カーリースを比べようとして各社の公式サイトを開くと、同じ項目が同じ形では並んでいません。契約年数を「3年・5年・7年」と書くサービスもあれば「1年から11年」と書くサービスもあり、走行距離は「月間◯km」と書くところと「経過月数×◯km」と書くところがあります。並べ方が違うので、そのままでは横に並びません。
先に答えを書きます。カーリースの比較で最初にそろえるのは月額ではなく、契約年数、走行距離の上限、月額に含まれる費目の3つです。この3つはどのサービスも公式ページに書いているため、見積もりを依頼する前に自分で突き合わせられます。逆に、この3つがそろっていない状態で月額だけを並べても、中身の違う金額を見比べていることになります。
この記事では、2026年9月12日に公式ページで記載を確認できた4つのサービスについて、その3項目を同じ枠へ並べます。月額の金額は扱いません。車種、グレード、オプション、契約条件で変わるうえ、公表された標準額が無いためです。月額がどうやって決まるのかは月額の安いカーリースに、借りるという契約そのものの性質はカーリースとはに分けて書きました。
読み終えたときに手元に残るのは、4サービスの条件の一覧と、それを自分の使い方に当てはめる順番です。とくに走行距離は、上限の数字よりも数え方のほうが結果を左右します。
並べた4サービスと、順位を付けない理由
この記事で扱うのは、おトクにマイカー 定額カルモくん、オリックスカーリース、コスモMyカーリース、KINTO ONEの4つです。個人向けの新車リースのうち、契約年数・走行距離・含まれる費目の3項目すべてを公式ページで確認できたものを採りました。母数は4サービスで、他を除いた判断ではありません。同じ3項目を公式ページで確認できたものから順に増やしていきます。
掲載順はサービス名の五十音順(アルファベット表記のものは末尾)です。順位やおすすめ度ではありません。当サイトは事業者から独自に収集・検証した評価データを持っていないため、編集部の点数や星で順位を作りません。並べ替えの基準にできるのは、読者が同じ手順で再現できる公表値だけです。この記事の3項目は、いずれも各社が公式ページに書いている値そのもので、出典URLと確認日を項目ごとに付けています。
条件が確認できなかった項目は、埋めずに「-」で残しました。これは「その制度が無い」という意味ではなく、今回見たページには書かれていなかったという意味です。契約前には、必ず見積書と契約書で同じ項目を確かめてください。国民生活センターも、契約書の内容をしっかり確認し、不明な点は必ず契約前に事業者へ確認するよう呼びかけています。
契約年数:選べる幅がサービスごとに違う
最初にそろえるのは契約年数です。カーリースの月額は、同じ額をより多い回数に分けるほど小さくなるため、年数の違う月額どうしを並べても意味がありません。そして、選べる年数の幅そのものがサービスごとに違います。
| サービス | 選べる契約年数 | 中途解約の扱い |
|---|---|---|
| おトクにマイカー 定額カルモくん | 新車は1年〜11年 | -(今回見たページでは確認できず) |
| オリックスカーリース | いまのりくん5年/いまのりセブン7年/いまのりナイン9年/いまのりイレブン11年 | いまのりくんは契約開始後2年が経過したら、いつでも乗り換えや返却ができると記載 |
| コスモMyカーリース | 3年/5年/7年/9年 | -(今回見たページでは確認できず) |
| KINTO ONE | 初期費用フリープランはトヨタ車・SUBARU車が3年・5年・7年、レクサス車は3年のみ。解約金フリープランはトヨタ車3年 | 初期費用フリープランは所定の手数料が必要。解約金フリープランは中途解約金なしでいつでも解約が可能 |
出典は、定額カルモくん「よくあるご質問」、オリックスカーリース「マイカーリース よくあるご質問」と「新車リース いまのりくん(5年契約)」、コスモMyカーリース「プラン・ご契約について」、KINTO「契約プラン」です。確認日はいずれも2026-09-12です。
図にすると、比較の難しさがどこにあるのかが見えます。定額カルモくんは1年刻みで選べるため、短く借りたい人と長く借りたい人の両方が同じ表に載ります。一方のオリックスカーリースは、年数がプラン名と結びついていて、5年・7年・9年・11年のいずれかを選ぶ形です。年数を選ぶのではなく、プランを選ぶと年数が決まるということになります。
KINTO ONEは、年数が車のブランドとプランの両方で決まります。トヨタ車とSUBARU車の初期費用フリープランは3年・5年・7年から選べますが、レクサス車は3年のみです。解約金フリープランはトヨタ車の3年契約です。ここで押さえておきたいのは、年数の選択肢が中途解約の扱いとつながっている点です。解約金フリープランは中途解約金なしでいつでも解約できると公表されている代わりに、年数の幅がありません。
年数を長くすると月額は下がりますが、下がったぶんは解約できない期間の長さに移っています。オリックスカーリースのいまのりくんのように、契約開始後2年が経過すれば乗り換えや返却ができると公表しているものもあります。年数を比べるときは、その年数のあいだ同じ使い方を続けられるかを先に決めてください。転勤、家族構成の変化、通勤経路の変更を読めないなら、月額が小さいという理由だけで長い契約を選ぶ根拠にはなりません。
走行距離:上限そのものより「数え方」が違う
2つめは走行距離です。国民生活センターは、走行距離等の利用に関する制約があることをカーリースの特徴として挙げています。ここでよくある誤解が、上限のkm数だけを見比べてしまうことです。実際には、数え方が2通りに分かれます。
KINTOは基準走行距離を「1,500km×ご利用月数(1年換算18,000km)」と公表しています。36ヶ月なら54,000km、60ヶ月なら90,000km、84ヶ月なら126,000kmです。定額カルモくんは6年以下の契約で月間平均1,500kmを上限とし、7年以上の契約では走行距離の制限はないとしています。オリックスカーリースは新車で月間2,000kmの走行距離制限を設けていると記載し、いまのりくんのページでは返却時の走行距離が経過月数×2,000kmを超えた場合に追加請求が発生すると説明しています。
いずれも月あたりの数字を契約月数で掛けた総枠で見る形です。ある月にたくさん走っても、返却時の合計が枠内に収まっていれば追加精算は発生しません。引っ越しや帰省で走行距離が月ごとに大きく振れる人にとっては、この点が効いてきます。
これに対してコスモMyカーリースは、契約時に月間走行距離の区分を選ぶ形です。500km/月(6,000km/年)、1,000km/月(12,000km/年)、1,500km/月(18,000km/年)から選び、標準は月間1,000km以内とされています。選んだ区分そのものが基準になるため、必要な距離を契約の時点で決めておく必要があります。
超過したときの精算は、金額も単位もサービスごとに違います。
| サービス | 走行距離の基準 | 超過した場合 |
|---|---|---|
| おトクにマイカー 定額カルモくん | 6年以下は月間平均1,500km。7年以上は制限なし | 1キロあたり8円 |
| オリックスカーリース(新車) | 月間2,000km。いまのりくんは返却時に経過月数×2,000kmで判定 | 超過距離に対し8円/km |
| コスモMyカーリース | 500km/月・1,000km/月・1,500km/月から選択。標準は月間1,000km以内 | -(今回見たページでは確認できず) |
| KINTO ONE | 1,500km×ご利用月数(3年54,000km/5年90,000km/7年126,000km) | トヨタ車(電気自動車を除く)は1kmあたり11円(税込)、トヨタ車の電気自動車・レクサス車・SUBARU車は1kmあたり22円(税込) |
同じ8円でも、判定の分母が月間1,500kmか2,000kmかで、超過するかどうかの結論は変わります。KINTOのように車の種類で単価が2倍違う例もあります。比べるときは、上限のkm数と超過時の単価を必ずセットで見てください。片方だけでは、自分の走り方でいくら増えるのかを計算できません。
自分の年間走行距離が分からない場合は、車検証や点検記録簿に残っている前回からの走行距離を使うのが確実です。過去の実績から月あたりに直し、そのうえで上の表と突き合わせます。ここで足りない場合、月額の小さいプランを選んでも、返却時の精算で差が埋まってしまう可能性があります。
月額に含まれる費目:会社ではなくプラン単位で決まる
3つめが、月額に含まれる費目です。ここが4項目のなかでいちばん差が大きく、そして同じ会社の中でも一定ではありません。
| サービス | 月額に含まれると公表している費目 | 含まれないと公表している費目 |
|---|---|---|
| おトクにマイカー 定額カルモくん | 車両本体価格、自動車税、重量税、自賠責保険料、登録費用、車庫証明手続代行費用、仲介手数料、陸送費(一部離島は追加料金の場合あり) | 車検点検料、法定12ヶ月点検料、交換部品代などのメンテナンス費用 |
| オリックスカーリース(新車) | 車両本体価格、オプション代、新車登録時手数料、自動車税(期間分)、重量税(期間分)、自賠責保険料(期間分) | 自動車保険(任意保険)、車検などの整備・保守費用、法定点検や交換部品等の整備 |
| コスモMyカーリース | パックごとに異なる(ゴールド/シルバー/ホワイトの3種類) | ホワイトパックは重量税・自賠責保険・メンテナンス項目・ロードサービス・延長保証を含まない |
| KINTO ONE | 車両代金、自動車税環境性能割、自動車税種別割、重量税、登録手続き費用、保険(車両保険コミ)、車検(5年・7年契約のみ)、法定点検、故障修理、油脂類の交換および補充、所定の消耗品の交換、ロードサービス、代車、コネクティッドサービス | -(今回見たページでは一覧を確認できず) |
この表から読み取れることは2つあります。1つめは、任意保険が含まれるかどうかで中身がまったく変わることです。KINTOは保険(車両保険コミ)を月額に含むと公表しているのに対し、オリックスカーリースは自動車保険(任意保険)を含まないと明記しています。任意保険の保険料は等級や年齢で変わるため、この1項目だけで月額の意味が変わります。
2つめは、メンテナンスの扱いです。定額カルモくんは車検点検料、法定12ヶ月点検料、交換部品代などのメンテナンス費用を含まないと明記し、別にメンテナンスプランを用意しています。オリックスカーリースも車検などの整備・保守費用は含まないとしたうえで、車検無料クーポンとオイル交換無料クーポンが付くと記載しています。KINTOは車検を月額に含むとしていますが、括弧付きで5年・7年契約のみと書かれています。3年契約では車検の時期が来ないため、含める必要がないという構造です。
そして、含まれる費目が会社単位で決まらないことをいちばんはっきり示しているのが、コスモMyカーリースのパック構成です。
ホワイトパックに含まれるのは車両代金、登録諸費用、自動車税の3つで、重量税や自賠責保険は含まれません。シルバーパックではそこに重量税、自賠責保険、車検、法定点検、スケジュール点検、エンジンオイル、オイルフィルターが加わります。ゴールドパックでは、さらに夏タイヤ、バッテリー、ブレーキパッド、ワイパーゴム、ロードサービスなどが加わります。
つまり、「コスモMyカーリースの月額に何が含まれるか」という問いには、パックを決めないと答えられません。他社と比べるときは、会社名ではなくプラン名まで指定して並べる必要があります。この構造は他のサービスでも同じで、メンテナンスプランの有無や契約年数で含まれる範囲が動きます。
なお、月額に自動車税種別割が含まれる場合でも、納税通知書は自分には届きません。カーリースでは車の所有者がリース会社になるためです。年額そのものの調べ方は自動車税は年いくらかに、車検で実際にかかるものの内訳は車検費用の内訳にまとめてあります。法人として契約する場合の会計と税務の扱いは法人カーリースの会計と税務に分けて書きました。
3項目をそろえてから、見積もりを取る
ここまでの3項目は、そのまま見積もりを依頼するときの条件になります。順番はこうです。
まず、自分が乗り続けられる年数を決めます。次に、過去の走行距離から月あたりの必要距離を出します。最後に、任意保険とメンテナンスを月額に含めるか、自分で手配するかを決めます。この3つが決まってはじめて、各社へ同じ条件で見積もりを依頼できます。
条件をそろえずに届いた月額を並べると、任意保険込みの月額と、任意保険なしの月額が同じ表に載ります。年数も距離も違えば、どれが自分にとって少ない支出なのかは分かりません。比べるのは月額ではなく、同じ期間に自分が支出する合計です。月額に契約回数を掛け、月額に含まれていない費目を自分の支出として足し、満了時の精算があるならそれも同じ欄に置きます。
満了時の選択肢も、条件のひとつとして先に確認しておくと迷いません。コスモMyカーリースは、契約満了時の選択肢として乗換え、再リース、買取り、返却の4つを挙げています。定額カルモくんは7年以上の契約で車がもらえると案内しています。満了時に何を選べるかは、契約書に書かれているとおりにしか決まりません。
確認できなかったこと
この記事で埋められなかった項目を残しておきます。
コスモMyカーリースで走行距離の区分を超えた場合の1kmあたりの金額は、今回確認した公式ページには記載がありませんでした。定額カルモくんとコスモMyカーリースの中途解約の扱いについても、今回見たページでは記載を確認できていません。KINTO ONEについては、月額に含まれる費目の一覧は確認できましたが、含まれない費目の一覧は確認できませんでした。
月額の金額と、それぞれのサービスの料金水準についても記載がありません。リース料には公表された標準額がなく、当サイトは事業者から独自に収集・検証した料金データを持っていないためです。金額の目安や順位は出しません。
また、この4サービス以外の個人向けカーリースについては、今回は3項目をそろえて確認できていないため、表に載せていません。載っていないことが、そのサービスの評価を示すものではありません。
この記事のまとめ
カーリースを比べるときにそろえるのは、契約年数、走行距離の上限、月額に含まれる費目の3つです。
契約年数は、1年刻みで選べるものと、プラン名と結びついて決まるものがあります。走行距離は、上限のkm数より数え方が重要で、契約期間の合計で判定する方式と、契約時に月間の区分を選ぶ方式に分かれます。含まれる費目は会社単位では決まらず、プランと契約年数で動きます。
3項目をそろえてから見積もりを依頼すれば、届いた月額は同じ土俵に載ります。そろえられない項目が残っているなら、比べるための情報がまだ足りていないということです。国民生活センターが呼びかけているとおり、契約書の内容を確認し、不明な点は契約前に事業者へ確認してください。この記事の数値は2026-09-12に各社の公式ページで確認したもので、条件は改定されることがあります。