日産デイズにメーカーオプションとして設定された「SOSコール」について解説します

2019年3月28日に日産の軽自動車「デイズ」がフルモデルチェンジを行いました。一番の注目点は「SOSコール(ヘルプネット)」のメーカーオプション設定と言えます。今回はこのヘルプネットについてご紹介しましょう。

対象車種の拡大が伺えるヘルプネット

日産:デイズ [ DAYZ ] 軽自動車 | 走行・安全 | 先進技術 (58173)

今回、日産デイズに採用されたSOSコールは「ヘルプネット」と呼ばれる緊急通報システムです。これはすでにトヨタ、ホンダの一部車種ですでに採用されているシステムです。 このシステムを事業展開させているのが「株式会社 日本緊急通報サービス」です。直接問い合わせをしたところ、24時間365日、いつでも専任オペレーターと直接繋がることができるとされています。 ではどのうような場面で有効活用でき、どのような点に注意しなければならないのでしょうか。以下に述べていきたいと思います。 ちなみに日産自動車に問い合わせたところ、SOSコールはメーカーオプションとしての設定で税込み32,400円とのことです。私なら車両価格に32,400円を上乗せして標準装備であること、あるいはレスオプションとしアピールしたいところですが、他の理由や狙いもあるのかもしれません。

車両性能とは別の「安心・安全」の提供と確立

緊急通報サービス HELPNET (58176)

クルマにおける「安心・安全」とはクルマ本来の性能を示す「走る・曲がる・止まる」を基本原則としながら、ドライバーが気持ちよく運転できるクルマ単体の性能に注目されていました。また、各メーカーそれぞれの思想の下で磨きをかけてきました。言ってしまえば自動運転システムや運転支援システムもクルマ単体の性能に過ぎません。「中身の性能」と言えるでしょう。 対してヘルプネットは、「外からの干渉」により「安心・安全の提供と確立」を実現していると言えます。この「外からの干渉」を可能としているのは言うまでもなくIT技術、コネクティッドサービスです。 上記の図はヘルプネットの仕組みを図解で表しているものです。
主な使用方法は車内に備わっている「SOSコールスイッチ」を押すことにより、ヘルプネットに直接繋がる仕組みです。また、事故等でエアバッグが作動した際は自動で接続される仕組みも整えられています。 SOSコールにより緊急通報を受信した「ヘルプネットオペレーションセンター」が適切な対応で対象者をサポートします。

あおり運転撲滅への可能性

「あおり運転」恐怖の瞬間 警察取り締まりに密着,こんなことを許せるか?みなさんご意見をぜひどうぞ

ヘルプネットの活躍の幅は事故や急病の時だけではありません。
近年、大きな社会問題として取り上げられているあおり運転。さらに急な幅寄せや意図しない周囲からの悪質妨害行為など、ドライバーが恐怖を感じるシーンでもヘルプネットは活躍します。 例えば、執拗なあおり運転を受け恐怖を感じた時など、SOSコールを活用すればオペレーターが警察に通報してくれます。 個人的には事故や急病以上に、悪質な妨害行為と遭遇してしまう可能性の方が高いのではないかと考えています。このような場面に遭遇しても助けてくれる相手がデジタルを通じてではありますが、身近に存在しているというのは大きな安心感を得ることでしょう。その安心感は心理的にも大きなプラス要素として働き、結果的に安全運転の実現へと結ばれていくと信じています。 なにより、このヘルプネットが広まることは悪質ドライバーに対して大きなけん制となります。仮に前方を走るクルマにあおり運転を試みようとしましょう。しかしヘルプネットが当然視されていれば、通報され、検挙されるのは目に見えています。 少々過激な話かもしれませんが、効果的な防衛手段というのは双方共に安心・安全なドライブの実現に現状最も効果的な方法と言えるのかもしれません。

ドライバーにも求められる「使用モラル」

難しい選択、意思決定、行動科学、自己質問、好奇心の概念

難しい選択、意思決定、行動科学、自己質問、好奇心の概念

Licensed by Getty Images
ヘルプネットがいつでも対応可能とは言え、安易に使用することはお勧めできません。「安易」とは人ぞれぞれ考え方やボーダーラインがあると思いますが、例えば道がわかないから道案内役として利用する…などです。自分で調べられるものは自分で調べるべきでしょう。 ヘルプネットは有人のオペレーターが構えてくれています。人と繋がる以上は利用者側のモラルもそれ相応に求められるべきですので、あくまで「事故」「急病」「恐怖を感じた時」など、急を要する場面での利用と認識しておくことが大切です。

まとめ

株式会社 日本緊急通報サービスによると、ヘルプネットはスバル、マツダにも搭載予定とされており順次拡大が見込まれています。これは私がSNS等を通して推奨しているMaaS及びライドシェア普及にも非常に有効かつ効果的な防衛手段であり移動における懸念点の一つの解決策とも言えます。 それだけではありません。交通面でも不便な交通過疎地域においては軽自動車の保有率は高く、ドライバーも高齢者が多いとされています。
そういう面では日産デイズに、つまり軽自動車というカテゴリーにヘルプネットを初めて実装させたことは大いに評価されるべきポイントと言えるでしょう。 今後の拡大に期待します。
]]>

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です