車の維持費

軽自動車と普通車の維持費の差|公表値で確定できる4つの費目

軽自動車と登録車(普通・小型)で持ち続ける費用はどこがいくら違うのかを、毎年の税、車検ごとの自動車重量税、自賠責保険料、継続検査の手数料の4つに絞り、公的機関と事業者の公表値で確認します。任意保険や燃料費のように公表値がない費目は分けて示します。

軽自動車と普通車の維持費の差|公表値で確定できる4つの費目 - チビカのニュースカード

「軽自動車は維持費が安い」という話は、費目ごとに中身が分かれます。公表された金額で差を確定できるのは、毎年の税、車検ごとの自動車重量税、自賠責保険料、継続検査の手数料の4つです。この4つは、どちらも1円単位の額が公表されているので、自分の車に当てはめれば差額がそのまま出ます。

いちばん大きい差は毎年の税です。四輪乗用・自家用の軽自動車は年10,800円、令和元年10月1日以後に初回新規登録した自家用乗用車は総排気量の区分で25,000円から50,000円です。いっぽうで、2026年11月1日以降に保険期間が始まる自賠責保険の契約では軽自動車のほうが100円高くなります。すべての費目で軽が安いわけではありません。

残りの任意保険料、燃料費、駐車場代、車検の整備費用には、軽と登録車を並べて比べられる公表値がありません。このページでは、差を確定できる4費目の金額を出したうえで、確定できない費目を「出せない」と書いて分けます。維持費そのものの組み立て方は車の維持費の内訳、自動車税の額の引き方は自動車税はいくら?で扱っています。

差額を出せる費目と、出せない費目を先に分ける

比較を始める前に、どの費目なら金額で比べられるのかをはっきりさせておきます。ここを混ぜると、公表値と相場が同じ1枚の表に並ぶことになり、出した合計が何を指しているのか分からなくなります。

軽自動車と登録車で差額を出せる費目と出せない費目を左右に分けた図。左は毎年の税(軽10,800円/登録車25,000〜50,000円)、車検ごとの自動車重量税(軽は2年6,600円の定額)、自賠責保険料24か月(軽18,660円/自家用乗用18,560円)、継続検査の手数料(軽2,500円/普通自動車2,600円)。右は任意保険料、燃料費、駐車場代、車検の整備費用
左の4費目は額が公表されていて、右の4費目には比べられる公表値がありません。この記事で金額を出すのは左の4つだけです。出典:東京都主税局「自動車税」/横浜市「軽自動車税について」/軽自動車検査協会/自動車技術総合機構「費用目安」/三井住友海上「自賠責保険料」/損害保険料率算出機構「型式別料率クラス」。確認日2026-10-17。

比べる相手もそろえておきます。この記事で「軽自動車」と書いているのは四輪以上・乗用・自家用の軽自動車、「登録車」と書いているのは自家用乗用の普通自動車・小型自動車です。貨物用や営業用は税額の区分が別で、額も違います。

毎年の税は、払う相手と決め方が違う

まず押さえておきたいのは、軽自動車と登録車では税目そのものが別だという点です。登録車にかかる自動車税は都道府県税で、軽自動車にかかる軽自動車税は市町村税です。税率を定めている団体が違うため、自分の額は住んでいる都道府県と市町村のページで確認することになります。

なお2026年4月1日に、この2つの税の名前が変わりました。兵庫県は、自動車税種別割が自動車税に名称変更、軽自動車税種別割が「軽自動車税」に名称変更と案内し、あわせて自動車税環境性能割と軽自動車税環境性能割が令和8年3月31日をもって廃止となると説明しています。買うときに一度かかっていた税が無くなり、毎年の税の呼び名が戻った、という変更です。

東京都主税局は自家用乗用車の年税額を総排気量の区分ごとに公表しています。横浜市は四輪以上の軽自動車について、用途と初度検査の時期ごとの年税額を公表しています。この2つを並べ、差額を取ったものが次の表です。

総排気量の区分(自家用乗用) 登録車の年額 軽自動車の年額 差額
1リットル以下 25,000円 10,800円 14,200円
1リットル超1.5リットル以下 30,500円 10,800円 19,700円
1.5リットル超2リットル以下 36,000円 10,800円 25,200円
2リットル超2.5リットル以下 43,500円 10,800円 32,700円
2.5リットル超3リットル以下 50,000円 10,800円 39,200円

登録車の額は令和元年10月1日以後に初回新規登録した車のもの、軽自動車の額は平成27年4月以後に初度検査を受けた四輪乗用・自家用のものです。差額の列は、この2つの公表値を引き算した値です。どちらの車も、持っているだけで毎年この額が出ていきます。

初度登録の時期が古いと、登録車側の額はさらに上がります。東京都主税局の表では、令和元年9月30日以前に初回新規登録した自家用乗用車は1リットル以下29,500円、1リットル超1.5リットル以下34,500円、2.5リットル超3リットル以下51,000円です。2019年10月の引き下げが適用されるのは、そのとき以後に初めて登録された車だけなので、中古車を買う場合は車検証の初度登録年月を見てから表を引いてください。軽自動車側も、平成27年3月以前に初度検査を受けた車は7,200円です。

13年を超えた車は、どちらも税が上がります。東京都主税局は、4月1日現在で初回新規登録後にガソリン自動車・LPG自動車で13年、ディーゼル自動車で11年を超えるものについて概ね15%の重課があるとし、電気自動車や天然ガス自動車、ガソリンを燃料とするハイブリッド自動車などは重課の対象外としています。重課後の具体的な年額は都道府県が公表していて、この記事では確認していません。軽自動車側は、横浜市の表で四輪乗用・自家用の13年経過が12,900円です。10,800円との差は年2,100円です。

年度の途中で車を持ったり手放したりしたときの扱いも、2つの税で違います。東京都主税局は、新規登録した場合を登録の月の翌月から年度末までの月数による課税、抹消登録した場合を4月から消滅(抹消登録)の月までの月数による課税と説明しています。これに対して横浜市は、自動車税と異なり、税額の月割りはありませんと明記しています。つまり軽自動車は4月1日時点の所有者に年額がかかり、年度の途中で手放しても戻りません。軽自動車を手放す時期を考えるなら、4月1日をまたぐかどうかが分かれ目になります。納期はどちらも5月で、東京都は5月末日が納期限、横浜市は5月1日から同月末日までを納期としています。

車検ごとの自動車重量税は、軽自動車だけが定額

2年ごとの車検で払う法定費用のうち、自動車重量税の決まり方が軽自動車と登録車で大きく違います。軽自動車は車両重量に関係なく定額で、軽自動車検査協会が2年分の額を公表しています。

検査対象軽自動車の区分 自家用(2年分) 事業用(2年分)
新車新規届出から13年未満 6,600円 5,200円
新車新規届出から13年経過 8,200円 5,400円
新車新規届出から18年経過 8,800円 5,600円

年間の維持費に入れるときは2で割ります。13年未満の自家用軽自動車なら年3,300円、13年経過で年4,100円です。軽自動車に乗っている人は、この1行だけで自分の重量税が確定します。

登録車はそうなりません。自動車重量税の額が車両重量によって変わるためです。国土交通省は継続検査時の税額について次回自動車重量税額照会サービスを案内していて、車台番号と検査予定日を入れると自分の車の額が出ます。エコカー減税の対象かどうかも含めた答えが返るので、表から当てはめるより確実です。この記事では、登録車の車両重量ごとの額を公表資料で確認していません。そのため「軽と登録車で重量税がいくら違うか」は、照会サービスで出した自分の車の額を使って計算してください。車検で払うもの全体の内訳は車検費用の内訳にまとめてあります。

軽自動車検査協会 手続きナビ「車検の際に支払う重量税の金額を教えてください。」のページ
上の表を転記した出典ページです。検査対象軽自動車の自動車重量税が自家用と事業用に分かれ、13年未満・13年経過・18年経過の2年分の額が示されていること、車両重量による区分が無いことを、このページで確認しました。 確認日:2026-10-17。 出典:軽自動車検査協会 手続きナビ「車検の際に支払う重量税の金額を教えてください。」

自賠責保険料は、2026年11月から軽自動車のほうが高くなる

自賠責保険料は車種区分と保険期間で決まり、どの保険会社でも同じ額です。ここは軽自動車のほうが安いという前提が崩れる費目です。三井住友海上が公表している保険料例から、車検で使う期間を抜き出します。

車種区分 保険期間 2023年4月1日以降始期 2026年11月1日以降始期
自家用乗用自動車 24か月 17,650円 18,560円
軽自動車(検査対象車) 24か月 17,540円 18,660円
自家用乗用自動車 25か月 18,160円 19,070円
軽自動車(検査対象車) 25か月 18,040円 19,170円

24か月で見ると、2023年4月1日以降始期の契約では軽自動車が110円安く、2026年11月1日以降始期の契約では軽自動車が100円高くなります。25か月でも、120円安いところから100円高いところへ入れ替わります。背景には、2026年4月30日に届け出られた基準料率の改定があります。金融庁は全車種等の平均で6.2%の引上げと公表していますが、上げ幅は車種区分ごとに違うため、改定をはさんで順番が入れ替わりました。金額の内訳と適用の判定は自賠責保険料はいくら?で詳しく扱っています。

どちらの料率になるかは車検を受けた日ではなく保険契約の始期で決まります。いずれの額も離島以外の地域のもので、三井住友海上は沖縄県、離島など一部地域については上記保険料例と異なりますと注記しています。保険期間の下限にも決まりがあり、軽自動車検査協会は継続検査について、返付を受ける自動車検査証の有効期間の全てと重複する保険期間のものが必要で、自動車検査証の有効期間を満了する日より1日以上多く保険をかける必要があると案内しています。24か月ではなく25か月の区分が用意されているのは、この端をそろえるためです。補償の範囲と任意保険との役割の違いは自賠責保険と任意保険の違いで整理しました。

継続検査の手数料は、受け方で順番が入れ替わる

車検のときに国と検査機関へ払う手数料も、軽自動車と登録車で別に定められています。登録車は自動車技術総合機構、軽自動車は軽自動車検査協会が公表しています。

受け方 軽自動車 登録車(普通自動車)
持込検査(継続検査) 2,500円 2,600円
保安基準適合証を提出(OSS申請) 1,850円 -
保安基準適合証を提出(OSS申請を除く) 2,100円 2,100円

軽自動車の持込検査は1両につき2,500円で、検査手数料2,100円と技術情報管理手数料400円の合計です。保安基準適合証を提出する場合はOSS申請で1,850円(1,450円+400円)、OSS申請を除く場合は2,100円(1,700円+400円)です。登録車の継続検査は普通自動車が2,600円(国の手数料600円+機構の手数料2,000円)、小型自動車が2,500円(600円+1,900円)で、指定整備工場を経由する場合は2,100円(1,700円+400円)です。登録車のOSS申請だけの区分は、同機構のページでは確認できませんでした。

差は100円の単位で、ほかの費目に比べれば小さいものです。それでも並べる意味があるのは、同じ「車検の手数料」でも軽と登録車で見るページが違うことがここで分かるからです。なお自動車技術総合機構のページには、令和8年4月1日より、道路運送車両法関係手数料の一部を改正する政令の施行に伴い、手数料額が変更となりますという注記が併記されています。掲載されている表がこの変更の前後どちらの額なのかはページ上で区別されていないため、確認日2026-10-17時点で掲載されている額として読んでください。自分で検査場へ持ち込む場合の手順と費用はユーザー車検の費用で扱っています。

高速道路では、軽自動車等という別の区分になる

維持費の話で見落とされやすいのが通行料金です。高速道路の料金は車種ごとに分かれていて、西日本高速道路のよくあるご質問は、高速道路が軽自動車等・普通車・中型車・大型車・特大車の5車種に分類されると説明しています。軽自動車は普通車とは別の区分で料金が計算されます。

計算の形も公表されています。同社は普通車の場合を(1kmあたりの料金×距離+ターミナルチャージ)×(1+消費税率)とし、1kmあたりの料金は普通車24.6円が基準、算出後料金の端数処理については四捨五入し10円単位としています。車種ごとの比率については、同社が令和4年の発表で、激変緩和措置の終了にあわせて対象路線へ適用する車種間比率を軽自動車等0.8、普通車1.0、中型車1.2、大型車1.65、特大車2.75と公表しています。この発表は近畿自動車道などの対象路線についてのものなので、すべての道路の料金がこの比率で決まると読まないでください。自分が使う区間の額は、各社の料金検索で区間と車種を指定して確認します。

車検証の4か所で、どの額が決まるか

ここまでの費目を、自分の車に当てはめる順番に並べ替えます。必要な情報は、すべて車検証に載っています。

車検証の欄と、その欄で決まることを左右に対応させた図。車種は税目が自動車税か軽自動車税かを分け、総排気量は自動車税の年額の区分を決め、車両重量は自動車重量税の額を決め、初度登録年月・初度検査年月は13年・18年経過の重課を判定する
軽自動車と登録車では、額を引くために見る欄そのものが違います。軽自動車の重量税には車両重量の欄が効きません。出典:東京都主税局「自動車税」/横浜市「軽自動車税について」/国土交通省「自動車重量税額について」/軽自動車検査協会。確認日2026-10-17。

車検証で車種を見れば、払う税目が自動車税か軽自動車税かが決まります。登録車なら総排気量の区分で年額が決まり、軽自動車なら初度検査の時期で3つの段のどれかに入ります。初度登録年月と初度検査年月は、13年・18年を超えたかどうかの判定に使います。登録車だけ、車両重量の欄がもう1つの変数として効きます。

公表値では差を出せない費目を、埋めずに残す

ここから先は、金額を比べられない費目です。相場や平均を入れると合計の意味が崩れるので、空けておきます。

任意保険料は契約ごとに決まり、公表された一律の額がありません。ただし、仕組みの側に軽と登録車の違いがあります。損害保険料率算出機構は型式別料率クラスについて、自家用普通乗用車・自家用小型乗用車はクラス1〜17の17区分、自家用軽四輪乗用車はクラス1〜7の7区分とし、料率クラスは毎年見直しますと説明しています。同じ「乗用車」でも区分の刻みが違うということです。自分の保険料は、見積書か継続証に書かれた額を使ってください。

燃料費は、走行距離と燃費と燃料単価の3つで決まります。軽自動車と登録車のどちらが安いかは車種ごとの燃費次第で、区分だけでは決まりません。計算の順番はガソリン代の計算方法で扱いました。駐車場代は、参照できる全国平均の公表値を確認できませんでした。自分が契約している駐車場の月額を12倍する以外に、正確な方法はありません。車検の整備費用も、車の状態と依頼先で変わるため、見積書の行を見るしかありません。

自分の2台で年間差額を出す手順

2台の年間差額を公表値だけで出す4工程の図。1は車検証から車種・総排気量・車両重量・初度登録年月を書き写す、2は都道府県と市町村の税額表で毎年の税を引く、3は2年ごとの額を年に直す(軽の重量税は2年6,600円、登録車は照会サービス)、4は差額を足して任意保険と燃料は別の行に分ける
公表値だけで出せるのは、この4工程で足した差額までです。完了条件は、公表値で出した差額と見積りが要る費目が別の行に分かれていることです。出典:東京都主税局/横浜市/軽自動車検査協会/国土交通省。確認日2026-10-17。
  1. 比べる2台の車検証から、車種、総排気量、車両重量、初度登録年月(軽自動車は初度検査年月)を書き写す
  2. 登録車は都道府県のページ、軽自動車は市町村のページで、その区分の年税額を確認する。13年を超えている車は重課の行を見る
  3. 2年ごとの額を年に直す。軽自動車の重量税は2年6,600円を2で割った3,300円、登録車は照会サービスで出した額を2で割る。自賠責保険料と検査手数料も同じように2で割る
  4. 2と3の差額を足す。任意保険料、燃料費、駐車場代、整備費用は別の行に書き、空欄のまま残す

例として、1リットル超1.5リットル以下の登録車と、13年未満の自家用軽自動車を、どちらも2026年11月1日以降に始期がある自賠責保険で持込検査を受ける前提に置くと、毎年の税の差が19,700円、自賠責保険料の差が2年で100円(軽が高い)、検査手数料の差が2年で100円(軽が安い)になります。重量税は、軽が年3,300円で確定し、登録車側は照会サービスの額を入れて初めて差が出ます。この前提は仕組みを示すための仮定で、特定の車種の実際の負担額ではありません。

「軽は安い」の中身は、毎年の税に集まっている

確定できる4費目を並べると、差の大きさがそろっていないことが分かります。毎年の税は年14,200円から39,200円の差になり、13年を超えればさらに開きます。いっぽう自賠責保険料と検査手数料の差は100円の単位で、しかも自賠責保険料は2026年11月1日以降に始期がある契約では軽自動車のほうが高くなります。軽自動車の維持費の優位は、ほぼ毎年の税と重量税の定額ぶんから来ています。

そして、ここで出した差額は持ち続けるための費用の差だけです。車両価格、任意保険料、燃料費、駐車場代は入っていません。軽自動車と登録車のどちらにするかを決めるときは、この4費目の差額を先に確定させ、残りは自分の見積書と記録で埋めていくのが順番として確実です。公表値で出せるところまでを出し終えていれば、あとから足す数字がどれだけ効くのかも、同じ表の上で見えるようになります。