台数で割ると約8.8%になりますが、保有台数は時点の値、販売台数は暦年の累計で、定義がそろっていません。この計算は規模の見当をつけるためのもので、回転率などの指標として扱えるものではありません。

10年間の台数は、280万台から315万台弱の範囲

順位を見る前に、全体の台数が増えているのか減っているのかを押さえておくと、順位の変動の読み方が変わります。全国軽自動車協会連合会は、軽四輪車の中古車販売台数の年別推移も公表しています。

軽四輪車の中古車販売台数の年別推移を示す折れ線グラフ。2016年2,993,468台から2019年3,146,470台まで増え、2022年に2,806,346台まで下がり、2025年は2,855,689台
縦軸はゼロ起点で、単位は台です。10年間の最多は2019年の3,146,470台、最少は2022年の2,806,346台で、その差は340,124台です。出典:全国軽自動車協会連合会「軽四輪車 中古車販売台数の年別推移」(確認日 2026-10-07)

10年のあいだ、台数は280万台から315万台弱の範囲で動いています。直近の2025年は2,855,689台で前年比1.0%増、内訳は乗用車2,287,346台(前年比1.0%)と貨物車568,343台(前年比マイナス0.5%)です。乗用車と貨物車で向きが違う年があることも、公表値から読み取れます。

全体の規模がこの範囲で推移しているとき、ある年の順位が1つ上がったことを「人気が急に高まった」と読むのは早すぎます。市場が大きく伸びていない中での順位の入れ替わりは、分母の変化ではなく分子の内訳の変化です。何台から何台へ動いたのかを、順位と一緒に確かめてください。

新車の通称名別ランキングは、中古車の順位ではありません

車名ごとの台数で順位が公表されているのは、軽四輪車では新車です。全国軽自動車協会連合会の通称名別新車販売台数(速報)では、2026年9月の乗用車ベスト15が公表されています。上位10位は次のとおりです。

順位 メーカー 通称名 2026年9月の新車販売台数
1 ホンダ N-BOX 19,105
2 スズキ スペーシア 16,088
3 ダイハツ タント 12,158
4 ダイハツ ムーヴ 12,119
5 日産 ルークス 10,332
6 スズキ ハスラー 8,158
7 三菱 デリカミニ/eK 7,505
8 スズキ ワゴンR 5,308
9 ダイハツ ミラ 4,647
10 ダイハツ タフト 4,491

単位は台で、対象は2026年9月の1か月間です。この表は速報値で、確報では値が変わる場合があります。注記として、通称名はメーカーごとに同一車名のものを合算して集計していること、デリカミニ/eKにeKクロス EVは合算していないことが示されています。

この順位を中古車のランキングとして読めない理由は3つあります。1つ目は数えている対象が新車であること。2つ目は、中古車として市場に出てくるのは登録から数年後になるため、同じ月の新車の順位と中古車の状況が一致しないこと。3つ目は、通称名の合算の範囲が注記で決められているため、世代やグレードを区別した順位ではないことです。

使い道がないわけではありません。新車で多く売れた車は、年数が経てば中古車としても台数が増える方向に働きます。ただしそれは将来の在庫の見通しであって、いま売れている中古車の順位ではありません。値落ちの見方はリセールが高い軽自動車で扱っています。

車名別の中古車ランキングは、無料の公表値では作れません

では、車名ごとの台数はどこにあるのか。自動車検査登録情報協会は、年報「初度登録年別 自動車保有車両数」に、メーカー別・車名(通称名)別・車種別・都道府県別の台数を掲載していると説明しています。A4判703頁の冊子で定価6,930円、電子データ版は68,090円です。

ここで注意したいのは、この年報の数字が保有台数であって販売台数ではないことです。いま何台あるかを示すもので、その年に何台が売買されたかを示すものではありません。車名別の順位を作れるとしても、それは「保有台数が多い車名の順」になります。中古車として多く流通した順ではありません。

参考に、自動車保有台数は令和8年6月末現在で83,086,808台と公表されています。都道府県別・車種別の内訳はPDFとExcelで提供されています。

結果として、今回の確認範囲では次のことが言えます。車名ごとの中古車の台数を扱った無料の公表データは見つからず、保有台数の車名別は有料の年報にあり、販売や登録の台数はメーカー別または車種区分別までです。車名が並んだ中古車ランキングを見かけたら、その数字の出所が公表統計ではない可能性を先に考えてください。

自分で順位を扱うときに決める3つのこと

読者の側で順位を使うときも、決めることは3つだけです。

1つ目は基準です。台数なのか、価格なのか、在庫数なのかを1つに決めます。2つ以上を混ぜて総合点にすると、その点数は作った人以外に再現できません。2つ目は期間と時点です。1か月なのか1年なのか、いつの時点のものかを、順位と同じ場所に書き残します。3つ目は母数です。順位の対象が何区分あったのか、値のなかった区分がいくつあったのかを数えておきます。

この3つがそろっていれば、他の人が作った順位と自分の見当がずれたときに、どこでずれたのかを確かめられます。そろっていない順位は、合っているかどうかを確かめる方法がありません。実際の候補選びでどの条件から固めるかは狙い目の中古車の見分け方にまとめています。

この記事で確認できなかったこと

書けなかった項目を残しておきます。

  • 登録車(普通乗用車・小型乗用車)の中古車登録台数の実数。公表はPDFとEXCELで、今回の取得方法では中身を機械的に読み取れませんでした
  • 登録車のメーカー別・車名別の中古車台数。無料で公表しているページを確認できませんでした
  • 車名別の保有台数の実数。掲載先は有料の年報で、今回は内容を参照していません
  • 中古車の小売台数。公表されている台数はいずれも検査・登録・名義変更の手続きを数えたもので、小売の台数ではないと各団体が明記しています
  • 2026年9月の軽四輪車の中古車販売台数。確認した時点では、月別のページに8月までしか掲載されていませんでした

よくある質問

中古車で人気の車種ランキングは、公的な統計で確認できますか

今回調べた範囲では確認できませんでした。車名ごとの台数を無料で公表しているのは軽四輪車の新車(通称名別)で、中古車については軽四輪車のメーカー別までです。車名別の保有台数は自動車検査登録情報協会の有料の年報に掲載されています。

軽自動車の中古車でダイハツが1位なのは、人気が高いということですか

そうとは読めません。2026年8月の軽四輪乗用車の中古車販売台数はダイハツが51,414台で最多ですが、この台数は中古車新規検査と名義変更の件数を合計したものです。保有している台数が多いほど手続きの件数も増えやすいため、人気の順位としては扱えません。

中古車の販売台数が前年を上回ったら、中古車が売れているということですか

言い切れません。全国軽自動車協会連合会の台数は中古車新規検査と名義変更の合計、日本自動車販売協会連合会の登録台数は新規登録・移転登録・変更登録の三つの手続きの合算です。名義変更だけが増えても数字は上がります。小売の動きを知りたい場合は、台数ではなく各社が公表している販売の実績を確かめることになります。