この記事は、マツダ株式会社が 2026/09/29に公表した発表を一次情報にしています。 価格・発売日・仕様は発表の表記をそのまま記録しています。
出典:マツダ、2026年8月の生産・販売状況について(確認日 2026/09/29)
マツダは2026年9月29日、2026年8月の生産・販売状況を公表しました。単月の合計は、グローバル生産が90,105台(前年比+6.2%)、国内販売が11,195台(+12.8%)、輸出が44,891台(-1.6%)、グローバル販売が98,881台(±0.0%)です。4つの区分がそろって同じ向きに動いた月ではありません。
この記事は、公表資料に載っている台数・前年比・注記だけを転記して並べ直したものです。台数が動いた理由、資料に名前の出ていない車種の実績、今後の生産や販売の計画は資料に書かれていないため、当サイトでも書きません。資料には前年の台数そのものを示す欄がないので、前年比から前年の実数をさかのぼって求めることもしていません。
先に、読み方の注意を1つ置きます。生産・輸出・販売は別々の集計で、資料の注記で対象範囲が書き分けられています。作った台数から売れた台数を引いて在庫を求める、という読み方はできません。どの欄から取った数字なのかを確かめないまま引用すると、同じ月の実績から正反対の結論を書けてしまいます。
4区分のうち3つで、単月と累計の向きが入れ替わる
| 区分 | 2026年8月 | 前年比 | 2026年1~8月 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| グローバル生産 | 90,105台 | +6.2% | 796,645台 | +6.9% |
| 国内販売 | 11,195台 | +12.8% | 100,535台 | -3.2% |
| 輸出 | 44,891台 | -1.6% | 429,599台 | +11.8% |
| グローバル販売 | 98,881台 | ±0.0% | 809,715台 | -4.4% |
単月で前年同月を上回ったのはグローバル生産と国内販売、下回ったのは輸出、前年と同じ水準だったのがグローバル販売です。ところが1~8月の累計に目を移すと、前年同期を上回っているのはグローバル生産(+6.9%)と輸出(+11.8%)で、国内販売(-3.2%)とグローバル販売(-4.4%)は前年同期を下回っています。4区分のうち3つで、単月と累計の向きが入れ替わります。
ここが、月次の実績を引用するときにいちばん取り違えやすいところです。「マツダの輸出は前年を上回った」も「マツダの輸出は前年を下回った」も、この1つの資料から書けてしまいます。前者は累計、後者は単月の話です。台数を控えるときは、数字と前年比だけでなく、どの期間の欄から取ったのかまで一緒に記録しておくことになります。
前年比は、前年の同じ期間を100とした水準として記載されています。+12.8%なら前年同月より多く、-3.2%なら前年同期より少なかった、という読み方です。累計の起点は1月で、8月分の公表なので1~8月で切られています。4月を起点にした年度の累計は、この資料には載っていません。
生産は、単月では海外が伸び、累計では海外だけが前年割れ
| 区分 | 2026年8月 | 前年比 | 2026年1~8月 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 国内生産 | 49,325台 | +0.9% | 508,716台 | +11.9% |
| 海外生産 | 40,780台 | +13.4% | 287,929台 | -0.9% |
| 合計(グローバル生産) | 90,105台 | +6.2% | 796,645台 | +6.9% |
生産の内訳は、国内生産が49,325台(+0.9%)、海外生産が40,780台(+13.4%)です。単月では国内がほぼ前年同月の水準にとどまり、海外が二桁の伸びになっています。累計では逆で、国内生産が508,716台(+11.9%)と前年同期を上回るいっぽう、海外生産は287,929台(-0.9%)で前年同期を下回りました。国内と海外で、単月と累計の見え方が入れ替わっています。
この区分には、資料の注記が3つ関わります。注記1は、国内・海外生産および輸出が乗用車のみを対象とすること。注記2は、海外生産がマツダブランド車のラインオフベースで、CKDを除くこと。注記3は、グローバル生産が国内生産と海外生産の合計であることです。
注記2の「ラインオフベース」は、生産ラインから車両が出た時点で数える集計のことを指す言い方です。CKDは、完成した車ではなく部品の状態で送り、現地で組み立てる方式を指します。資料にこれらの用語の説明そのものは置かれていませんが、海外生産の台数に含まれない作り方があると注記で断られている点は読み落とさないほうがよい部分です。海外生産の台数を「マツダが海外で関わっている生産のすべて」と受け取ると、注記の範囲を超えた読み方になります。
主要車種として名前が出る車種は、区分ごとに違う
| 区分 | 車種 | 2026年8月 | 前年同月比 |
|---|---|---|---|
| 国内生産 | CX-5 | 23,788台 | +16.3% |
| 国内生産 | MAZDA3 | 8,829台 | +3.4% |
| 国内生産 | CX-90 | 4,217台 | +39.0% |
| 海外生産 | CX-50 | 12,191台 | +7.5% |
| 海外生産 | CX-30 | 8,813台 | +11.3% |
| 海外生産 | EZ-60/CX-6e | 5,317台 | +579.9% |
| 輸出 | CX-5 | 23,499台 | +13.8% |
| 輸出 | MAZDA3 | 8,181台 | +4.1% |
| 輸出 | CX-90 | 3,806台 | +31.0% |
| 国内販売 | CX-5 | 3,252台 | +112.0% |
| 国内販売 | MAZDA2 | 1,824台 | +6.2% |
| 国内販売 | MAZDA3 | 1,224台 | +43.3% |
| グローバル販売 | CX-5 | 28,807台 | +9.4% |
| グローバル販売 | CX-30 | 15,533台 | -4.1% |
| グローバル販売 | MAZDA3 | 12,817台 | +10.9% |
資料は区分ごとに主要車種を3車種だけ挙げています。並ぶ顔ぶれは区分で違い、国内生産と輸出ではCX-90が、海外生産ではCX-50とEZ-60/CX-6eが、国内販売ではMAZDA2が名前を出しています。ある車種が売れているかどうかを、1つの区分だけで決めることはできません。国内で作って輸出した台数と、国内の店頭で売れた台数は、同じ車種でも別の集計です。
前年同月比の大きさと台数の大きさを結びつけないよう注意が必要な並びもあります。海外生産のEZ-60/CX-6eは5,317台で+579.9%、同じ区分のCX-50は12,191台で+7.5%です。前年比が大きいほうが台数も多い、とは限りません。前年の台数が小さければ、少し増えただけで比率は大きく出ます。資料に前年の実数が載っていないため、何台増えたのかはこの資料からは求められません。
国内販売のCX-5が3,252台(+112.0%)となっている点も、同じ読み方をします。倍を超える水準として記載されていますが、台数そのものは3,252台です。CX-5のグレード構成と価格はマツダ CX-5のグレードと価格に、公式の商品ページを一次情報として整理しています。
欧州は、輸出と海外販売で向きが逆になっている
| 集計 | 内訳 | 2026年8月 | 前年比 | 2026年1~8月 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 輸出 | 北米 | 20,060台 | +17.7% | 211,609台 | +11.1% |
| 輸出 | 欧州 | 10,492台 | -24.3% | 92,269台 | +22.1% |
| 輸出 | オセアニア | 3,781台 | +2.3% | 36,639台 | +2.2% |
| 輸出 | その他 | 10,558台 | -4.3% | 89,082台 | +8.3% |
| 輸出 | 合計 | 44,891台 | -1.6% | 429,599台 | +11.8% |
| 海外販売 | 米国 | 34,735台 | -8.9% | 275,754台 | -6.0% |
| 海外販売 | 中国 | 5,648台 | -1.0% | 41,889台 | -4.0% |
| 海外販売 | 欧州 | 11,431台 | +44.2% | 114,651台 | +12.6% |
| 海外販売 | その他 | 35,872台 | -3.5% | 276,886台 | -9.1% |
| 海外販売 | 合計 | 87,686台 | -1.4% | 709,180台 | -4.6% |
同じ「欧州」という語が、2つの集計に出てきます。輸出の欧州は10,492台で前年比-24.3%、海外販売の欧州は11,431台で+44.2%です。単月では、輸出と販売で向きが逆になっています。累計では輸出が92,269台(+22.1%)、海外販売が114,651台(+12.6%)で、どちらも前年同期を上回っています。
この2つは、そもそも数えているものが違います。輸出は日本から出した台数で、注記1により乗用車のみが対象です。海外販売はその地域で売れた台数で、資料に対象範囲の注記は添えられていません。地域の区切り方も違い、輸出は北米・欧州・オセアニア・その他の4つ、海外販売は米国・中国・欧州・その他の4つです。北米と米国は同じ範囲ではありません。
向きが逆になった理由は、この資料には書かれていません。船積みの時期と店頭で売れる時期のずれなど、もっともらしい説明はいくつも思いつきますが、どれも資料の記載ではないため当サイトでは書きません。確認できるのは、同じ月の資料に逆向きの数字が並んでいるという事実までです。
国内販売は、同じ合計を2通りの区分で割っている
| 区分 | 2026年8月 | 前年比 | 2026年1~8月 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 乗用車 | 10,524台 | +14.4% | 94,286台 | -3.0% |
| 商用車 | 671台 | -8.3% | 6,249台 | -5.2% |
| 登録車 | 8,800台 | +16.7% | 78,694台 | -2.2% |
| 軽自動車 | 2,395台 | +0.2% | 21,841台 | -6.3% |
| 合計 | 11,195台 | +12.8% | 100,535台 | -3.2% |
国内販売の欄は、同じ11,195台という合計を2通りの切り方で示しています。1つは乗用車10,524台(+14.4%)と商用車671台(-8.3%)、もう1つは登録車8,800台(+16.7%)と軽自動車2,395台(+0.2%)です。4つの数字を全部足すと合計の倍になります。表を機械的に読んで合算しないよう、どちらの切り方の行なのかを見る必要があります。
単月では、登録車が+16.7%と伸びたいっぽう、軽自動車は+0.2%でほぼ前年同月の水準です。累計では登録車が78,694台(-2.2%)、軽自動車が21,841台(-6.3%)で、どちらも前年同期を下回っています。乗用車と商用車の切り方でも、累計は乗用車94,286台(-3.0%)、商用車6,249台(-5.2%)とそろって前年割れです。
ここで確認できるのは、メーカー1社の月次の販売台数です。車種別の販売台数ランキングとは集計の作り方が違い、母数も対象期間も別物です。ランキングの数字を読むときに何を確かめるべきかは新車販売台数ランキングの見方に整理しています。月次の実績から、ある車種の納期や中古車の相場を導くこともできません。どちらもこの資料には記載がありません。
資料に添えられた注記と、この記事で確認できなかったこと
資料の注記は4つです。国内・海外生産および輸出は乗用車のみであること、海外生産はマツダブランド車のラインオフベース(CKDを除く)であること、グローバル生産は国内生産と海外生産の合計であること、そして記載情報は発表日時点のデータであり、発表日以降の修正は未反映であることです。
4つ目は、引用するときに効いてきます。後から修正される可能性が資料そのものに書かれています。この記事に並べた台数も、2026年9月29日時点の値として扱ってください。あとで数字が変わっていた場合、それは誤りではなく、公表元が修正したということです。
この資料から分からないことも、はっきりさせておきます。台数が動いた理由、資料に名前の出ていない車種の実績、グレードや仕様ごとの内訳、在庫や納期の状況、今後の生産計画は、いずれも記載がありません。地域別の内訳も、輸出と海外販売でそれぞれ4つの区分までで、国ごとの明細までは載っていません。発表資料の読み方そのものについてはプレスリリースの読み方にまとめています。
出典と、この記事を更新する条件
この記事は、マツダが2026年9月29日に公表した「マツダ、2026年8月の生産・販売状況について」を一次情報にしています。台数、前年比、区分の名称、注記は公表資料の表記のままです。公式ページを確認した日は2026年10月29日です。区分の並べ方と、どの欄の数字かを示す整理の部分は当サイトによるものです。
公表元が数値を修正した場合、または注記の内容が変わった場合に、この記事を直して編集日を改めます。月次の資料は内容が追加・修正されることがあるため、3か月を目安に出典を再確認します。1か月前の実績はマツダ 2026年7月の生産・販売状況に、他社の同じ月の実績は生産・販売台数に、マツダの発表はマツダに集めています。