カーリースの契約期間が終わりに近づき、手元の車がこのあとどうなるのかを確かめに来た方へ書いています。
先に答えを書きます。公益社団法人リース事業協会は、リース期間が満了するとリース契約は終了し、通常はリース期間満了の2〜3カ月前にリース会社からの通知が来ると説明しています。その通知を受けて選ぶのは、引き続き使う「再リース」か、契約を終える「返還」かの2つです。車を自分のものにできるかどうかは、この2つの外にある話で、契約にその定めがあるかどうかで決まります。
満了は、ある日いきなり来るものではありません。満了日は契約期間から決まっていて、契約書を開けば今日でも分かります。通知は、その日付を知らせるとともに、どちらを選ぶかを問うものとして届きます。
この記事では、通知が届いてから車の扱いが落ち着くまでに何が起きるのかを、リース事業協会・国民生活センター・国土交通省・東京都主税局の資料で確認できた範囲だけ並べます。金額は書きません。リース料も再リース料も契約ごとに決まり、公表された標準額が存在しないためです。契約そのものの性質はカーリースとはに分けて書きました。
判断が始まるのは、満了の2〜3カ月前
リース事業協会の説明では、通知を受けた時点で分かれるのは「引続きリース物件を使用したいとき」と「契約を終了するとき」です。つまり通知は、連絡事項ではなく選択を求める書面として届きます。
この時期にやることが重なるのは、選ぶ対象が1つではないからです。契約を終えるなら、返す日と場所を合わせる必要があります。乗り換えるなら、次の車の手配がその日までに済んでいないと、車のない期間ができます。再リースにするなら、その契約が結べるかどうかを確認することになります。どれを選んでも、満了日という締め切りが先に決まっています。
だから、通知を待ってから考え始める前提で組まないほうが安全です。満了日は契約書に書かれているので、通知より前に自分で確認できます。確認したい条項は記事の最後にまとめました。
続けるなら再リース、終えるなら返還
同協会は、引続きリース物件を使用したいときは「再リース」を選択し、契約を終了するときは、ユーザーの負担で、リース会社が指定する場所にリース物件を返還すると説明しています。短い一文ですが、読み取れることが2つあります。
1つは、再リースという選択肢が、特別な交渉ではなく一般的な扱いとして説明されていることです。同協会は、再リース料は低価格となるとも書いています。ただし、どのくらいの料金になるのか、何を基準に決まるのかは、このページでは確認できませんでした。「安くなる」とだけ分かっていて、額は分からないという状態です。
もう1つは、返還にかかる手間と費用が、利用者の側に置かれていることです。「ユーザーの負担で、リース会社が指定する場所に」と書かれています。返す場所が生活圏から離れていれば、そこまで運ぶ段取りが必要になります。費用の内訳や上限についての記載は、確認できませんでした。
返す車の状態について何を求められるかも、この資料からは分かりません。国民生活センターは、カーリースの特徴として走行距離等、利用に関する制約があることを挙げていますが、上限が何キロで、超えたときに何が生じるのかは、公的・団体の資料には書かれていません。契約書で確かめる項目です。
「満了したら自分の車になる」とは書かれていない
国民生活センターは、カーリースを「リース会社が所有する車を一定の期間借りて利用できるサービス」と説明しています。借りる契約である以上、満了日が来たからといって、車が自動的に自分の名義へ移ることはありません。
同センターに寄せられた相談には、カーリース契約満了後、残価を支払わないと車を受け取れないと言われたという事例があります。残価は、契約が終わる時点で車に残っている価値としてあらかじめ見込んでおく金額のことで、これを差し引くことで契約期間中の月額が抑えられています。月額が低く見えていた分の精算が、満了のところで出てくる形です。
同じ資料には、9年後、車が自分のものになると勧誘されカーリース契約をしたが実際は違ったという相談も載っています。期間が長い契約でも、所有権が移るかどうかは年数では決まりません。その契約書にそう書かれているかどうかだけで決まります。
満了まで待たずに手放す方向も、原則としては取れません。リース事業協会は、リース期間中の解約(中途解約)はできないこと、解約する場合には残リース料または残リース料相当額の違約金を支払うことを明記しています。解約金の決まり方はカーリースの中途解約に分けました。月額が安く見える仕組みが似ている残価設定ローンとの違いは残価設定ローンとカーリースの違いで整理しています。
| 満了時の扱い | 資料で確認できた記載 | 確認できなかった項目 |
|---|---|---|
| 返還する | ユーザーの負担で、リース会社が指定する場所に返還する | 返す車の状態について求められること、運搬費用の内訳 |
| 再リースにする | 引続き使用したいときに選択できる。再リース料は低価格となる | 料金の決め方と額、何回まで続けられるか |
| 車を受け取る | 満了後に残価の支払いを求められた相談事例がある | 受け取れる契約かどうかの一般的な条件、支払う額 |
| 満了前にやめる | 原則としてできず、残リース料または残リース料相当額の違約金 | 個別の契約での算定方法 |
確認できなかった列を空けずに書いているのは、そこが契約ごとに違う部分だからです。公的機関や業界団体がひな形を示しているわけではないので、ここを一般論で埋めると、自分の契約と違う前提で判断することになります。
車を受け取るなら、名義変更の手続きが残る
受け取れる契約で、実際に受け取ることにした場合、車は自分のものになります。その時点で、車検証に登録されている所有者を書き換える手続き、つまり移転登録が必要になります。国土交通省の自動車登録ポータルサイトが、登録車の提出書類を次のように挙げています。
| 書類 | ページに書かれている条件 |
|---|---|
| 移転登録申請書(自動車検査証変更記録申請書) | 新旧所有者本人が直接申請する場合は実印を押印 |
| 手数料納付書 | 所定の手数料印紙を貼付。キャッシュレスの場合はその旨を記載 |
| 譲渡証明書 | 譲渡人は実印を押印 |
| 新旧所有者の印鑑(登録)証明書 | 発行されてから3カ月以内のもの |
| 新旧所有者の委任状 | 代理人による申請の場合に限り必要。実印を押印 |
| 自動車保管場所証明書 | 使用の本拠の位置が変更になり、かつ適用地域の場合に限り必要。証明の日から概ね1カ月以内のもの |
| 自動車検査証 | 有効期間のあること |
この一覧で目を引くのは、「新旧所有者の」と書かれた書類が並んでいるところです。カーリースの満了で車を受け取る場合、旧所有者はリース会社です。譲渡証明書や印鑑証明書は、自分では用意できません。つまりこの手続きは、自分の段取りだけでは完結せず、相手方から書類が届く時期に左右されます。
印鑑証明書に有効な期間があることも、順番に効いてきます。発行されてから3カ月以内のものと書かれているため、早く取りすぎると使えなくなります。書類の有効期間を見ながら、受け取る時期と合わせて集める作業になります。売却のときに必要な書類と重なる部分は車を売るときの必要書類にまとめました。
手数料については、所定の手数料印紙を貼付した手数料納付書が必要と書かれています。額はこの記事では扱いません。手続きの区分と地域で変わるため、申請する運輸支局等の案内で確認する項目です。
次の4月1日に誰が所有者かで、税の宛先が変わる
東京都主税局は、自動車税種別割の納税義務者を「4月1日現在、自動車の所有者として自動車検査証(車検証)に登録されている方」と説明しています。この一文を満了後に当てはめると、扱いは次のように分かれます。
返還した場合、車検証上の所有者はリース会社のままです。自分の手元から車は離れ、納税通知書が届く相手も変わりません。再リースにした場合も、所有者が変わるわけではないので同じです。
受け取って移転登録まで済ませた場合は、車検証に登録される所有者が自分になります。その後に来る4月1日の時点で所有者であれば、納税義務者は自分です。リース料に税金が含まれていた状態から、自分で納める状態へ移ります。税額そのものの調べ方は自動車税は年いくらかに分けました。
リース料に何が含まれていたかは、満了後に自分で負担する項目を見積もるときの手がかりになります。リース事業協会は、リース料には物件価格、金利、固定資産税、保険料(動産総合保険等)、リース会社の管理費・利益が含まれると説明しています。ここに並んでいないものは、リース中も自分で払っていたものです。買う形に移るなら、車の維持費の内訳と突き合わせると、月々の支払いから出ていくものと新しく自分の手元で発生するものを分けられます。
通知を待つ前に、契約書の6か所を読む
読む順に並べ直します。どれも、通知が来る前に契約書で確認できる項目です。
- 満了日はいつか。契約期間の終わりを月単位ではなく日付で確認します
- 満了時に返すのか、受け取れるのか。受け取れるなら、何を支払うことになるのか
- 返す場所と、そこへ運ぶ費用をどちらが負担するか
- 走行距離の上限と、超えたときの扱い。自分の年間の走り方と突き合わせます
- 再リースができる契約か。できる場合、申し出る時期に期限があるか
- 返す車の状態について、求められていることがあるか
国民生活センターは、カーリースの仕組みを理解して自身の利用方法に合っているかをよく検討すること、契約書の内容をしっかり確認して不明な点があれば必ず契約前に事業者に確認することを呼びかけています。満了時の扱いも、この「契約前に確認する」対象に入ります。すでに契約している場合は、通知を待たずに同じ条項を読む形になります。説明と条項が合わないときの相談先として、同センターは消費者ホットラインを案内しています。
満了は、契約が静かに終わる時点ではありません。返す段取り、受け取るなら名義の手続き、次に乗る車の手配が同じ時期に重なります。どれも締め切りは満了日です。読む場所は2つだけで、契約書の満了に関する条項と、満了の2〜3カ月前に届く通知書です。借りる形を続けるのか、ここで所有する形へ移るのかは、カーリースと購入の比較で期間全体の負担を並べてから決められます。