この記事は、本田技研工業株式会社が 2026/10/29に公表した発表を一次情報にしています。 価格・発売日・仕様は発表の表記をそのまま記録しています。
出典:2026年9月度 四輪車 生産・販売・輸出実績(確認日 2026/10/29)
本田技研工業は2026年10月29日、2026年9月度の四輪車の生産・販売・輸出実績を公表しました。9月単月の世界生産は273,189台で前年比88.0%、前年実績は310,275台です。いっぽう2026年4~9月累計の国内生産は337,359台で前年比100.4%、前年度実績は335,935台と、わずかに前年度を上回りました。同じ資料の中で、単月と累計で前年との向きが分かれている区分があります。
今回の資料は、9月単月の欄と2026年4~9月累計の欄が並ぶ作りになっています。当サイトが整理した前の月の資料は単月の欄だけだったため、年度の上半期にあたる累計が加わったことで、1か月の動きと半年の動きを同じ表で見比べられるようになりました。この記事は、資料に載っている台数・前年比・前年実績・連続増減の記載だけを、区分と表記のまま整理したものです。増減の理由や車種ごとの内訳は資料に書かれていないため、当サイトでも書きません。
単月と累計で、前年との向きが分かれた区分がある
はじめに、同じ区分の前年比を単月と累計で並べます。国内生産は単月95.1%に対して累計100.4%、国内販売の全合計は単月88.1%に対して累計103.6%です。どちらも9月単月では前年を下回り、半年の累計では前年度を上回りました。逆の向きもあります。輸出の全合計は単月98.7%に対して累計86.9%で、単月のほうが100%に近い位置にあります。
この並べ方で分かるのは、「前年割れ」「前年超え」という言い方が、どの期間を指しているかで反転することです。9月の国内販売だけを見れば前年を下回っていますが、4月からの半年で見れば前年度を上回っています。どちらも同じ資料に載っている事実で、矛盾ではありません。期間を添えずに「前年を下回った」と書くと、読み手には逆の意味で伝わります。
前年比の欄は、増減率ではない
ホンダの月次実績は、台数の隣に前年比を%で示します。これは前年同月(累計の欄は前年度の同じ期間)を100%としたときの水準です。生産のアジアが単月56.2%というのは「56.2%減った」という意味ではなく、前年同月の水準の56.2%にあたる台数だった、という意味になります。資料には前年実績の欄も並んでいるので、気になる区分は前年の台数と直接見比べられます。
もうひとつ、資料には連続増減を示す欄があります。「12ヵ月連続減」のように前年を下回る状態が続いている期間を示す記載と、「7ヵ月ぶり増」のように向きが変わったことを示す記載の2通りです。単月の水準だけでは、続いている状態なのか切り替わったところなのかが分かりません。この欄まで合わせて見ると、9月が流れの中のどこに位置しているのかを確認できます。
生産は国内95.1%、海外86.2%、世界88.0%
9月の国内生産は62,356台、前年比95.1%、前年実績65,587台で、連続増減の欄は「2ヵ月連続減」です。海外生産は210,833台、前年比86.2%、前年実績244,688台で「9ヵ月連続減」。両者を合わせた世界生産は273,189台、前年比88.0%、前年実績310,275台で「8ヵ月連続減」とされています。
| 区分 | 2026年9月 | 前年比 | 前年実績 | 連続増減の記載 |
|---|---|---|---|---|
| 国内生産 | 62,356台 | 95.1% | 65,587台 | 2ヵ月連続減 |
| 海外生産 | 210,833台 | 86.2% | 244,688台 | 9ヵ月連続減 |
| 世界生産 | 273,189台 | 88.0% | 310,275台 | 8ヵ月連続減 |
累計では、国内生産が337,359台で前年比100.4%、前年度実績335,935台と前年度をわずかに上回りました。海外生産は1,259,762台で前年比91.7%、前年度実績1,373,357台。世界生産は1,597,121台で前年比93.4%、前年度実績1,709,292台です。半年の累計で前年度を上回った生産の区分は、国内生産だけです。
| 区分 | 2026年4~9月累計 | 前年比 | 前年度実績 |
|---|---|---|---|
| 国内生産 | 337,359台 | 100.4% | 335,935台 |
| 海外生産 | 1,259,762台 | 91.7% | 1,373,357台 |
| 世界生産 | 1,597,121台 | 93.4% | 1,709,292台 |
台数の規模は海外生産のほうが大きく、世界生産の水準は海外生産の並びに近いところにあります。ただし資料は各区分の台数と前年比を示しているだけで、どの区分がどれだけ効いたのかという説明は載せていません。当サイトでも、書かれていない比重を推し量ることはしません。
地域別は北米が103.0%、アジアが56.2%
資料が地域として挙げているのは北米、米国、アジア、中国の4つです。9月の北米は146,698台、前年比103.0%、前年実績142,364台で、連続増減の欄は「4ヵ月連続増」。うち米国は90,972台、前年比107.1%、前年実績84,928台で、こちらも「4ヵ月連続増」です。アジアは52,036台、前年比56.2%、前年実績92,575台で「12ヵ月連続減」。うち中国は21,788台、前年比34.4%、前年実績63,366台で、同じく「12ヵ月連続減」とされています。
累計でも向きは同じです。北米は871,841台で前年比107.6%、前年度実績810,186台、うち米国は543,534台で110.3%、前年度実績492,623台。アジアは319,288台で62.0%、前年度実績514,929台、うち中国は131,716台で40.4%、前年度実績325,742台です。同じ資料の中で、北米とアジアは前年との向きが逆になっています。
| 区分 | 2026年9月 | 前年比 | 2026年4~9月累計 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 北米 | 146,698台 | 103.0% | 871,841台 | 107.6% |
| うち米国 | 90,972台 | 107.1% | 543,534台 | 110.3% |
| アジア | 52,036台 | 56.2% | 319,288台 | 62.0% |
| うち中国 | 21,788台 | 34.4% | 131,716台 | 40.4% |
欧州など、地域の欄に名前のない地域の生産台数は資料に記載がありません。挙げられている北米とアジアを足しても海外生産の台数には届かないため、この2つで海外生産の全体を説明することはできません。米国は北米の内数、中国はアジアの内数として並んでいる点にも注意してください。
国内販売は9月が88.1%、累計は103.6%
国内販売の全合計は、9月が56,157台、前年比88.1%、前年実績63,754台で、連続増減の欄は「2ヵ月連続減」です。内訳は、登録車が30,652台、前年比97.8%、前年実績31,345台、届出車が25,505台、前年比78.7%、前年実績32,409台で、いずれも「2ヵ月連続減」とされています。届出車は軽自動車の届出台数を指す区分です。普通車や小型車は運輸支局への登録、軽自動車は軽自動車検査協会への届出という手続きの違いがあり、台数の統計でも別の区分として扱われます。
累計では全合計が303,539台で前年比103.6%、前年度実績293,055台。登録車が170,113台で109.2%、前年度実績155,847台、届出車が133,426台で97.2%、前年度実績137,208台です。半年で見ると、登録車は前年度を上回り、届出車は下回りました。軽自動車の累計販売についてはホンダ「N」シリーズの累計販売台数の発表に別の資料を整理していますが、集計の対象と期間が違うため、今回の台数と並べることはできません。
| 区分 | 2026年9月 | 前年比 | 2026年4~9月累計 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 国内販売 全合計 | 56,157台 | 88.1% | 303,539台 | 103.6% |
| うち登録車 | 30,652台 | 97.8% | 170,113台 | 109.2% |
| うち届出車 | 25,505台 | 78.7% | 133,426台 | 97.2% |
この表が対象にしているのは日本国内の販売だけです。北米や中国で何台売れたのかという海外販売の台数は、今回の資料に含まれていません。生産の欄に地域別の台数が並んでいるため混ざりやすいところですが、生産と販売は別の集計です。現地で作った台数と、その地域で売れた台数は一致しません。
輸出は欧州向けが191.2%、その他向けが35.3%
日本からの輸出は、9月の全合計が7,427台、前年比98.7%、前年実績7,528台で、連続増減の欄は「2ヵ月ぶり減」です。仕向地別では、欧州が4,081台、前年比191.2%、前年実績2,134台で「3ヵ月連続増」、北米が1,100台、前年比198.2%、前年実績555台で「7ヵ月ぶり増」、うち米国が1,100台、前年比224.0%、前年実績491台で、こちらも「7ヵ月ぶり増」です。いっぽうアジアは896台、前年比88.4%、前年実績1,014台で「2ヵ月ぶり減」、その他は1,350台、前年比35.3%、前年実績3,825台で、連続増減の記載はありません。
累計では全合計が48,915台で前年比86.9%、前年度実績56,272台です。欧州が29,084台(前年比139.1%、前年度実績20,904台)、アジアが3,214台(115.9%、2,774台)と前年度を上回り、北米が5,212台(39.1%、13,331台)、うち米国が5,012台(40.2%、12,470台)、その他が11,405台(59.2%、19,263台)と下回りました。北米向けは9月単月では前年を上回りましたが、累計では前年度実績13,331台に対して5,212台で、前年比39.1%という水準です。
| 区分 | 2026年9月 | 前年比 | 2026年4~9月累計 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 輸出 全合計 | 7,427台 | 98.7% | 48,915台 | 86.9% |
| 北米 | 1,100台 | 198.2% | 5,212台 | 39.1% |
| うち米国 | 1,100台 | 224.0% | 5,012台 | 40.2% |
| アジア | 896台 | 88.4% | 3,214台 | 115.9% |
| 欧州 | 4,081台 | 191.2% | 29,084台 | 139.1% |
| その他 | 1,350台 | 35.3% | 11,405台 | 59.2% |
生産の地域別では北米が前年を上回り、日本から北米への輸出も9月単月は前年を上回りました。ただし資料はこの2つを別の集計として並べているだけで、両者の関係についての説明は載せていません。現地生産と日本からの輸出は、数えている対象も計上される時点も違うため、片方の動きからもう片方を説明することはできません。
3つの表は、集計の基準がそろっていない
資料の注記には、国内生産と輸出が自工会報告ベース(CBU)、海外生産がラインオフベースの速報値であることが示されています。CBUは完成車の状態を指し、ラインオフは生産ラインから出た時点で数える方式です。数えている対象と時点が違う値が、同じ資料に並んでいます。国内生産と海外生産を足した世界生産の欄も、性質の違う数字を合わせたものだという前提で見てください。
速報値は後から改定されることがあります。この台数を引用するときは、速報値であることと公表日を必ず添えてください。また、生産台数から販売台数を引いて在庫を求めることはできません。対象にしている国も、期間の数え方も違う集計だからです。発表資料そのものの読み方はプレスリリースの読み方にまとめています。
この資料に書かれていないこと
- 車種ごとの生産台数と販売台数。どのモデルが何台だったのかは、この資料からは確認できません
- 海外販売の台数。販売の表は日本国内だけを対象にしています
- 欧州や南米など、地域の欄に名前のない地域の生産台数
- 受注や納期の状況、在庫、今後の生産計画
- 国内生産が2ヵ月連続減となった事情、中国が12ヵ月連続減となった事情などの説明
増減の理由は資料に載っていないため、当サイトは推測で補いません。背景を知りたい場合は、決算説明資料などの別の一次情報にあたってください。また当サイトは、この台数を人気の順位として使いません。生産台数は工場の稼働や部品の供給に左右され、販売台数は在庫の量にも左右されるためです。順位を示すのは、何を基準に並べたのかを同じページで示せるときに限ります。
前の月の実績はホンダ 2026年8月度の四輪車実績、同じ月に公表された他社の実績は日産 2026年9月度と上期累計の実績に整理しています。他社ぶんは生産・販売台数に、ホンダの公式発表はホンダに並べています。
出典と、この記事を更新する条件
この記事は、本田技研工業が2026年10月29日に公表した「2026年9月度 四輪車 生産・販売・輸出実績」を一次情報にしています。台数、前年比、前年実績、前年度実績、連続増減の記載は、いずれも公表資料の表記のまま転記しました。資料に無い数値を、他の月や他社の資料から持ち込むことはしていません。発表ページを確認した日は2026年10月30日です。
月次の実績は毎月公表されるため、この記事の数値を後の月の値で書き換えることはしません。改定が公表された場合、または出典ページの内容が変わっていたことを確認した場合に、この記事を更新して編集日を改めます。出典ページは90日ごとに見直します。