カーリース比較

カーリースの任意保険|月額に含まれる型と自分で手配する型

カーリースの「保険料込み」には、自賠責保険料だけの場合と任意保険まで入る場合があります。4サービスの公表内容を同じ枠に並べ、国土交通省と日本損害保険協会の資料で、どちらの型を選ぶと何が自分の負担として残るのかを確かめました。

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「保険料込み」「保険もコミコミ」と書かれたカーリースの案内は、その一言だけでは、どの保険が入っているのかを決められません。カーリースの月額に入っている保険は、自賠責保険料だけの場合と、自賠責保険料に任意保険(自動車保険)の保険料まで加わっている場合に分かれます。見た目はどちらも「保険込み」です。

今回、公式ページで記載を確認できた4サービスのうち、任意保険まで月額利用料に含まれると公表していたのは1サービスでした。残る3サービスは、月額に入っているのは自賠責保険料までで、任意保険は契約者が自分で手配するという書き方をしています。つまり「保険込み」の表示は、3対1で意味が違うものに同じ言葉が使われています。

この記事では、その見分け方と、どちらの型を選んだときに何が自分の負担として残るのかを並べます。保険料の金額は書きません。任意保険の保険料は等級、年齢、車種などで変わり、月額のうち保険料だけを切り出した額を公表しているサービスを確認できていないためです。契約年数・走行距離・含まれる費目の比べ方はカーリース比較に、自賠責保険と任意保険そのものの境目は自賠責保険と任意保険の違いに分けて書きました。

月額に入っている「保険」は、2通りに分かれる

自賠責保険は、すべての自動車が入っていなければ運転できない保険です。国土交通省は、自動車損害賠償保障法に基づき、自賠責保険・共済に入っていなければ運転することはできないと説明しています。したがって、カーリースで車に乗れる状態になっているなら、自賠責保険には必ず入っています。月額に自賠責保険料が入っているのは、どのサービスでも当たり前のことで、サービスを選ぶ手がかりにはなりません。

手がかりになるのは、その先です。国土交通省は、自賠責保険・共済の対象は人身事故による対人損害賠償のみで、物損事故は補償の対象にならないと明記しています。支払限度額は被害者1人につき、傷害が最高120万円、死亡が最高3,000万円、後遺障害が最高4,000万円〜75万円(後遺障害等級による)です。相手のけがや死亡についてはここまでが引き受けられ、相手の車や建物を壊した分、そして自分の車や自分のけがは、この保険からは出ません。

その足りない部分を引き受けるのが任意保険です。一般社団法人日本損害保険協会は、対人賠償保険を、自賠責保険の補償額を超える部分に対し保険金が支払われるものと説明し、対物賠償保険を、他人の自動車や建物などの財物に与えた損害に対して法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われるもの、車両保険を、偶然な事故により自動車が損害を受けた場合に保険金が支払われるものとしています。

月額に保険が含まれると書かれている場合の2つの分かれ方を示した図。左は自賠責保険料だけが入っている型で、対象は他人の人身損害だけ、物損は対象外、支払限度額は傷害120万円・死亡3000万円・後遺障害4000万〜75万円、該当は4サービス中3。右は自賠責保険料と任意保険料が入っている型で、対人・対物は無制限、人身傷害は1名5000万円まで、車両保険の自己負担は1事故5万円、等級の引継ぎは不可、該当は4サービス中1
同じ「保険込み」でも、自賠責保険料までか、任意保険料まで入るかで分かれます。左の限度額は国土交通省「自賠責保険・共済ってどんなもの?」、右の補償の値はKINTO「自動車保険」の公表値です。確認日:2026-10-22。

ここまでを押さえると、案内の読み方が変わります。「保険」と書かれていたら、まず自賠責だけを指しているのかを確かめる。そのうえで、任意保険まで入っているなら、どんな補償がどの額で付いているのかを確かめる。この2段を踏まないと、月額に入っている金額の中身が違うものどうしを見比べることになります。

4サービスの公表内容を、同じ枠に並べる

並べたのは、おトクにマイカー 定額カルモくん、オリックスカーリース(新車リース)、コスモMyカーリース、KINTO ONEの4つです。個人向けの新車リースのうち、任意保険の扱いを公式ページで確認できたものを採りました。母数は4サービスで、他を除いた判断ではありません。掲載順はサービス名の五十音順(アルファベット表記のものは末尾)で、順位やおすすめ度ではありません。

サービス 任意保険は月額に含まれるか 公式ページの記載
おトクにマイカー 定額カルモくん 含まれない 「月額料金には任意保険は含まれておりません。お客様ご自身で任意保険にご加入いただくか、既存の任意保険を継続してご利用ください」。リース契約に特化した「カルモあんしん自動車保険」を用意している旨の記載あり
オリックスカーリース(新車リース) 含まれない 「リース契約には自賠責保険以外は付保されていませんので、万が一の場合に備えて自動車を購入された場合と同様に、お客さまご自身で車両保険付の自動車保険に加入されることをおすすめします」
コスモMyカーリース 含まれない(店舗によって含められる場合あり) 「リース契約には含まれておりませんので、別途ご加入いただく必要がございます。ただし、コスモMyカーリース取扱店舗によってはリース料金に含めることができる場合がございますので、お問い合わせください」
KINTO ONE 含まれる 「自動車保険(自賠責保険・任意保険)料」が月額利用料に含まれる。車両保険コミとの記載あり

出典は定額カルモくん「よくあるご質問」、オリックスカーリース「マイカーリース よくあるご質問」、コスモMyカーリース「よくあるご質問|税金・保険について」、KINTO「月額に含まれるサービス」です。確認日はいずれも2026-10-22です。

この表でいちばん読み落としやすいのがコスモMyカーリースの行です。会社の方針として「含まれない」でありながら、取扱店舗によってはリース料金に含められる場合があると書かれています。同じサービス名で契約しても、どの店舗で契約するかで月額の中身が変わるということです。含められる店舗の条件や範囲は、今回確認したページには記載がありませんでした。問い合わせるよう案内されているため、確かめる相手は店舗になります。

なお、同社は自賠責保険についてはゴールドパックもしくはシルバーパックに含まれると記載しています。パックの選び方で含まれる費目が動く構造は、任意保険の有無とは別の話として残ります。

含まれる型は、補償の内容が契約で決まっている

任意保険が月額に含まれるということは、保険料を払わなくてよいという意味ではありません。保険料は月額の中に入っていて、代わりに補償の内容を自分で選べないという意味です。KINTO ONEの場合、その内容は次のように公表されています。

項目 公表されている内容
対人賠償責任保険 無制限
対物賠償責任保険 無制限
人身傷害保険 1名につき5,000万円まで(レクサス車は1億円)
車両保険 支払限度額:リース契約の規定損害金/自己負担額:1事故あたり5万円
ロードアシスト 15万円(レッカー料金の距離にして約200km)が限度
運転者の範囲(個人契約) ご契約者様が認めた自動車免許を保有する方。年齢による運転者の制限もありません
保険契約の契約者 株式会社KINTOが契約者として保険契約を締結
等級の扱い 現在加入中の保険を利用しての契約および等級の引継ぎは出来ません
事故で保険を使った場合 万が一事故で保険を使用しても、月額利用料は変わりません

出典はKINTO「自動車保険」(確認日2026-10-22)です。各項目には注記(※)が付いているため、適用の条件は公式ページで確かめてください。

この一覧のうち、自分で任意保険に入る場合との差がはっきり出るのは、運転者の範囲と等級の2項目です。年齢による運転者の制限がないことは、若い家族が運転する世帯では意味が大きい条件です。自分で加入する場合、運転者の年齢条件は保険料を左右する項目のひとつだからです。一方で、現在加入中の保険を利用しての契約および等級の引継ぎは出来ないと明記されています。長く無事故で続けてきた等級を持っている人は、その等級をこの契約の中では使えません。

事故のあとの扱いも、型として違います。KINTOは、事故で保険を使用しても月額利用料は変わらないとしています。車両保険の自己負担額が1事故あたり5万円と決まっているため、自分の車の修理については、この額を超えた部分が保険からの支払いになります。

KINTOの「自動車保険」のページ。月額利用料に含まれる自動車保険の補償内容が示されている
補償の内容と等級の扱いの根拠にしている、KINTOの自動車保険のページです。出典:KINTO「自動車保険」(確認日2026-10-22)。引用のためファーストビューのみを掲載しています。

自分で手配する型は、月額の外に保険料と等級が残る

残る3サービスのように任意保険が含まれない場合、月額を払っていても、任意保険の保険料は別に出ていきます。月額の数字を見ているだけでは、この支出は視界に入りません。オリックスカーリースは、リース契約には自賠責保険以外は付保されていないとしたうえで、車両保険付の自動車保険に加入することをすすめ、おすすめの自動車保険を紹介すると案内しています。定額カルモくんは、自分で加入するか既存の任意保険を継続して利用するよう案内し、リース契約に特化した自動車保険を別に用意しています。

この型の長所と短所は、どちらも等級に結びついています。日本損害保険協会は、保険期間中の事故の有無に応じて契約者の等級がアップ・ダウンし、それに応じて翌年の契約保険料が増減する等級別料率制度が採用されていると説明しています。自分で契約する形であれば、これまで積み上げてきた等級をそのまま使えます。定額カルモくんが「既存の任意保険を継続してご利用ください」と書いているのは、この継続ができる型だということです。裏返すと、事故で保険を使った翌年には保険料が上がり、その増減は自分に返ってきます。

任意保険が月額に含まれる型と自分で手配する型を、保険料の支払い先・補償の決め方・等級の扱い・事故のあと・契約前に見る書類の5項目で左右に並べた比較マトリクス。含まれる型はリース会社へ月額の一部として払い補償はリース契約の規定で決まり等級の引継ぎは不可、自分で手配する型は保険会社へ別に払い補償を自分で選び既存の任意保険を継続できることを示している
保険料の出口、補償を決める人、等級の扱いが型ごとに入れ替わります。各欄は各社の公表表記と日本損害保険協会の説明によります。確認日:2026-10-22。左右は型の違いで、優劣ではありません。

契約前に見る書類も変わります。含まれる型では、公式ページの補償一覧と注記、そしてリース契約書の保険に関する条項が確認の対象です。自分で手配する型では、いま持っている保険証券(等級、保険料、補償内容)と、リース契約がどんな付保条件を求めているかを突き合わせることになります。車両保険を付けることを求められている場合、その分の保険料が上乗せになります。

国民生活センターも、カーリースについて、契約書の内容をしっかり確認して不明な点があれば必ず契約前に事業者に確認するよう呼びかけています。保険は、契約書と保険証券という2つの書面にまたがる項目です。片方だけを見て判断できる項目ではありません。

同じ土俵に載せるまでの手順

ここまでの材料を、見積もりを取る前の手順にそろえます。順番が大事なのは、先に月額を集めてしまうと、含まれる型と含まれない型が同じ表に混ざるからです。

カーリースの任意保険を比べる4つの工程を縦に並べた図。1は保険証券を開いて等級と年間保険料と補償内容と運転者の範囲を書き出す、2は月額に含まれる型の公表された補償条件をそのまま写す、3は自分で手配する型はリース契約が求める付保条件を伝えて見積もりを取る、4は同じ契約年数で月額掛ける支払回数と別に払う保険料と自己負担の想定を合計して並べる
保険の条件をそろえてから、月額を集めます。工程に出てくる付保条件と店舗の扱いは各社公式ページ(確認日2026-10-22)の記載によります。保険料の金額は、等級・年齢・車種で変わるため示していません。

最初にやることは、新しい見積もりを取ることではなく、いまの保険証券を開くことです。等級、年間の保険料、対人・対物・車両保険の有無、運転者の範囲と年齢条件を書き出します。この5つが、自分で手配する型を選んだときの支出と補償になります。ここが分からないまま比べると、比較の片側が空欄のままになります。

次に、含まれる型については、公表されている補償条件をそのまま写します。選べない項目なので、その内容で自分の使い方に足りるかどうかを先に判断します。足りないと感じる項目があるなら、その型は候補から外れます。含まれているかどうかではなく、含まれている内容で足りるかどうかが判断の分かれ目です。

自分で手配する型については、リース契約が求めている付保条件を保険会社へ伝えて見積もりを取ります。コスモMyカーリースのように店舗によってリース料金へ含められる場合は、どちらの形になるのかを店舗に確かめてから見積もりの依頼先を決めます。

最後に、同じ契約年数で合計を出します。月額に支払回数を掛け、別に払う保険料を足し、事故のときの自己負担の想定を同じ欄に置きます。契約年数と走行距離の条件がそろっていなければ、この合計どうしも比べられません。年数と距離のそろえ方はカーリース比較に、途中でやめる場合の扱いはカーリースの中途解約と違約金にまとめてあります。

確認できなかったこと

この記事で埋められなかった項目を残します。

月額利用料のうち、任意保険の保険料がいくらなのかは、4サービスのいずれについても確認できませんでした。保険料だけを切り出して公表しているページを見つけられていません。したがって、含まれる型と自分で手配する型のどちらが安いかは、この記事では判断できません。判断できるのは、自分の見積もりを取ったあとの合計を並べたときだけです。

定額カルモくんが用意している「カルモあんしん自動車保険」の補償内容と保険料、オリックスカーリースが紹介している自動車保険の内容も、今回は確認していません。別のページや契約時の案内で扱われているためです。コスモMyカーリースで任意保険をリース料金に含められる店舗の条件と範囲についても、今回確認したページには記載がありませんでした。

KINTO ONE以外に、任意保険を月額に含めると公表しているサービスがあるかどうかも、今回は4サービスの範囲でしか確認していません。載っていないことが、そのサービスの評価を示すものではありません。

この記事のまとめ

カーリースの「保険料込み」は、自賠責保険料までの場合と、任意保険料まで入っている場合に分かれます。今回確認できた4サービスでは3対1で前者が多く、同じ表示が別の意味で使われていました。

任意保険が含まれる型では、補償の内容がリース契約の規定として決まっており、KINTO ONEは対人・対物を無制限、車両保険の自己負担を1事故あたり5万円と公表しています。年齢による運転者の制限がない一方で、いま加入している保険の等級は引き継げません。自分で手配する型では、等級をそのまま使える代わりに、保険料が月額の外に残り、事故の翌年の増減も自分に返ってきます。

どちらが自分に合うかは、いまの等級と、誰が運転するかで変わります。先に保険証券を開き、補償条件を写し、同じ契約年数の合計を出す。この順番で並べれば、月額の数字が同じ意味を持つようになります。この記事の内容は2026-10-22に各社の公式ページと公的資料で確認したもので、条件は改定されることがあります。